表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/138

ヤバい人達の仲間入りかぁ…

現実(リアル)が忙しく、投稿が遅れました。

申し訳ございません。

これからも頑張って行くのでよろしくお願いします。

それでは第2章 銀麗な日常、開始。



「ヒューーー!!!っとそろそろか」


 黒白(ノワール・ブラン)の大剣形態でロードライトへと移動してた。

 いや~マジ速いな、極撃で走って王創国(ウィリムライド)に行ったときは一日かかったのにこれだと二時間でもう着くんだよ。

 午前中に着いて且つ、昼まで全然時間が余る。

 早い分には問題無いし、いいね。


「降りて黒白を指輪にっと、じゃ行こう」


 大剣から降りてそのまま門へと向かう、手続きは出来てるからすぐ入れる筈。

 今日そんな並んでる人居ないな。


「ん~とこれだ、はい」


「…………はい確認が取れました、どうぞロードライトへ」


「ありがとうございます」


 カルーさんから貰った何か特別そうな許可証を出すとすんなり通してもらえた。

 これはこれで便利だが並んでいる人に若干申し訳ないな、けど気にしないことにしよう。

 これから先何度ことだからな。


「この通りを直進だったよな」


 門を潜り抜け目的の場所、今の俺の帰るべき場所へと足を進める。

 すると直ぐに求める建物は見えてきた。


「やっぱ、合ってないよなぁ」


 目の前にあるのは、森の奥に在って魔女とか悪魔が住んでそうな見た目のドデカい屋敷だ。

 この屋敷は極昌の冒険者達(クォーツァイズ)専用のものらしい。

 名前は災厄の箱(パンドラ)、完全にヤバい奴が居そうな場所の名前である。

 ある意味ヤバい人達が住んでいるのであながち間違いでもない。


「やっと帰ってきた~!」


 鎧が置かれている門を潜り玄関まで移動しドアノブに手を掛け、開ける。


「皆さんただいま~!!レイ、戻ってきましたよ~!!」


シーン……


 エントランスホールには人の気配が皆無だった。


「あれ?全然人居ないのだが?何時もなら誰か来て声返してくれるのに」


 ん~何処に集まって作業でもしているのだろうか?

 取り敢えず探すか、広間行ってみよう。

 向かって左側にある休憩室兼会議室兼食堂兼広間への扉に行き、開ける。

 そこには。


「何してんすか?皆さん」


 部屋の端で「反省中」と書かれた板を首から下げて正座をしている、ユナさんとローズさん。

 意味不明な程粉々になっている机と椅子らしきものを直す、カルーさんとシュティレさん。

 何かの破片を拾い集めている、紺色の道着を着た狼の獣人?

 怒った風にしてソファーでご飯を食べる、ネフィラさんと黄緑色の髪の青年。

 

「え、返してくれない感じですか?」


 声をかけたのに誰も返してくれないのだが?

