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VSドリーム 1.真理を壊す灰塵剣



「終わらせると言っても、少しは楽しみたいからね。耐えてよ?《星群落とし(スターフォール)》」


 上空?(全部紫で空とは呼べない)から星と思わしき物が大量に落ちてくる。

 劣化版《万刃(バンジン)》ってところか。


「お前、俺のこと舐め過ぎだろ《空間破壊連鎖(エリアチェイン)》」


 {真理を壊す灰塵剣(グラム)}を乱雑に振り上げ空間に罅を入れる。

 罅は剣先を中心に快速で上空へと拡大し、一気に崩壊する。

 そこには星の欠片も残っていない。

 こりゃあ凄い。


「手始めに《飛翔する崩壊(フライト・コラプス)》」


 灰塵剣をドリームに向けて振ると紫色の斬撃が飛ぶ。

 飛撃の強化版か、操作もできるな。

 使い方は理解できるが試しながら攻めて行くか。


「《幻の防壁(ファントム・バリアズ)》……あれ?一回で壊れちゃった。成程、ちょっと厄介かも」


―――ああ、そうだ、ろっ!!」


 ドリームが斬撃を防いでいる間に《次元襲歩(ディメンスクリール)》で背後に回り、灰塵剣で斬り付ける。

 すると、生身の体に当たったとは到底思えない音が立ち、刃を止められ、驚いている隙に蹴りを放たれる。

 蹴りを灰塵剣で素早く防ぎ、距離を取る。

 何だ此奴!?硬すぎだろ、見た目通りの柔らかさにしとけよ。


「焼けちゃえ《地獄の業火(インフェルノ)》,《現象複製(フィノメノンコピー)》」


「ノータイムの転移、からの火魔法か、何か増えてるが壊せば関係ない《極撃・常時発動(シエンプレ)》,《黒纏(こくてん)》」


 次の攻撃を仕掛けようとしたときにはドリームは消えており、遥か上空に移動していた。

 上から大量の火魔法が降ってくる、全て《地獄の業火》だ、威力はユナさんより少し低いくらいだな、けど数が馬鹿多い。

 ⁅極撃⁆を使い『暴食(グラ)』纏い、魔法へと跳んで向かう。

 いつもより飛ぶな、重力が少ないと言えばいいのか、色々と改変されてんなこの空間。


「ほいよっと《魔力破壊(マジック)》……新たに増えてるだと?空間にある魔力自体を破壊した筈なんだが……」


 灰塵剣で空間の魔力ごと破壊したのに新たな魔法が現れ続ける。

 魔力が無ければ魔法は使えない、コレは常識で世界(オリジン)の理なんだけど、まあ此処じゃ変わってても仕方ないか、じゃあ俺も風魔法で着地しよ。


風精と舞う(シルフ・バイレ)、て使えねぇ!?やられたぜ《重力破壊(グラビティ)》ッ!!」


 魔法を使おうとするが発動せず、さっき立っていた高さに着く前に重力を破壊する。

 独特の浮遊感を感じ、ゆっくりと身体を動かして立つ。

 魔力破壊して無いんだし、そりゃあ魔法使えないよな、引っ掛かったわ。


「《天地逆転(ハイ&ロー)》落ちて《不可逆重力(イリバシーグラビティ)》」


 足をつけ立った瞬間、足裏に感じていた地面の感触が消え、身体が引っ張られるように急速で落下し始めた。

 下を確認すると大量の炎球で覆われていた。

 落ちる速度は尋常ではなく、かなりの距離が開いていた筈なのに数秒で肌が焼ける様な熱さを感じる程だ。


「おいぃーー!?やっば《熱力・重力破壊(ヒート&グラビティ)》ッ!!グッ」


 炎球に触れる前に灰塵剣を振ると、熱さは一転して寒さに変わり出来上がっていた氷塊へと激突する。

 危なかったぜ、そのまま入ってたらかなりダメージ受けてただろうな。

 何でもアリ過ぎだろ、対応の切り替えが多くて厄介だ。

 ……やぁ~べぇなぁ、どうやったら止まるんだよ、あの魔法。

 視界に映るのは又も遠くで増え続ける炎球、心なしか先程より落ちてくる速度が速い気がする。


「単純に壊すにしても、又同じことになりそうだしな。取り敢えず、考えてみるか《我は未来を見通すフューチャー・ゲイザー》,《我は天地を見通すユニバーサル・ゲイザー》」


