現仲間3
食事をし終わった他の冒険者たちは彼に嬲られた冒険者の末路を見たため口説くなんてことをする人はいない。
それどころか、
「リーナさんは小さな子が好きだったんですね。そりゃ色恋沙汰が無いわけです」
と他の人たちから変な勘違いをされていた。それでリーナが何かを言うわけでもなくただ一言幸せになります、とだけ言ったため混乱沙汰だ。
それは当然のことだろう。変な勘違いとはいえ半分は冗談で違っててほしいと思って言ったことだったのだから。
それでも彼の強さから自分たちよりはと諦めるもの多数であった。さらに彼のランクがCであることや先のロスやリースとの戦いの話が出てきたところで、リーナに手を出すものは本当にいなくなった。
「私たちはヨーヘイとくっつくためにこの店を占めます」
最後に言われた言葉で魂の抜けた表情をした冒険者は多数いた。それを見てもリーナは素知らぬ顔で彼と話をしていた。
彼らの食事も終えたところでようやくロスたち四人が食堂に入ってきた。
「すみません、寝坊しました」
リースの言葉にリーナはわかりました、と食事を作ろうとする。それを見た彼はロスのもとに向かった。
「ロス、今日冒険者ギルドに行きたいんだけど行ってきてもいい?」
「おういいぞ。昨日の話を聞いたからな。リコちゃんも学園に行くんだろ? 仲良くなっておくべきだ」
リースはなぜ父さんに聞かないんだ、と喚いていたがうるさい、とエレッタに沈められていた。物理的にだ。もちろんリースの懐から直すお金は出ている。
「それじゃ、行ってくるか」
それに呼応したのは料理を運び終えて後は下げてくれればいい、と言っているリーナ。次に水を飲んでちょっとむせたサーシャ。最後にリーナの後ろにいたリコだ。特にサーシャの声は大きい。
「皿は水につけておきますね」
常識のあるリースの言葉に頷いたリーナは彼の手をとる。そのまま表へと出て行った。
「そういえば店番はいいの」
「お金とかはここに入れてるから。まあ中に入れてれば劣化とかもするから、必需品以外は入れてないけどね」
リーナは手に付けている腕輪を指さす。彼はツンツンと触るが何も起こらない。
「大丈夫よ。私以外中からものを出せないの。一応、結婚腕輪って意味で渡してきた人がいたのよね。まあただあげますって言われたから貰ってそのままだけど」
リーナの若干ドライな言葉を聞いて彼は少し背筋が凍った気がした。
「だって下心丸出しだもの。共感がなくてもわかるわ。付き合ってもいないのに結婚も意味わからないし、ましてや結婚してとも言われなかったしね。それにもう私は人妻、あんなやつとはもう関係がないわ」
そう言って彼に微笑む。その笑顔が嬉しかったのかリーナと繋ぐ手はより固くなった。
その二人の後で疎外感を感じていたサーシャとリコは攻撃を仕掛けることを決意していた。
リコは彼の上におんぶしてもらう形で、サーシャは彼のもう片方の手を握った。
彼の高いステータスのおかげか首の力だけでリコを支えきり、少し曲げた腰の上に乗っかる形でリコは自分の居場所を作った。
「やだわ、大きな女性と小さな子どもの三人を侍らせているわ」
「顔が綺麗でもあれじゃあね」
「あの子すごいな、三人の女性を侍らせている。そうだ、幼女マスターと熟女マスターの称号を与えよう」
その二つの称号を得てしまったことを確認した彼とリーナが怒ったのはそれから二時間後のことだった。
やっと学園の道が開け始めた……_:(´ω`」 ∠):_
後、もうそろそろでガチャを回す機会を主人公に与えようと思います。
やっぱりガチャといえばピ○○○○○ガチャですよね(笑)
そして地球のお金でしか回せないと思ったら……乞うご期待です!
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『不死鳥の召喚士』
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