 それより正直俺はあの恐らく狼の獣人の方がめっちゃ気になる、今まで見てきた獣人の方は人間に動物の要素が追加された感じだった、猫耳とか兎耳とかね。

 けどあの人若干顔が人っぽくなっただけで全体的に見たら確実に狼って言うレベルでマジ狼なんだよ。

 あのフサッフサの尻尾をぎゅっとしたいが我慢しよう。


「んっ!んんっ!!ぷはっ、お帰りレイッ!!」


「ちょっ!?突撃してこなっ、ゴハッ!?」


「何勝手に動いてるっすかユナ!うちまだ許してないっすよ!」


「そんなことよりレイの方が重要じゃわ」


「ローズ君もかい、全く」


「ん~!んっんん~!?(先に俺のこと助けません!?)」


「はぁ~一週間ぶりのレイだぁ~」


 さっきまで微動だにしていなかったユナさんがいきなり動き、俺に飛び掛かってきた。

 床に押さえつけられ、上手く声を発することが出来ない。

 ユナさん相変わらず見た目ではあり得ない程の力なんだよな、全然抜け出せん。

 ……このままじゃ埒が明かん、抜けるか。


「んんっんん(《次元襲歩(ディメンスクリール)》)っふぅ~危なかった」


「あうっ、痛い」


「あ、すみませんユナさん、ちょっと顔打っちゃいましたか?」


「いや、だいじょぶ」


「で、何があったんですか?」


 急に移動したことで床にぶつかったユナさんに謝罪をして、再度部屋の皆さんに問う。


「それは僕の方から話そう、その前に自己紹介からだね、ハクソンも来てくれ」


「ああ、分かった」


「改めて僕はダグラス……ここで活動している者の一人で剣技職(ソードマン)さ、よろしくね」


「某はハクソン、某もここで活動している格闘職(グラップラー)だ、これからよろしく頼む」


「はい、よろしくお願いします!」


 絶対極昌の冒険者達のことどう誤魔化すか考えたなダグラスさん。


「まあ簡単に言うと食事中にローズがユナのことを煽って、この広間でそこそこの戦いが起きたって感じかな」


「途中から二人方も本気で攻撃し始めて、被害を机と椅子と食器に抑えるのに苦労したぞ」


「何となく何があったか把握出来ました」


 さっきの反省中の札はそういうことだったのか。

 何のことでローズさんはユナさんの煽ったんだろ?単純な興味が出てしまう。

 本気で戦うって相当だよな。


「じゃあユナさんは何で怒ったんですか?」


「にゅ!?いや、あの、だってぇ~」


「だって?」


「うっ、ローズが、レイの手料理を食べたってぇ~」


「……まさか、それが原因なんですか?」


「そうじゃの、ユナが想像以上に怒るから楽しくなってしもうてな」


「うぅ~レイ~」


 すっごい泣きそうな顔でユナさんが抱き着いてくる。

 俺の料理が原因ですか、言えば普通に作るのにし帰って来てから言えばいいのになぁ。

 まあ、大体全容は掴めたわ。


「ユナさん、後で作ってあげますから落ち着いてください」


「ホントォ~?」


「本当本当、なので俺から離れましょうか、色々と話すことありますし」


「そうっすよユナ、うちらも話すことあるっす、ほら丁度椅子と机もシュティとカルっちが直し終わったみたいっすし」


「え?早くありません?俺が見た時まだ粉々な気がしたんですけど」


「カルーは回復特化だからねぇ、一瞬だよ」


「修復だけなら簡単ですよ」


 あの粉々の状態から元に戻すのってもうそれ修復じゃなくて復元とか再構成だよね、全然レベル変わると思うんだけど。

 気にしても仕方ないな、うん。


「それじゃ、座ってオセロしながら試験の話をしましょうか」


「ん?試験て何だい?」


「ああ、ダグラスさん居なかったですね。ではそこから、大体俺の話は聞いていると思いますが二週間ほど前にユナさんに連れてこられてここで色々としていたのですがユナさんが一人での冒険者活動をいつまでも許してくれないので、ローズさんが「奈落(タルタロス)で黒竜を狩ってきたら許可を出すのじゃ」とユナさんに約束を取り付けてくれて、俺は奈落に行って黒竜を狩ってくることにしました」


