杞憂
「ゲートで遠出したらちょっと無理しすぎたみたい」
と、シムゥンは分析する。
さすがに異世界である天空岩は遠すぎた。
「ゲートって研究所にあるゲートか?」
と、ジーラ。
「いや、研究所のとは違う。ここの洞窟にもゲートがあったんだよ」
シムゥンの言葉に、ジーラは首を傾げる。
「ジュピターが使ってたものだよ」
とシムゥンが言うと、ジーラはぎょっとする。
ジーラの目の前にいるのは間違いなくシムゥンであり、シムゥンはジュピターには会ったことはない。
やはり、邪神復活の儀式により、ジュピターの魂がのりうつってるんだろうか?
そんな危惧もあるのだが、そう遠くない未来に杞憂であると知ることになる。
「シムゥン、何言ってるんだ。」
「リムと天空岩に行って来たんだ。楽しかったよ」
シムゥンはにこにこ顔だ。
「リム? 天空岩?」
シムゥンが突拍子もないことを言うので、唖然とするジーラ。
「これがリム」
と、シムゥンは立て掛けてあった剣を握る。
「天空岩に行ったら、聖剣とリムのこと思い出した」
シムゥンはニヤリとする。
ジーラにはよくわからない。
「天空岩?」
「うん! 雪が全然なかった!」
シムゥンはきらきらした目で語り出す。
雪がなく、ここより暖かい場所で、かつてはたくさんの竜人が住んでいたがおそらく移住したのではないか、とか。
そんな説明を聞いても、ジーラはぽかーんとしてしまう。
話してるうちにシムゥンは興奮したのか、テンション高くなっている。
そんなシムゥンが、別の意味で心配になるジーラだった。
「リム、また行こうな」
シムゥンは手にした剣に話しかける。
「冗談じゃない。お前死にかけたんだぞ。そんな危険なこと二度とさせられるか」
と、リムが語る。
「大袈裟だってば」
シムゥンは笑う。
「シムゥン、何を言ってるんだ?」
ジーラにはリムの言葉わからない。
その後シムゥンはリムと会話してるようだが、ジーラはそんなシムゥンがまずます心配になった。




