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【未完作】盤上遊戯愛好家の異世界言行録  作者: 白亜黒糖
第4章 首狩りと表裏の神
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Sideレイ VS表裏堕神 5.神を喰らう



「ふぅ……さあ行こうか!」


<お、お兄さん、な、何か凄いことになってますよ!>


[き……君、その姿は、何をした!気配が人間じゃない!君は一体何者なんだ!]


 そんなに変わってんの?

 気になるな。


「《我は天地を見通すユニバーサル・ゲイザー》……おお、オレンジ色になっとるし、何か勝手に{白星(しらぼし)}変形してるな」


 俯瞰して自分を見る。

 真っ白だった俺の髪は、サクラ様と恐らく全く同じのオレンジ色に変わり、フード付きのコートだった{白星(しらぼし)}は、後ろにサクラ様の専用魔法陣が色ごと同じに描かれたマントへと変わっている。

 黒白(右腕)も変化していて、オレンジのラインが入って悪喰剣(グロトネリア)と似たようなデザインになっている。

 よく見れば、右の瞳だけ色変わってるな、本来の俺の瞳は割と白めなのだが、これまたオレンジ色になっている。

 観察はここまでにするか。


「何者だって言われても、答えるわけないよな?《采喰不定(ミキシグライト)》ッ!!」


 驚く表裏堕神を無視して、引き金(トリガー)を引きながら悪喰剣を振り上げる。

 刹那、地が膨れ、其処から黒い口のようなナニカが複数現れてボーンズドラゴンたちを喰らい回る。

 絵面が凄いキモい、あの口はもう少しデザインの改良をした方が良い。


「そしてこの感覚、慣れないな。だが、悪くはない」


 黒い口がボーンズドラゴンたちを喰らうと、俺の内に力が流れてくる。

 それは正に"食事"のようで、俺の食欲を満たす、食べて無いのに食べている、不思議な気分だ。


<おりゃー!《大地の怒り(アース・クエイク)》ッ!!>

 

「アリスやってんなぁ……レン、俺が門を壊した瞬間に、《無秩序の処刑場エクセキュート・アナーキー》の機能を発動させろ」


 暴れるアリスを脇目にレンに指示を出す。


<了解、マイマスター>

 

 門を見据え、引き金(トリガー)を引きながら悪喰剣を構える。


 この悪喰剣の引き金(トリガー)だが、これを引いている間だけストックから力を引き出せる。

 ストックってのは俺の内にある、悪喰剣で喰らうと流れてくる力の貯蔵庫のようなもの。

 なんだが、ストックは俺の食欲と直結している、というか多分ストックは俺の食欲だ。

 ストックから力を出すと食欲が減り(餓え)、悪喰剣で殺すと食欲が満たされる(飽きる)

 悪喰剣を使用は正真正銘に"食事"なんだ。

 先ず喰らい、満たされた食欲を代価に力を得て、それを使って喰らい、また渇いた食欲を潤す。

 その繰り返し、恐らく喰らわずに力を引き出し続けると、俺は『死ぬ』だろう、直感的に理解できる。

 死ぬのは別にいいのだが、力を引き出す過程の飢えが半端ではない、絶対に引き出し続けることは自分の意思では多分出来ないだろう。

 度し難いもんだぜ。


 思考の最中、耐えれる飢えの限界まで引き金(トリガー)を引いていた。

 自身の飢えに身を任せ、悪喰剣を振り下ろす。


「貪り喰らえ《蚕喰鯨呑(ネセトグラトニー)》ッ!!」


 眼前の空間が捻じ曲がりながら黒く染まり、それが門まで一直線に広がって破裂する。

 破裂した空間から黒い液体のようなモノが溢れ、触れた物全てを地に穴など開いていない筈なのに沈み込ませるように引っ張り、喰らう。

 赤色の門も同様に黒く染まり、ドロドロと溶ける様に喰らわれて行く。


 良いな、満たされるこの感覚、癖になりそうだぜ。

 

<堕神以外を対象に設定《死刑執行(エクセキュート)》,堕神を対象に設定《罪人拘束(リストリクション)》>


[なっ!?――この鎖はっ!?!?]