「それを妾が適当に黒竜試験と名付けたのじゃ」


「なるほど、だからレイは此処に居なかったのだな」


「そういうことみたいだねハクソン、ユナが話すから僕楽しみにしてたのに帰ったら居なくてそこそこがっかりしたんだよ」


「ごめん、忘れてた」


 恐らく、お二人は俺が出発して直ぐくらいに帰って来たんだろうな。

 極昌の冒険者達はジョブごとに一人だから武器職(ウェポナー)を抜いても人足らないなと思っていたけど、これで全員か。

 濃いメンバーだなぁ~。


「で、黒竜は上手く狩れたっすか、レイ」


「ええ、ばっちりです、此処で出してもいいですか?」


「ん~いいですかね?」


「あたしは別に良いと思うけどぉ」


「ん、いい」


「いいと思うのじゃ」


 そう言いながら皆さん物を仕舞って場所を作ってくれる、思うのだが物を仕舞ったからって竜が一匹入る部屋って広すぎないか?……いいか。


「では、これです!」


「…なるほどこれは…」


「凄いのぉ、やっぱり不思議じゃわ」


「ほぼ傷が無い、確かに凄いな」


「ホント、どうやってるんすかね、コレ負けるっすね…」


 俺はストレージから黒竜を出し、尻尾とかが皆さんとか壁に当たらないようにした。

 ん~!我ながらかなり綺麗じゃない?これを捌かなければいけないのか、ちょっと残念だな。

 俺がつけた傷は何とゼロである,《死を告げる黒弾(クーゲル・トート)》で殺したからな。

 …本当はゼロではない、爪とか両断してたしね、けど《死壊する過去(ディストル・プローシ)》で治しておいたのだ、結果的にゼロだしオッケーっしょ。

 あと今回は売るのではなく、素材は俺達で分けて肉とかは食べることにした、だって金は白竜でかなり稼げたしこれくらいならまた狩れるしね。

 鱗、眼球や内臓は武具から薬まで幅広く使えるみたいで、今回の試験成功の証にちょっと作ってもらえるらしい、肉はとても美味しいらしいから楽しみである。

 白竜は食べれなかったからね。


「試験の結果はどうじゃ?ユナ」


「悔しいけど、完璧と言う他ない、多分私達でも難しいよ?」


「これほどの綺麗さは確かに難しいと思います」


「それに最難関迷宮の竜種だしねぇ」


「某も同意する」


 うん、無事合格みたいだ、よかったぜ。

 別にユナさんと活動するのは嫌いじゃないしむしろめっちゃ好きだが、俺という存在がユナさんの枷になる可能性もあるので一人で活動したかったのだ。

 まあ、誘われたらここの皆さんとも一緒に活動するけどな。


「よし、これでレイのソロ活も可能になったの、済まんがレイ流石にこの黒竜は今日中に解体は出来ないのじゃ、だから一旦仕舞てくれ」


「あ、分かりました」


 流石に今日中は無理だったか。

 あ、よし勝ちっと。


「俺の勝ちっすね、またの挑戦をお待ちしてるっす」


「ぬ~!!そういうとこ可愛げ無いっす!負けたっす~!」


「何気にネフィラは負けず嫌いですからね、また挑みますよ」


 黒竜の話をしながら水面下で行われた、俺とネフィラさんのオセロ対決は俺の勝ちに終わった。

 次ダグラスさんとしよ~っと。


「で、話は変わるけどレイ」


「何ですか?」


「奈落で大氾濫(スタンピード)があったってニュースで見た、大丈夫だった?」


「ん?ニュースあるんですか、でも特に何も無かったですよ?すぐ終わったみたいですし」


「まあ、レイが戦ったんだからそうだろうのぉ」


「ッ!?何故そのことを!?」


「いやニュースになっておったからのぉ、普通にある程度情報は伝わっているわ」


「なん、だと」


 マジかよ、めっちゃ隠そうとしちゃったじゃん。


黒の断頭台(セイブル・ギロチン)……まあ悪くは無いのである」


「そんなことより、頑張ったね、レイ」ナデナデ


「うにゅ~ありがとうございます///」


「やっぱり、ユナには弱いわねぇ」


 ん~恥ずかしい、けどこの魔性の手の気持ち良さからは逃げられないんだよ。


「で、レイ、私達レイに隠していることがある」


「…そうですか」


 隠していることって何だ?ん~特に思いつかないな、いや思いつかない程綺麗に隠してるとも考えられるな。


「それは、私達が極昌の冒険者達だってこと」


「………………」


 それですか、それってさ。


「隠せてると思ってたんですか?本当に?あれで?」


「え?どういうこと?レイ」


「いや、判断試験から色々と可笑しかったですしギルドカードだって普通Sに出来るわけないですし、極めつけはこの屋敷ですよ。六国から人が来るこの場所でこんなデカい屋敷一般人が手に入れれる訳ないじゃないですか。そしてこの屋敷の入り口の門に何て書いてあるか知ってますか?」


「ん?分からない」


「あ~なるほどのぉ、それはバレてて当然なのじゃ」


「それ確かに隠す気ないね」


「ん?ん?」


 一番言いたいのはこれだ、マジで見た瞬間叫びたくなったわ。


「ここの門にはですねぇ『極昌の冒険者達(クォーツァイズ)専用拠点 災厄の箱(パンドラ)』って書いてるんですよ!!!」


「………な、るほど」


「これで俺が前から知っていた理由は理解できましたか?」


「バレてしまっていたなら仕方ない、前振りは無くして直で行くことにする」


 そういえば何で急にそのことバラしたんだろう?いや隠せていなかったがな。

 別にまだ隠してても問題は無いと思ったんだけどな?

