天空岩
――みんな、どうしてるかな?
ふと、そんなことを思う。
なんだか、すごく遠くに来てしまったような気がする。
とはいえ、実際、すごく遠い場所なのだ。
シムゥンの住む魔法使いの国とは違う惑星の天に浮かぶ岩の上なのだから。
イオは嫌味なやつだと思ったけど、シムゥンを邪神だと思い込んだらそこそこ親切にしてくれるようになった。
ジーラは祖父のように慕ってたはずが、子どもの頃のジーラの姿を知ってると、どこか守ってあげなきゃ、なんて思ってもいたり。
ステラ他の魔法使いたちもシムゥンのことを慕ってくれるわけで、何か恩返し的なことができればいいな。
「おい、シムゥン」
唐突に名前を呼ばれた。
「うわ、喋った!」
シムゥンは驚く。
何気にシムゥンが手にしたままだった聖剣、それが喋ったのだ。
「さっきから、ずっと喋ってたぞ」
「そうなの!?」
全然聞こえなかった。
「だいたい、昔からお前は私に対する扱いがぞんざいだった」
恨み言を言われてるようだ。
「こんな姿にしたと思ったら、迎えにも会いにも来ない……」
「え!?」
シムゥンは絶句する。
少なくても、シムゥンの人生で剣に迷惑かけたような覚えはない。
「ジュピターがきみになんかしたの?」
「自分の胸に聞いてみろ」
シムゥンの脳裏にふと映像のようなものが浮かぶ。
*
『あいつのリムシステムが壊れてる。あいつとは対等に戦いたいんだ』
『僕のわがままだけど、受け入れて欲しい』
『必ず迎えに来るから』
そう言ったのはジュピターだ。
そして、置いて行かれたのは……?
*
「リム?」
シムゥンの問いを剣は肯定した。
「待たせ過ぎだ」
「なんで、聖剣なの?」
「ふざけるな。お前が言うな」
シムゥンは聖剣の柄を回す。
筒状の柄の中にチップのような小さな部品がはまっている。
――そうだ。ここに隠したんだ。
確かにジュピターは自身の一部ともいえるリムを外していた。
だが、どうしてジュピターがそんなことをしたのかは思い出せなかった。




