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村の祭り☆

「おや、その人はどうしたのかい」

 お爺さんが聞いてくるが彼はなんと答えればいいかわからなかった。彼が異世界人だとは言えない。

「いえ、なにかに操られていたようなので助けたんです。鍛錬してる最中だったので」

 シンドウも頭を上下させる。

「そうなんですか、私たちを救ってくれた方に救われるとは貴方も幸運でしたね」

 年老いたシワシワの顔でお爺さんはケラケラと笑う。

「そういえばこの人を俺のいさせてもらっている家に運んでもいいですか?」

「ええ大丈夫です」

 にこりと微笑むお爺さんに礼をしてから彼は次の話をする。

「俺は祭りに参加しようと思うのですが、他にすることはありませんか?」

「おー参加してくれるのですか。そうですね、貴方様は宴の最初の時、自分の名前を叫んでほしいのです。それをしてくれるのであれば祭りは成功するでしょう。私も貴方様の名前を知りたくてうずうずしております」

 どちらかと言うと目が狂気じみているお爺さんを見て彼は道を間違えた気がする。

「貴方様が助けを求める際にはこちらにおこしくだされば、村人総出で助けましょう」

「そこまで言ってくれるとは、とてもありがたいです」

 彼はもう一度礼をしてから家に向かった。中に入るがサーシャはいない。これは好都合とばかりに彼はベッドにシンドウを腰掛けさせた。

「ここで寝ててください、俺には用事があるので明日話を聞かせてくれると助かります」

「ああ、分かっているさ。君にはとても感謝している。済まないが休ませてもらうね」

 シンドウは笑った。さっきまでのシンドウを見ている限りではこんなことしないと思っていた彼は酷く狼狽した。

 そんな空気に耐えかねたのか彼は簡易食料を部屋に置き、すぐに鍵を閉めて宴の場に向かう。

「あれ、帰ってきてたんですね」

「ああ。今、家にはシンドウっていう男の友達がいるから気を付けてね」

 サーシャはそうですね、と黒い笑みを浮かべているが彼は気にしないでおくことにした。

「おー兄ちゃんが来たぞ。さあ祭りの始まりだァァァ」

 若人というよりもとてつもない筋肉を持つおっさんが叫び彼を手招きしていた。彼はそれに従い壇上に上がり一声咆哮を上げた。

「俺の名前はヨーヘイだ。祭りにもちろん参加させてもらう」

 その声を聞いたからか若人が彼以上の咆哮を上げ周りが熱気で包まれる。彼は即座に壇上からリングに移動して若人が入ってくるのを待った。

 そこからは全て筋肉と筋肉のぶつかり合い。予想とは反し武器等は使ってはいけないらしいく、彼の心配性が功を奏した。

 若人全員が倒れたのを見計らってさっきのおっさんが彼の目の前に立ちふさがる。くいくいと指で挑発してくるおっさんに、彼はお前が来いとばかりに顎をくいくいと動かす。ふっと笑ったおっさんはタックルを彼にしに行ったため彼も同じようにタックルで返した。

 タックルのぶつかり合いで彼の体力はさほど削られずどちらかと言うとおっさんが肩で息をしていた。

 ぶつかり合いを五回した結果、おっさんは倒れ喧嘩祭りの幕を閉じた。

 そこからは宴へと変わった。飲めや歌えやの状態の中、彼は元の世界では未成年のためお酒を飲まない。その分、彼は肉を食い絡んでくるサーシャの対応をしていた。

 だが彼は酒に強くはなかったからか少し気分が高揚していた。めんどくさくなったのか酒の飲みすぎで倒れた人たちと共にその場で寝付いている。

 サーシャが彼の隣に来ていたが退ける気力も無くそのままにして意識を闇に落とした。

 陽の光が目に当たりそのウザったさに彼は瞳を開ける。昨日寝付いてからそのまま起きることがなかったので目の前でサーシャが微笑んでいる。うん、変なことをしなければとても可愛いのにな、と思っただけなのだろうが言葉に出ていたためサーシャは照れた。

 彼はサーシャにお爺さんたちにいつ頃時間あるか訪ねてほしい旨を伝え家に向かう。彼が家の中に入る頃にはシンドウは起きていておはようございます、と深々と頭を下げていた。

「そこまでしなくていいよ」

「いえ、これが俺のけじめなんで。まずは座りましょう」

 シンドウがベッドの上を綺麗にして座ってくれるように促す。そのまま座るとシンドウは椅子を引きずり出しそこに座った。

「そうだね、俺がまず大前提で言いたいことは俺は異世界人だ。それも外れ勇者に近いだろうね」

「えっと……はい理解しました」

「そしてそれをばらす気は無い。そこはまではいいとして俺は君を一緒に連れていきたいと思う」

 シンドウはもちろん彼について行きたいと言おうと思ってた、と返答したので続けた。

「サーシャという女性が付いてくるからまあ合意の上でなければそういうことをしないように。そして俺の名前はカナクラヨウヘイだ。前提はこれぐらいにして本題、君の過去について教えて欲しい」

 そんな事しないから安心してほしい、と彼は答えてから少し俯く。やはりいい事は無かったか、と彼は思いながらシンドウの肩に手をかける。

「安心しろ、俺はシンドウを否定しない。外れ勇者であろうと俺と一緒に戦ってほしいだけさ。もちろん捨て駒にする気もない」

「……そんなことはわかってる。ただあいつは、王族は腐っていたんだ。それを言って助けてくれた人が気に病むかと思うと」

「いや言ってくれないと俺もこの先の行動どうすればいいかわからないんだ」

 それを聞いて意を決したのか、シンドウは簡単に話を始めた。

今いる国とその実態、彼がどのように転移して何を頼まれたか書かれます。どちらかと言うと細かく書き視点が三者視点に変わるので注意してください。そしてこれからの話を第三者視点に変えこれの前の話も追々変えていこうと思います。

ご勝手ながら申し訳ありません

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