 俺には理由が想像できないな。


「レイには『極昌の武器職(クォーツウェポナー)』になってもらう」


「………え?」


「今回の件で実力が問題無いと判断した、それに武器職は元々他に居ないからレイが武器職になった瞬間からこうなることは決まっていた」


「そうですか、まあ別に特に問題は無いですが」


「即答できるのか、ちょっとくらいは迷うと思っていたのだが…」


「決まっているなら断る意味ないですし、俺に悪影響があるわけでもないですからね」


 極昌の冒険者達になることは調べた限り損は無い、寧ろ得の方がある筈だ。

 なることでの一番の得は極昌具(クォーツィム)だ、全ての機能は記されていなかったがこの屋敷の本に情報があった。

 世界間での念話や容量が無制限の収納だったり、めっちゃ便利らしい。

 まあ、他にも権利とか権力とかも極昌の冒険者達にはあるからなって損は無い。


「まあ、レイならそう言うと思ったっす」


「大体予想出来てたわねぇ」


「一週間程しか一緒では無かったですが人柄は簡単に掴めましたからね」


「某も会ったばかりだが予想は出来たぞ」


「そんな分かり易いんですかね、俺」


「いや、そういう訳では無いのじゃ、この問いには承諾するだろうと皆思っただけじゃの」


「ふ~ん」


 本当かな?何か癖とかで何か出てたりしないか?凄いそういうとこは気にしてしまうんだよな。

 ん?ユナさんが何か持ってる、あの独特の輝きはもしかして…


「レイ、はいこれが極昌具、イメージしたらどんな形にもなるから傍見えるとこに着けてね」


「なるほどこれがですかぁ、このままで綺麗ですね」


 俺の手の上には白金色の水晶のような球形物体がある。

 持った感じ重くなく、そしてあり得ない程硬くて当然のように分析(アナライズ)で情報の閲覧が出来ない。

 調べるのは後にして、どんな形にして何処に着けようか?俺の右手の人差し指と中指には黒白がはまっているため右手には着けるのは止めるか。

 左手首には解析計トゥルース・オブザーバーがあるから腕輪系は止めよう。

 …参考までに皆さんの見てみるか。

 ユナさんは右耳のイヤリング、シュティレさんは左手のブレスレット、ネフィラさんはペンダント、カルーさんは右目の片眼鏡、ローズさんは右足のアンクレット、ダグラスさんは左手のバングル、ハクソンさんはバックル、ん~どうしようか。

 邪魔にならなくて見える場所、右手に着けず腕輪ではない、後個人的に首に着けるのは嫌……もう面倒だしこうしよっと。

 イメージした瞬間手の上の極昌具が輝き、光が収まると俺の想像通りの形状で想像通りの場所にあった。

 うん、結局これが良いね。


「レイ、()()にしたの?」


「まあ、考えるの面倒ですしこれが一番かと」


「両手合わせて指輪が三つっすね、そういう輩をレイは目指してるっすか?」


「全くそんな気はありませんよ」


「ま、似合っておるし、良いじゃろう」


 俺の左手の人差し指に指輪となった極昌具がはまっており、指輪の上部には武器職のマークが彫られていた。

 ま、これが一番見えやすくて邪魔じゃないだろ。


「うん、これで正式にレイは極昌の武器職になった、この屋敷を使うことも問題なくなったしこれからは一緒だよ?」


「………はい」


 その言葉に、そこはかとなく不安を覚えてしまうのは俺だけだろうか。

 これで俺もこのメンバーの仲間入り、なのか…

 うん、大丈夫大丈夫不安ではあるが危険はない、うんそうだ。


「はい、俺の勝ち、またの対戦をお待ちしております」


「話しながらでも負けるのか、なるほどね」


「次ローズさんしましょ~」


「いいのじゃ!」


「レイ君の任命パーティーは時間的に明日やるとして、大氾濫で呪屍王(カースデット・キング)をから何か手に入れませんでしたか?」


「ああ、回収しましたよ、カルーさん」


「ちょっと出してくれませんか?」


「いいですよ~はいっと」


 デカい机?テーブル?に呪屍王を倒したときに回収したグラム、白い鎧と二つに分かれた魔石を出した。

 何するんだろう?


