一心同体
この瞬間から、リムとシムゥンは意思の疎通ができるようになった。
当然、喜んでいるリムではあるのだが、長年待たせたことへの恨み節も言いたくなる。
「こんな姿にしたと思ったら、迎えにも会いにも来ない……」
「ジュピターがきみに何かしたの?」
その言葉に、リムは意表を突かれた。
まさか、シムゥン自らがその名前を口にするとは。
リムは、ジュピターという名前は呼ばないことにしようと決めたばかりなのに。
シムゥンといえば、ためらいなくその名を口にした。
なんて無神経なんだ。
ジュピターの名を口にしたシムゥンは、今度はリムの名前を呼んだ。
感無量だった。
ついきつい口調で言い返したりもしたが、ずっと一緒にいよう。そう決めた。
ここで暮らすのかと思いきや、意外にもシムゥンは帰るのだという。
この世界のゲートを見つけ、あっさり元の邪神の間へと帰って来たのだった。
*
帰って来たシムゥンではあったが、その体が冷え切っていた。
短時間で異世界へ往復したのだ。
相当の魔力を消耗した。
しかも、魔力が体力と連動するシムゥンだ。
その体は冷え切っている。
「おい!大丈夫か?」
リムは必死に呼びかける。
「うん。ちょっと眠い」
「寝るな。凍死するぞ」
「おおげさ」
シムゥンはふふっと笑い、目を閉じた。
「おい!起きろ!ふざけるな!また置いて行く気が?」
そうはさせない、とリムは思った。
リムも魔法が使える。
なるべく熱を発するのだ。
幸いなことに、シムゥンはリムを抱きしめる姿勢で眠っていた。
体を密着させていれば、熱は伝わる。
「もう離れない!死ぬときは一緒だ!」
*
リムはシムゥンとともに眠ってしまっていた。
気づけば、ベッドで眠るシムゥンを見ていた。
あれからほどなくして、ジーラに発見され保護されたようだ。
シムゥンは自室のベッドで眠っており、リムは同じ部屋にたてかけられていた。
ジーラは甲斐甲斐しくシムゥンの様子を見ていた。
――白々しい。
その様子を醒めた目で見ていた。




