イヤフォンは神器でした☆
彼はイヤフォンが片手を癒している間倉庫の中を物色した。もしこのような狼がまた出てきたら対処しなければいけない、そんな恐怖が彼の頭の中で渦巻いていた。その時に使えそうなものを見つけるため、今の心配を少しは軽減させるために携帯を色々といじっている彼はふと倉庫欄に目に止まった。
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倉庫欄
武器『銅の剣 一本』
武器『炎の魔剣 一本』
道具『初心者救済セット』
スキル玉『ステータス』
スキル玉『同調』
スキル玉『鑑定』
素材『スケルトンの骨』
素材『コボルトのジャックナイフ』
素材『ホワイトウルフの牙 六本』
素材『ホワイトウルフの皮 三枚』
素材『ホワイトウルフの肉 四キログラム(端数切り捨て)
素材『ホワイトウルフの内蔵 四百グラム』
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彼はもしかしたらこれが役立つかもしれない、と初心者救済セットをタッチした。すると簡易食料とポーション・極が五個と革鎧、篭手に分解された。
次にスキル玉というのもよくわからなかったので一番ランクの低かったステータスを出す。手に持つとあまり重さを感じずとりあえず、ぎゅうと強く握ると煙となって消えた。その際に、
【スキル、ステータスを獲得しました】
という声も聞こえたので成功だ、と彼は感じた。彼はすぐにステータスを表示する。
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カナクラヨウヘイ
種族 異世界人LV4
職業 見習い剣士LV4、見習い銃士LV3(現在二つの職業に付けます)
HP 25 MP 275
物攻 15 物防 15
魔攻 15 魔防 15
俊敏 15 幸運 100
固有スキル
スキル 剣術1、銃術1、ステータス1
称号 異世界人
状態 神器イヤフォン装備中(全ステータス+55%、全状態異常無効)
異世界武器ベレッタ装備中(物攻+85%)
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よくわからなかったので彼は携帯を取り出す。検索欄に異世界と検索をかけた。しかしなにか情報を得ることは出来なかった。
その中で携帯の地図という所を発見した彼はそこをすぐにタップした。異世界なんたらと星の名前が書かれているのを見たが彼にとっては長すぎたためそこをコピーして貼り付けた。
そして彼はいくらかのことを知ることが出来た。まず大前提としてこの異世界はステータス制のゲーム世界だということ。
種族→その人の種族、例えば人間や獣族、魔族。そしてイレギュラーな存在として異世界人などがいる。
職業→その人の職業。付いたものに対して幾らかの補正がかかるが、ものによっては変化させることが出来なくなる。
HP→体力、ゼロになると死亡する。死亡して五分以内であれば蘇生魔法で生き返りが可能。この世界の子どもの平均は25、社会人は250。
MP→魔力、魔法を撃つ時に必要になる。平均は25、社会人は250。
物攻→物理攻撃した際に与えるダメージを増やす。子どもの平均は15、社会人の平均は150。
物防→物理攻撃を受けた時のダメージを減らす。子どもの平均は15、社会人の平均は150。
魔攻→魔法攻撃した際に与えるダメージを増やす。子どもの平均は15、社会人の平均は150。
魔防→魔法攻撃を受けた時のダメージを減らす。子どもの平均は15、社会人の平均は150。
俊敏→行動する時の速度。子どもの平均は15、社会人の平均は150。
幸運→生活する際に良いことが起きやすくなる。この世界の人の平均は35。
固有スキル→スキルの上位互換。持つものも少なくまた、異世界人であればギフトと呼ばれる強い固有スキルを確実に一つは持つ。
スキル→その人のステータスに補正をかける。また剣術のように行動に補正をかけるものもある。
称号→その人がどう呼ばれているかなどを見ることが出来る。
そして固有スキルがないということはいわば外れの異世界人という事だ。ちなみに上の平均は異世界人の村人のステータス平均らしく戦闘専門の人はもっと高いようだ。
