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ひめみこ  作者: 転々
番外編
187/202

理想の男性

 このエピソードは、当初、複数のエピソードにをまたいで混ぜようと思っていましたが、入れるタイミングを逃していたものです。

 それをつないで一話の体裁になるよう加筆修正したものです。

 この草稿を書いていたのは、昌ちゃんの相手について具体的に考えている頃でした。年上というのはこの時点で決めていました。

 合宿以後、朝はいつものメンバーでおしゃべりタイムだ。

 由美香ちゃんからDVDを受け取る。この週末で、劇場版の三部作を視終えたようだ。


「どうだったですか?」


「割と面白かった。でも、公国とザビ家の関係がイマイチ分からなかったかな」


 その辺は紬ちゃんがじっくりと説明する。でも、その言い方だとシャアを主人公にした貴種流離譚みたいに聞こえる。


 でも、この作品の魅力はキャラだけじゃないと思う。


 戦争はそれぞれに正義があることを明確に表現したり、国が戦争に負けるっていうことはこういうことだってことを、分かりやすく映像にしたのはこれが初めてに近い。

 そして、兵器はあくまで兵器で、手順を踏めば通常兵器で破壊できるものにしたことで、リアルロボット路線を開拓した作品だ。

 これ以前はスーパーロボットで、通常兵器では傷もつけられない。同格同士でないと勝負にならなかったのが、この作品からはそうでなくなった。主人公格補正が小さくなると同時に、ここから兵站という概念が導入された嚆矢と言っていい。


 と、考えていたら……、話は推しキャラの方へ。

 こういう話は、黙って聞いているだけの方が良いと思う。


 うん。ハヤトは、悪くないぞ。カイは、意外とああいうのが、あっちこっちで女を作りそう。ブライトは、うーん、あの歳でちゃんと作戦指揮できたんだから大したもんだ。もうちょっと評価してもいいんじゃないかな? それに、割と常識人だし……。


 紬ちゃんがニヤニヤしながら、由美香ちゃんにどのキャラが推しかを訊く。それは私も興味あるところ。周囲りの男子も聞き耳を立てている。

 さて、由美香ちゃんの好みのタイプは……?


「変わった人ばっかりだから、あんまりタイプの人は……」


 由美香ちゃんは言葉を濁す。そこに紬ちゃんが食い下がると、根負けしたのか「シ、シャア」


 まぁ、予想通りだ。

 でも、このキャラ、話が進むにつれて、どんどん変になっていくし、マザコンのくせにマッチョ思想だ。絶対、部下である前に女であることを求めるタイプ。手当たり次第にヤってるに違いない。現代日本だったら、訴訟と慰謝料だな。

 劇場版三部作しか視ていなければ、そういう選択もあるかも知れないけど、多分もうちょっと大人になったら、アムロの方がいいってなるだろう。彼はかまってちゃんだったけど、人間としてちゃんと成長している。




「そういう昌クンは、誰がいいですか?」


 周囲りを見ると、聞き耳を立てている男子がチラホラ。


「あんまり、いい人って、出てないんだよね。

 常識の範囲内という点ではブライトだろうけど、男として魅力があるかというと、ちょっとねぇ」


「憧れる人とか、居ないですか?」


 例によって、紬ちゃんは食い下がる。

 多分、私の好みとかを知りたいのだろうけど、そもそも男性をそういう視点で見られるかというと……。


「恋愛的な憧れるというと少し違うんだけど、(おとこ)として憧れるのは……、ドズルかな?」


「「「え?」」」


 三人は絶句する。確かに、この作品屈指の、女ウケ悪そうなキャラだ。まず見た目が悪い。


「いや、だって、ドズルは漢だよ!

 上官には『戦は数だよ!』って食ってかかるけど、部下の前では『ビグザム量産の暁には』だよ! それに、(ガルマ)の死を一番悲しんだのもドズルだし、自分を使って欲しいかったって言ってるんだよ!

 これはねっ、自分が兵の将ではあっても、将の将たる器じゃないって判っていて、そして弟の力を認めていて、自分はその下で働こうって、自分の力の範囲で頑張ろうって言ってるんだよ!


 で、家族との今生の別れのときも、(ミネバ)を『強い子に育てて』だよ!

 奥さんも、それを分かっててグダグダ泣かずに行くんだよ!

 ああいう奥さんを貰える漢なんだよ!

 きっと、家では、娘にデレデレのパパなんだよ!」


 あれ? 三人とも停まっている。

 周囲りで聞き耳を立てていた男子も、聞いちゃいけないことを聞いた感じの顔。

 もしかして、って言うか、確実にやらかした。




 後日、私が年上好きどころが親父趣味ということになった。両親を亡くしている設定だから、年上好きのファザコンの噂まで。

 そして、ランバ・ラルあたりも好みに違いないという噂も。


 いや、ランバ・ラルはダメだ。「ザクとは違うのだよ!」と啖呵切った割に、負けたときの負け惜しみがダメだ。

 そっちに行くぐらいなら、アムロに行く。かまってちゃんだけど、適切に構ってあげれば有能だし、稼げる男になる見込みが十分だ。

 ドズルとアムロ、昌ちゃんのストライクゾーンは広い。

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