ピックアップガチャ2
凄く短いです。すいません、時間がありませんでした。
「すごくレベルが上がったの」
コカトリスの経験値は予想以上に高かったらしくリコのレベルはとても上がっていた。
特にそれを聞いて驚いたのが彼だ。なにぶん最近の戦いでレベルが上がることがなかったためいい話に思えた。
「次は俺がトドメを刺していいか?」
この世界での主となる経験値を手に入れるのはトドメを刺したものだ。確かに共に戦ったものも経験値は入るが雀の涙程度でしかない。今やほとんど上級職をつけている彼にとっては尚更だ。
それを知っているからか四人もすぐに頷く。ただし自分たちのレベルアップの手助けもお願いして。
パーティメンバーの自立の考えも持っていた彼にとってそれは不利益にならなかった。ましてや将来の奥さんになるかもしれない。そう考えれば利益しか頭に浮かばない。
「それは大丈夫だ。みんなを守れるくらいに強くなりたいだけだから」
それを聞いて喜ぶ四人。特にハクは物凄い。魔物と人間の結婚は少ないからだろう。
すぐさま地図で見つけたコカトリスを瞬殺する彼はステータスを見る。
確かにレベルは上がっている。アナウンスは戦ってる最中にウザったいと思いオフにしていたためいちいち確認している。
「……なんかやる気なくなるの」
サーシャの言葉に頷くリーナとリコ。ハクはレベルが上がればそれ以上の速度を誇るためそうは思わなかったが。
「戦えば強くなるさ。俺が手助けをするから」
彼の一言で暗い空気はなくなっていた。
そんな中、彼は一体の金色のスライムを見つける。
「ミュー?」
敵対する意志はなさそうなそのスライムを見て手を出してみる。
「ヨーヘイ、それは幻のゴールドスライム。経験値を沢山くれるよ」
そんなサーシャの言葉は聞こえないままで同調をかける。ふるふるとしたゴールドスライムは彼に無い目の視線で伝える。
「仲間になってくれた」
固まった丸いスライムであったため彼は頭の上に乗せた。これの頭の上でふるふる震えて機嫌が良いのを伝える。
俊敏以外の全ステータスが一だ。ただし俊敏だけ五万ととても高い。そしてレベルも低かった。スキルも逃亡のみ。
「こいつの名前を考えないとな。……なんかいいのないか」
「経験値よりも欲望をとったの。……ゴルちゃんがいいの」
「ゴルドはどうでしょうか」
「ゴスくんは?」
三種三様の意見を述べる。ハクはマスターが付けるべきだという意思を変えない。
「……ゴールド……金、キンスラ……キラ。キラはどうだ?」
もちろん、彼の言うことを否定するものなどそこにはいない。それにその名付けより下手な人も多かったからだろう。
「キラよろしくな」
そんな彼は見落としていた。キラは男に多くある名前だが、そのゴールドスライムは女であったことを。
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