安心する匂い………ちょっと待て
ナユタ・スノーホワイト View
「ん~そろそろ、神盟友好都市に向ってもいいんじゃないかなー」
「確かにそうかもなのです、ナイアラの周辺も探索して切れたと思うのです!」
「別に全然探索し切る必要無かったんだけどねー」
私達は今、空雷国の王都ナイアラに居るのです。
この前、七色の誇りの皆さんとの修行と行動を終えて、レイを探す旅に出たのですが、異世界だけに知らないものや気になるものが多くてついつい詳しく調べちゃって、かなりの時間ナイアラで消費したのです。
まあ、次に向かう神盟友好都市は私達のスキルと魔法を使ってもそこそこ時間が掛かるので、食料とか消耗品を購入する資金が手に入れられたので丁度良かったのですけど。
お金は幾らあっても良いのです!
「そういえば『神語術式』の術式解析進んだー?」
「そうなのです!!この間やっと一つ解析出来たのです!でも心配でまだ使えて無いのです。ギルドの訓練場でも余裕で壊してしまいそうなので、何処か場所を考えなければいけないのです」
「良かったねー何属性だったのー?場所に関しては追々だねー」
「土属性が主で死属性と破壊属性の混ざった広域殲滅の術式だったのです、強化系や回復系なら試せたのですけど流石に威力が怖くて試せないのです」
私のUS『神語術式』は単体では使い物にはならないスキルなのです。
使うには神語術式の文書を解析して理解しなければ、術式の発動すらできないのです。
時限倉庫の中にマジハ様が文書を入れてくれて無きゃ、今も死にスキルだったのです。
マジ感謝の気持ちでいっぱいなのです。
けど、ちょっと使い処が困る奴で残念だったのです、もう少し使い勝手が良いのが欲しかった。
「想像以上に凶悪だねーま、もしもの時用と考えたらいいんじゃないー?」
「そういうことにするのです………よし。準備終わったのです」
「じゃ、行こっか。神盟友好都市にー!」
「行くのです!」
私の勘がレイは神盟友好都市に居ると言っているのですが、まあそんなこといいのです。
レイは基本一人で何でも出来るので心配いらない、急いては事を仕損じる、楽しみながら焦らず探すのが一番なのです。
再開した時は必ず驚かせてやるのです!!首を洗ってろなのです!
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レイナイト・タナトス・カラーレス View
「………………」
寝起きだからか頭が働かない、それにとても暖かくて柔らかくてこの包まれているような感じ……ずっとこのままでいたい。
後、何だか安心する匂いがする。
あまりの心地よさに、どうせ布団だろと思いこの目の前にあるものに顔を埋める。
「んっ………積極的だね」
頭の中がとろけるくらいの優しく甘い匂い、そして体全体で感じる柔らかさを更に強く感じる為に目の前にあるものを抱きしめる。
何か聞こえた気がするが、そんなことは気にならない程、俺は今このなにかに夢中だった。
「んあっ……そんな強く……もっとして良いよ」
謎の許可を頂いたので更に強く抱きしめ、全身でなにかを感じる。
さいこぉ~………………ちょっと待て。
深く沈み真面に働いていなかった思考が急速で浮上する。
目を開ける、何も見えない。
取り敢えず離れ、あれ?身体がガチガチで動かないのだが?………やっぱり。
「んん!んんっんん!(ユナさん!離れてください!)」
「ん?もっとして欲しいの?分かった」
「んんっん!!(違います!!)」
「ほらほら~もっと甘えていいんだよ~」
やはり俺が抱きしめていたのはユナさんだった。
何で俺のベットに入って来ているのか意味不明、嫌ではない寧ろご褒美だけどな。
俺の言葉を勝手に解釈したユナさんが、俺に抱き着いてくる。
因みに身体が超強力な磁石みたいな感じになってユナさんとくっついており、自力では全く離れられない。