ふと彼は思った、彼のイヤフォンは神器となっていたことに。固有スキルを捨てた結果神器獲得となったのだろうか、と彼は思ったがすぐに自分の携帯を使えるということに気付いた。これは大きなアドバンテージであることにも気付く。
彼は一つの考えに至った。彼の本当の力というのはステータス欄に乗らないものなのだと。それに気付いた彼は調子に乗りまたガチャを回す。龍から出た玉十一個、彼は期待に胸をときめかせていた。
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UR 固有職業 見習い勇者
SR 簡易テント
R 魔物調教肉
N ステータス
N 鉄の剣
N 鉄の剣
N ポーション・並
R 武器強化石
UR 従魔ハーピィクィーン
R 武器強化石
R 武器強化石
N ポーション・並
N ステータス
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出てきたのはこれらだった。見習い勇者に関しては出てきた瞬間にアナウンスが流れ現在二つの職業に付いているため付けることが出来ない旨を伝えられた。ここで一つ彼は他に気になったことを先の容量で検索をかけていく。
まず神器についてだが神を殺すことさえ出来る武器とされ全ての武器に破壊無効が付いている。攻撃を受けても壊れることがなく対象固定、つまりはその道具を使える人は固定される。他の人には使えなくなり盗まれることもない。
続いて彼が気になっていたことなのだがガチャガチャによって被ったスキルについてはどうなるのかということだ。ステータスはスキルながらに最低ランクであったことを考えるとみんなが持っているスキルなのだろう。そこでこのステータスを重ねるとどうなるのかについて調べてみたところ、今までステータスの最高レベルは三でこのスキルのレベルは上がらなかったらしい。つまりはやって見なければわからない。重ねてみると二枚重ねたところでレベルが2に上がっていた。
続いて武器強化石は名前のままだと感じベレッタに付けて擦ってみる。するとベレッタを倉庫に戻した際にベレッタ+1となっており装備中の補正がかかっていた。
そうして倉庫のスキル玉などを使っているうちに彼のステータスは下のようになっていた。
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カナクラヨウヘイ
種族 異世界人LV4
職業 見習い剣士LV4、見習い銃士LV3(現在二つの職業に付けます)
HP 25 MP 275
物攻 15 物防 15
魔攻 15 魔防 15
俊敏 15 幸運 100
固有スキル 鑑定1
スキル 剣術1、銃術1、ステータス2
称号 異世界人
他職業 見習い勇者LV1
状態 神器イヤフォン装備中(全ステータス+55%、全状態異常無効)
異世界武器ベレッタ+1装備中(物攻+86%)
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良くはなったが値についてはこの世界の子どもと変わらない。武器に助けられているだけだ。
悩んだ結果彼が生き残る方法は戦うしかないということに気付きレベル上げを開始する。さっきの手の傷はもう癒えているので戦えるようだ。
音に集中して近くに動物がいないかを彼は探した。数分そのまま集中して右方向に者音が聞こえた気がした彼はそちらに向かう。
彼のその勘は当たったらしくゴブリンが三体、彼の目の前にいた。まだこちらには気づいてないらしいので一体を銃でもう一体をイヤフォンでくびり殺した。ゴブリンたちが彼に気づいて向かってくるがもう遅い。
「じゃあな」
銃声が響き彼の耳にキーンという音が襲う。サイレンサーとか当たらないかな、と他に集中しておりもはやゴブリンのことなど彼の頭になかった。
【レベルが上がりました】
アナウンスが頭に響き渡る。彼はようやく異世界での第一歩をようやく踏み出せた気がした。
スキルレベルを上げるには熟練度などもありますがステータスのようにスキル玉でしかレベルが上がらないものは2の累乗ずつ必要となります。
1なら1枚、2なら2枚、3なら4枚、4なら8枚、5なら16枚、6なら32枚、7なら64枚、8なら128枚、9なら256枚、10なら512枚。
アプリゲームでよくある雑魚のキャラを重ねて強くさせるには途方もない数が必要というのと同じですね。
本日、もう1度投稿できるように頑張ります