「…やはりこの鎧、情報隠蔽が掛けられているだけで再生能力のある唯の高性能な鎧ですね」


「あ、何か特異な力とかついてる訳じゃ無いんですか」


「はい、なのでコレ貰っても良いですか?素材にミスリルとオリハルコンが使われているので錬金とかに使用したいんですけど、勿論代金も払います」


「別にそのままあげますよ、お金困ってませんし」


「ありがとうございます」


 聞く限り確実に白星の方が高性能だし使いどころ無いからな、シンラと再会したら渡そうかな?とちょっと思ってたくらいだったからいいや。


「レイ、この魔石貰っていい?」


「いいですよ、元々その気でしたし」


「ありがと、超越個体の魔石の数減ってきてたから丁度良かった、元々個体数少ないから手に入れるのも一苦労だったからね」


「そういえば、これもユナさんに渡す奴ですね」


 そう言いながら俺は初めての宝箱から出た魔石をストレージから取り出す。


「ん?これは……うん全部A以上だね、何処でこれを?」


「奈落の宝箱から出ました、結構全体的に良さそうだったのでユナさんにあげようかなと、俺は使い方分かりませんしね」


「そうなんだ、ありがと、レイ」


「いえいえ」


 偶々手に入れただけだったけど喜んでもらえて良かった。

 で、こいつはどうすればいいのか、扱える気がしねぇんだよな。


「このグラム、どうすればいいんですか?」


「それはリュミス様がレイ殿に下賜された物だ、レイ殿以外に扱うことは出来ぬ。と言っても今は本来の力を失っているがな」


「そういう扱いになってるんですか…所で話し方的に皆さんは俺の戦いをしっかり見てたっぽいですけどそこんところどうなんです?」


「見てたのじゃ、しっかりとリアルタイムでの」


 やっぱそうなんですか、でもどうやって?来てたってことは無い、気配無かったし。

 俺の索敵能力を上回ってバレないようにした線もあるが、多分違うと思うんだよな。


「どうやってですか?」


「あぁ~その話は明日するのじゃ、今はちと面倒なことになる気がしての」


「?まぁ分かりました」


 ……待てよ?さっきハクソンさんは"リュミス様"って言った、何で俺とリュミス様の間に関係があることを知っている?可笑しいよな、俺はまだ誰にもそのことを伝えていないしステータスを見られないように対策もしている………もしかしてそういうことなのか?

 う~んまあ、明日話してくれるし、いいか。

 

「じゃ、グラムが本来の力を失っているってどういうことですか?」


「グラムは真器(しんき)と言われる特殊な武器なんだけど、何かが欠けていたり武器に認められていなかったりすると力を引き出せないんだわぁ、力を失っていてもかなり強いけどねぇ」


「力の引き出し方って分かりますか?」


「真器によってそれはバラバラ、自分で調べないとダメねぇ」


「わかりましたぁ」


 詳しいことは後でリュミス様に訊こっと。

 取り敢えず、もう一回持ってみるか。


「うっ、重っ!」


「落として床傷つけないようにするっすよ」


「わっかりました,《武器主(ウェポンマスター)()操作支配(コントロール)》ってはぁ!?」


 危っな!落とすとこだったぜ、けど武器主が弾かれたんだが?操作が全く出来なかった。

 てことは自力で扱えるようになれってか?ぬあ~面倒~でもやるっきゃないか、力を取り戻したら出来るようになるかもしれないし時間かけてやっていくか。

 今はストレージに仕舞おう。


「レイ、対戦中に立ち上がるでない、危ないじゃろ」


「あ、すいません、けど俺の勝ちですよ」


「…何かぬるっと負けたのじゃ~ま、これもこれじゃ、区切りも良いしレイ、ユナに部屋に案内してもらって休むといいのじゃ、疲れは自分では分からぬ処に溜まるものじゃからな」


「はい」


「じゃ、レイ行こ」


「では、皆さんまた~」


 ローズさんの言う通りにしといた方がいいだろうな。

 そして確か一部屋貰えるらしいしこれからはそこで生活するとしよう、何が備え付けか確認して足りない物は買ってこないとな。

 ん~俺の部屋は何処かな~。


「ん、ここがレイの部屋、扉に武器職のマークがあるからしっかり確認してね、別に間違っても皆怒らないと思うけどね、広さは1LDKだよ」サッ ガチャ


「今何したんですか?」


「極昌具をマークに翳すと鍵が開くよ、閉めると勝手に鍵かかるからそこは気にしなくていいよ」


「先に言ってください、そして広ぉ~然も綺麗だし物めっちゃある~」


「必要最低限の物はあるから足らなかったら一緒に買いに行こ?」


「はいっ!」


 必要な物はあるが俺の趣味の物とか置きたいし、楽しみだ。

 お、アレがベットか……一人部屋の筈なのにダブルベットなんだが?


「じゃあ休みますか、コートとか脱ごっと」


「うんそうだね」バサッ


「はい…ん?ここ俺の部屋ですけど?」


「そうだね、寝よっか」


 そう言って俺のベットに座るユナさん。

 いやだから、何故?


「何故ユナさんは俺のベットに?」


「ん?一緒に寝るからだよ?早く~」


「あ、はい、そういうことですか…分かりましたよ」


 コートを脱いでベットに寝転がる。

 寝よう、朝早くから移動したしきっと疲れてるからな。

 ご飯まで休もうっと。



『ブックマーク』,『感想』に『いいね』等々して頂けると、大変励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