企み
*
それから、時は流れ――
一緒に暮らしているジーラが、シムゥンに不穏な動きをするようになっていた。
食事にどうも睡眠薬を混ぜてるようなのだ。
リムはそれを必死に訴えるが、シムゥンには聞こえていない。
リムは静観するしかなかった。
眠ってるシムゥンの元に、イオがやって来る。
二人で眠ってるシムゥンを何か調べてるようだった。
やがて、その目的がわかる。
イオとジーラは、シムゥンに邪神の魂を宿らせようと計画していた。
――こいつら、バカか?
リムは苦笑する。
シムゥンこそが邪神の生まれかわりとなぜわからないのか?
リムはジュピターの一部だからこそ気づいたのだろうか?
他人には気づくのは相当難しいことなのだろうか?
睡眠薬を飲まされたはずのシムゥンはふと目を覚ました。
その理由が、リムにはわかった。
――浄化してる。
それはシムゥンの体質なのか、無意識の能力なのか。
病気一つ知らないような健康体だから、なせるのかもしれない。
シムゥンは害がある物は摂取した場合、体内で浄化してしまうようだ。
だが、それは魔力と体力を同時に消費し、結局、また眠ってしまう。
――意味のない能力だな。
まあ、大人になればそういう体質を上手く克服できるのかもしれない。
奇妙な企みに巻き込まれてるシムゥンだが危険はなさそうなので、リムはほっとおくことにした。
*
邪神復活の儀式は成功なのか、失敗なのか、よくわからない。
そもそも、成功するはずがないのだから。
だが、いいこともあった。
シムゥンは、前世の自分の名前をジュピターだと思い出したのだ。
そして、リムのことも。
復活の儀式の後、慌てふためいて帰って来たシムゥンは、この家の物置からリムを引っ張り出す。
リムをじっくり見ては何か考え、握ってみたり、また考え事をしていたり。
「聖剣? これを僕が……? ジュピターが? う~~~ん???」
だが、聖剣がリムであることに気づいてないようだ。
――もう少し。もう少しで思い出すか……
そんな期待をしてしまう。