毎度手の込んだことしないでくれ。
「んんっ(電撃流)」
「んひゃ」
「ふぅ~全く何やってんですか……昼過ぎか」
初級威力の雷魔法で、ユナさんを痺れさせて抜け出す。
余談だが雷属性というものは存在しておらず、風属性の一部であり風属性の魔力で雷魔法は使用可能である為、今の俺なら黒白の杖無しで発動できる。
身体も頭もスッキリした、腹ごしらえをしたら訓練場で風魔法の検証兼練習をしようか。
「ユナさん昼食べました?」
「んん、食べて無いよ、昼前にレイのベットに潜り込んで一緒に寝てたからね」
「そっすか、ご飯作るんで着替えてから来てください」
「分かった~」
クソ~眠くてユナさん対策し忘れてたわ。
まあ対策しても余裕で入ってくるのだが。
昼食は寝起きだし軽めにしよっと。
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「先ずは風の属性適性が俺に増えた原因を再確認してから魔法に行こう」
ユナさんと昼食を食べて、訓練場へと来た。
先ず情報の整理。
ティアから聞いた話だと、原因は俺がティアの腕を食べたことだ。
全く記憶は無いが、あの凶器みたいな腕をガツガツ食ってたらしく、明らかに異常であったと聞いた。
その行動についてはリュミス様に確認したところ『暴食』の代償らしい。
食欲の増加が『暴食』の代償なのだが、それは日常や生活中で食欲が増えるわけではなく、自身が心から死を感じる瞬間に使用回数に応じて食欲が増加するようだ。
暴走を操ることも出来るらしいが、今の俺だと到底無理だとさ。
で、属性適性が増えるには条件があるらしく(世界では基本知られていない)、一つ目が経口摂取、必ず口で喰うこと、二つ目が大量にその属性の魔力を含んだ物を喰らうことらしい。
一つ目はそこまで難しくないが、二つ目がマジで鬼畜、普通なら一生かけても無理な量の魔力を喰らわなきゃ駄目らしい。
なら何故俺は条件を満たしたかというとティアのあの爪や翼の刃とか鎧って魔力で作っているらしく普段はあんなトゲトゲしてないらしい、じゃなくて魔力の物質化はかなり高度な技術と頭の可笑しい量の魔力が無きゃ出来ない。
つまりはティアの風属性の魔力がたっぷりの刃と鎧を喰ったお陰で余裕で二つ目の条件をクリアし俺に風の属性適性が増えたようだ。
原因の確認完了、風魔法の練習行こうか。
「先ずは的を準備してっと、風球、まあ初級ならこのくらいか」
訓練場の入り口に設置されているタッチパネルを使い、的を準備するよくある白い円と赤い円が交互になってるやつ。
しかし強度は《歴然たる終幕》で傷一つ付かないくらいである、硬すぎるとかいう次元じゃない、余裕でEXS防ぎやがる。
けど当たった時の威力を数値化して、訓練場の左右に設置されているディスプレイに表示するので分かりやすい。
説明もそこそこにして本格的にいきますか。
「次中級、嵐弾、風刃、風槍」
ん~常人相手だったらこれくらいで良いか、更に魔力を籠めれば超越者相手でも邪魔くらいにはなるか。
超越者とは超越個体を基準として、それ以上の強さの者の総称である、俺も含まれてるよ!
「次上級、風流防波、天風嵐」
辺り一帯に竜巻が出現し、その全てが的を中心に発動した魔法に収束し、威力が跳ね上がる。
ふむふむこういう使い方もあるのか、相性の確認も必要そうだ。
「最後超級《天籟の嵐渦》ん~若干威力低いな、まあそれはこれからの課題か」
昨日?今日見たばかりのドデカい嵐が俺の前で吹き荒れる。
この先の天級、神級威力の魔法はまだ俺には使えない、イメージが足りないし魔力量も天級の下の方でギリそれ以上は普通に足りない。
まだまだ魔法の道は長そうだ。
「こっからは検証に検証を重ねて行くとしますか!」
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