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【未完作】盤上遊戯愛好家の異世界言行録  作者: 白亜黒糖
第4章 首狩りと表裏の神
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Sideレイ VS表裏堕神 4.暴食王魔の悪喰剣



「《死閃熱雷(ゼル・マウト)》」


[《倒錯炎砲撃(ハイリア・ミサリグ)》流石に威力じゃ負けるね]


 黒き閃雷が、炎の砲撃を喰らい破る。

 表裏堕神の魔法は受けない方が良いらしいから、打ち破っても一応回避をしておく。

 よし、こっからが重要だ。

 アリス、三分だけ時間を稼げ。


<了解しましたお兄さん!>


「選手交代だ、ちょっと待ってろクソ神」


[何を言っ――「ということで相手は私です《破黒死雷撃(ハコクシライゲキ)》」――アガァッ!]


 恐らく転移して現れただろうアリスが、黒雷纏う足で表裏堕神の顔面を蹴り上げる。

 スゲーな、あの体格差で表裏堕神吹き飛んだぞ、馬鹿力だな。


<ただ強化してるだけです!そういう言い方は止めて下さい!!>


 んあ、済まん、確かに配慮が足りない言い方だったわ。

 にしても自然に俺の技使うよな。


<お兄さんと私は、この空間なら一心同体みたいなものですよ!神魔器や真器由来の技だって使えますからね!>


 だろうな、だってアリスこの領域の神みたいなもんだし。

 実際のところ、俺はこの領域の改良だったりを頼んでるだけで、本当の意味での支配者はアリスだ。


<そんな私を支配できるお兄さんは神ってことですね!>


 まあ、確かに『武器主(ウェポンマスター)』で支配できますけども、それはそれで少し違うような気もする。


「《召喚(サモン)()金烏(きんう)()玉兎(ぎょくと)》」


白玉(しらたま)ちゃんは攻撃。虹玉(コウギョク)ちゃんは、防御をお願い!>


 アリスの言葉より現れた巨大な白い兎と虹色の翼を持つ金色の巨大な烏は、それぞれ表裏堕神へと向かう。

 白玉の本来の姿やっぱデカいな、あと虹玉は金烏の方の名前だ、何かアリスがいつの間にか付けてた。


[手数が増える訳ね、嫌いなタイプだよ!《反隆飛斬(バイゼス)》ッ!]


<《現象複製(フィノメノンコピー)》>


[チッ、ボクの攻撃そのものを複製して相殺するか、君は心底面倒臭――い"っ]


 表裏堕神の斧から放たれた斬撃をアリスが複製し、打ち返した隙に白玉が蹴りを入れる。

 白玉、速過ぎない?弾丸なんだけど。


[灰と化せ!《悪化炎輪殺陣ハイリアント・フレグア》ッ!]


 空に形成された極大の魔法陣から真紅の炎の高速回転する輪が無数に降ってくる。


「アレは…神級か、気を付けろよアリス」


 威力自体も結構高いが、デバフがエグイな。

 即死ある癖に、行動不能、権能無効、衰弱化等々が付いてるの性格悪すぎだろ。


<問題無しですよ!虹玉ちゃん《太陽を喰らう者(サン・イーター)》を使って下さい!>


 瞬間、虹玉が暗黒に染まる……いやマジの烏になったじゃん、色なんとかならんのか。

 金烏って「日に鳥がいる」の伝承上の生物だから、どっちかというと太陽側じゃね?

 ……細かいことは気にしないようにしよ。


<色は我慢してください!お兄さんの権能を流用しているから勝手に黒くなっちゃうんですよ!さあ、虹玉ちゃん全部食べていいですよ!>


 ああ、食べさせるんだ。

 ……食べてるというか吸収してない?

 炎の輪は、空間ごと歪められるように虹玉に引き寄せられ、その身体に吸い込まれる。

 然も空間ごといってるなぁ!


<お兄さん見てないで準備してください!!正直に言って時間稼ぎにしかなってないと思うので!>


 大丈夫、もう直ぐ三分だが、準備出来てるから。

 おれも参戦しに行きますかね。


「我が命、永遠に暴食王魔サクラ・ベルゼブブ様に捧げることを誓う」


 胸の内に何処からともなく、大きな力が流れてくるのを感じる。

 この言葉は、サクラ様に肉を提供して言うことを聞いてもらった時に頼んだ、王魔器の貸し出し契約の前に言ってって言われた言葉だ。

 因みに王魔器ってのは、王魔専用の武器のことで天神の場合は天神器になる。

 俺は面倒なので、口に出す時以外は全部"神器"に統一している、分かり易いじゃん?

 話を戻して、この後は確か、


「『契約執行(コントラクト)』――契約の下、顕現せよ{暴食王魔の悪喰剣グロトネリア・オブ・サクラ}」


 目の前に、橙色で中心に"Sakura"って文字が描かれている八芒星の魔法陣が現れる。

 ナニコレ?専用魔法陣?