 レンが《無秩序の処刑場》の機能を使った。

 《死刑執行》により、表裏堕神以外の敵性生物が空から降って来たギロチンのようなものによって終了される。

 そして《罪人拘束》により、地面から出現した無数の白い鎖が表裏堕神を拘束する。

 機能に使用している物は、夢幻時空で作った能力テンコ盛り奴だ、然も素材はリュミス様の髪の毛。

 ガチ対策である。

 《死刑執行》は残弾が少ない為、先にある程度数を減らしておく必要があったって訳よ。


「よいしょっと、年貢の納め時だぜ、クソ神」


[何なんだこの鎖!力が抜けて行く……]


「効果もしっかり発揮してると、感想有難う」


 効果が上手く発揮するか心配だったんだが、問題無い様だ。

 もう、準備は整った、終わりにしよう。


「ほわ~!――っと、戻りましたお兄さん」


 空から降って来たアリスが何でもないかのように、そう告げてくる。

 精神状態凄ぉ……。


「これで、終わりですか?」


「まあ、そうだがそうじゃない」


「ん?どういう?ああ、外の話ですか」


「しょゆこと、コイツを殺しても血霊は消えないしな」


「……そうですね」


 噛んでませんよ?


 俺は何故か熱い顔をアリスに見せないように、表裏堕神へと向き直る。

 白い鎖に雁字搦めにされている表裏堕神に悪喰剣を向ける。


「……特に言うことも無いな」


[格好の良い決め台詞とか、無いのかい?それだとこっちもやられ易いんだけど]


「心にも無いこと言ってんじゃねぇ、今も何かを狙ってんのはバレバレなんだよ」


[本当に君のことは好きになれそうにないよ]


「ああ、俺もだよ。お前と同じなのは癪だがな」


 同族嫌悪、というやつだろうか。

 話し、戦う中で、見た目も性格も違うが、表裏堕神という存在の根本が俺と似ている感じた。

 だからか、会ったばかりのコイツが妙に気に食わなかった。

 まあそれまで見てきた所業の影響もあるかもしれんがな。


「感謝しておこう、お前のお陰で俺は、また一つ高みに上れる」


 悪喰剣の引き金を引く。

 内から何かが抜ける感覚と共に、悪喰剣に力が流れ高まるのを感じる。

 息を整え、言葉を紡ぐ。


「狂い猛る暴食の悪魔よ、我が欲を喰らいて、王たる奇跡を刃に起こせ―――



 淀んだ黒色に染まり切った悪喰剣を鎖ごと断ち切るように、表裏堕神へと振う。



―――《我が欲望は、堕ち(フォールン・イー)たる者すら喰らう(ター・エゴイズム)



 黒き刃が、神を喰らう。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




Third person perspective


 此処は、神魔界――の、中央に位置する建造物の地下にある大闘技場。

 その更に中央でぶつかる三つの影、いや、一つと二つの影。

 そしてそれを見る、一つの影――の下に新たな影が現れる。

 緑色の長髪に悪魔の角の生えた長身の男だ。

 男は、着ているマントを翻しながら、三つの影を見下ろす影――女に声を掛ける。


「"アルカ"、此処に居たか、少々相談がある。此処で良いが、付き合え」


「相も変わらず尊大ですね、"ヴァイス"」


「仕方の無きことだ、それでこそ我、傲慢なのだから」


 青き創造の神は、呆れたような顔をしながら、傲慢の悪魔を見る。

 傲慢の悪魔は、そんな創造の神に対して、少し困惑したような顔をして問う。


「ところでだが、何故奴らは、戦っているのだ?」


「痴情の縺れ、というところでしょうか」


「痴情?奴らが取り合うような男は、居た記憶が無いが?」


 創造の神の言葉に、傲慢は、その原因になる存在が分からないと首を傾げる。

 その様子を見て、創造の神は溜息を吐き、半目を傲慢の悪魔へと向ける。


「それは、貴方の情報収集不足です。存在自体は知っている筈でしょうしね」


「ふむ、分からぬな、教えよ」


「私は、貴方のその話し方が作りものであることを知っているのですよ?一端で良いので即刻、止めて下さい。いや、止めろ」


「っ!?はぁ、分かった、済まなかったな。日頃から意識していなければ、肝心な時に失敗するだろう?だから、ずっと意識していたんだが最近、そっちが素になって来ていてな。いや、本当に済まない」


 突如、発せられた創造の神から圧に、傲慢の悪魔は焦り少しだけ口調を柔らかくする。


「まあ、それも知っているのですがね」


「お前は昔からそうだ……で、誰なんだ?」


 子供が意地悪をした時にするような創造の神の顔に、今度は逆に傲慢の悪魔が呆れたような顔をする。


「さて、そろそろ怒られそうなので、言いましょうか」


「…………」


「あの三人が、争っている原因の者、その名はレイナイト・タナトス・"ベルゼブブ"・カラーレス」



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黒塗の八岐大蛇 ~負けれない少年は、人道外れでも勝利をもぎ取りたい~

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