 視界が自身を見下ろすように切り替わり、攻撃の軌道が頭へと流れ込んでくる。

 これ視点を動かしたりって、おおぉ~凄い、マジで三人称視点過ぎる、前回はそこまで試してなかったからな。

 して、それは置いておいて、空気中に存在する魔力を破壊したにも拘らずあの魔法は増え続けている。

 魔力は確かに破壊した、俺が魔法使えなかったしね、てことはアレが似ているだけで魔法じゃないと考えるのが普通だが、アレは確かに魔法だ。

 {先見之明(トゥルース・ゲイザー)}と『記憶庫(メモリーズ)』で調べたから間違いない……まあ、そこまで誤魔化してきていたら終わりだが。

 でも間違いなく魔法だろう、その根拠はアレが新しく出来上がる瞬間にあってだな。

 魔力ごと、恐らく最初に発動した魔法を発動した周囲の状況・現象をそのまま再現・複製しているんだと考えられる。

 つまりは今、どんな状況であっても、魔力が存在しなくても関係なく再現してくるってことだ。

 常人ならこのまま打つ手無くて死ぬね、まあ俺は常人じゃないのでこの状況から抜け出せる訳です。


「先ずは近付くっ……跳べない。あ~何か下に仕込んである、よっわいブラックホールみたいなのが」


 早く下を片付けよう、上もう結構迫って来てるからさ。

 序でにあれ試そう、多分成功するし。


「『死に絶えろ』,《反動破壊(リコイル)》成功っと、弱ブラホも消せたし次は炎球への対処だな」


 超巨大氷塊下の重力球を三人称視点で確認して《(モルス)》で殺し、その反動を灰塵剣で壊す。

 これは灰塵剣の性能を理解してさっき立てた仮説を実践してみた感じだ。

 いやぁ~スキルと武器のシナジーが凄い、便利すぎ、これからは実質無制限で《死》が使えますねぇ。

 てことで無茶な運用をしていきますか。


「さあて、火遊びはお終いだぜ、ドリーム。《死・武装集束(コンバージョン)》,《暴食浸透(ペネトレーション)》,《極撃・限壊充填(ディスチャージ)》―――《歴然たる終幕ワンサイド・フィーニス》ッ!!!」


 灰塵剣から放たれる極大の黒き斬撃、それは大量にあった炎球全てを斬り伏せる。

 そしてその炎球は、またゼロから増え……始めない。

 全く、もっと俺は技巧的に解決できないもんかね。

 やったことは至極単純、《歴然たる終幕》で一度炎球が全て無くなった瞬間からあの空間の周囲にある全てを《死》で殺し尽くしただけだ。

 つまるところゴリ押しだ。


「おにーさん、ホント無茶苦茶するなぁ」


―――どーも、ありがとさんっ!!!」


「うぐあっ、だから転移は困るっ」


「自分も使うくせに何を言ってやがる」


 再度転移でドリームの背後に回り、灰塵剣を振るう。

 右の肩関節から腕の切断を試みるが、灰塵剣の刃は一ミリさえも沈み込まない。

 いやだから硬すぎる、灰塵剣の破壊の力を今使えるほぼ限界まで行使して傷一つ付かないってチートだろ。

 あとここ足場あるな。


「串刺しになっちゃえ!」


「何処から取り出してんだよ!?然も多いしっ」


 ドリームがスカートの中から取り出した、見たことある水色の時計の針のようなナイフを投げてくる。

 投げたそばから取り出し、又投げる、それを繰り返してくる。

 ナイフの一つ一つが人体の急所、眼球・関節などを精確に狙ってきている。

 これ多分自動追尾ついてるし、無尽蔵にあるっぽいな。

 そんな飛来するナイフを《我は未来を見通す》の未来予測で回避し、灰塵剣で破壊し次の一手を考える。


「はい、ここ」


「うっ、こんな単純なのじゃだめか」


「傷は付いて無いのに、痛がるのね。成程……」


 ナイフを投げるちょっとの隙を縫って、がら空きの腹に突きを放つ。

 案の定、服を貫くことはなく、その体にも傷は付かなかったが、ドリームは痛がる素振りをする。

 始めはブラフかと思ったが、何かマジっぽいし、表面に出てないだけでダメージは通ってるっぽい。

 

「ふっ!」


「チッ、予兆も見えなければ、未来を見てからが早過ぎて対策する前に攻撃が来る。ウザったらしいね」


「今、肺貫いた筈なんだけど?おにーさんホントに人間?」


 ドリームが背後に回る未来を見た瞬間には、既に背後を取られナイフで右の肺を貫かれる。

 即座にドリームを蹴り飛ばして距離を取りながら《死》で傷を治す。

 死亡判定じゃないから一々治さなきゃいけない、しっかり殺せ、全く。


「さあ?どうだろうなぁ!!」


「重いっ!?」


「此奴はナイフ一本で防げるほど甘くねぇぞ。《空間破壊(エリア)》ッ!!」


 反撃とばかりに灰塵剣を振り下ろし、それがナイフで止められた瞬間を見計らって空間を破壊する。

 爆風と共にドリームが吹き飛んで行くのが見えた。



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