 これからどうすれば良いんだ……聞いてない。


「う~ん、時間な――おわっ!?」


 突如魔法陣の周囲ごと空間が抉れるように消え、それが元に戻ると地に一本の剣が刺さっていた。

 突然だぁ…先に言っといてくれませんかねぇ。


「格好良いな……手に馴染みすぎ、この状態なら持っても問題無いな」


 剣を手に取り、しっかり眺める。

 全長1m50cm、橙色をベースに黒色の装飾が施された長剣、黒い刀身には"Eater of Worlds"という文字が橙色で刻まれている。

 最も特徴的なのは、柄と鍔の間に作られている銃の引き金(トリガー)のような機構の部分。

 初めて見るし初めて触れるが、どういう機能があるのか何となくだが理解できる、サクラ様が何かしら仕込んでくれたんだろう。

 感謝しかない。


――そんなに油断してていいのかい!《残隆反理斬(エルグリス)》ッ!!」


「油断?してねぇよ――《悪喰(グロトネリア)》」


 背後から同時に振るわれた二つの斧に悪喰剣(グロトネリア)を意思を込めて宛がう。

 すると、


[にっ!?――ふざけるな!その剣、一体何なんだ!!]


 悪喰剣を動かした軌跡が黒く染まり、少し広がり、そして消えてなくなる。

 それに、表裏堕神の二つの灰色の斧がそれを持つ腕ごと巻き込まれ、消滅する。

 これは、賭けに勝ったな。

 実はさっき顕現させる寸前までエクレア様の神器(天神器)とサクラ様の神器(王魔器)、どちらにするか迷っていた。

 当初の予定ではエクレア様の神器だったけど、何んだか相性が微妙に感じたので変えたのだが、良い判断だったぜ。


<すみませんお兄さん、隙を突かれました>


「別に問題無い、サポートに回ってくれ」


<分かりました>


[《反逆の斧(リバーシアクス)》,《召喚・反逆の斧》――全く、危ないね]


 アリスと話す内に、表裏堕神は《反逆の斧》で回復し、また新しい《反逆の斧》を出していた。

 畳みかけなければ、堂々巡りになるな。

 解放状態だって、結構時間が経ってるし、悪喰剣だってそう長く使えない。

 つまりは、さっさと行くしかないってこと。


「済まないが、勝たせてもらう」


 右手に悪喰剣を左手に灰塵剣を構える。

 表裏堕神もまた斧を構え直す。


[《反隆連斬(バイスズ)》ッ!!]


「《武装喰い(ウェポンイーター)》,《絶対切断(カットアウト)》」


[ウグッ!?――《残化炎璧断群ハイリアント・リビニル》]


 振われる二つの斧を二つの剣で喰らい、切断する。

 更なる追撃を試みるが、これまでと違う青白い壁が間に現れ、俺の行動を妨げる。

 まあ、そう障害にはならない。


「《魔力喰い(マナイーター)》,《魔力破壊(マジック)》」


[この程度じゃ、時間稼ぎにもならない訳ね!]


 炎を壁を破ると、そこにはまた召喚したのか、四本の斧を持つ表裏堕神の姿が。


[いいよ、なら数を撃つ!《冥堕界の門(ハデス・ゲート)》ッ!!]


「骨の竜、ボーンズドラゴンか。……数が多いな」


 またしても現れた巨大な門から、大量の骨の竜が溢れる、いや溢れ続けている。


「アリス」


<かしこまっ!《超新星群落としスーパーノヴァフォール》ッ!!>


 空からハチャメチャに輝く星が降ってくる。

 派手だよなぁ。

 視界が輝きで埋まる最中、骨の竜がそれに突撃しに行くのが見えた。


「……チッ、そういうことか、空中で爆発させて下に被害が無い様にしたな」


<失敗しました、お兄さん!>


 いや元気に言うな。

 白玉と虹玉と一緒に殲滅しろ、広域攻撃は恐らく被害が少ないから使うな。

 今も数が増え続けてるから出現速度を超える速度で殲滅するか、門自体をぶっ壊すかしなきゃ負けるぞ。

 気合い入れろ!


<分かりました!白玉ちゃん、虹玉ちゃん行きますよ!>


[さあさあ!ボクのペット達!主人の為にその命を散らしてくれ!]


 あれペットなのか……然も骨だから元々死んでるから命散らすとかないだろ。

 ツッコミはここまで、俺も戦いに行くか。

 灰塵剣を『武器主(ウェポンマスター)』で空中に保持し、悪喰を両手で構える。

 そして、柄にある引き金(トリガー)を引きながら、口を開く。



生命(いのち)を弄ぶ悪魔よ、我が身を喰らい、我が身に宿れ――《暴食の王(ベルゼブブ)》」



 剣は輝き、黒は満ちる。



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