現仲間2
朝目が覚めた後のリーナの行動は早く、すぐさま食堂の方に走っていった。彼も朝食を取りたかったため走っていくのだがリコに廊下は走ってはいけない、と言われ渋々歩き出した。
「リーナのご飯って美味しいもんな。リコのご飯も美味しかったし」
「それって転生前の話?」
「あっ、やっぱりリコはわかってたんだ」
なになに、と言っているサーシャに対してリコが話を始める。
「ヨーヘイは転生者なの。それも一度リコたちにあったことのある転生者。リコを見た時、懐かしいって感情でいっぱいだったの」
「転生者……カッコいい。やっぱり、サーシャの夫なの」
そうか、と照れ隠しのためか頬を掻く彼。それを見ていたリコはとてもいい笑顔で笑っていた。
「リコも学園に行くの。サーシャと一緒にヨーヘイのハーレム要員を探すの」
その言葉にうんうん、と頷くサーシャ。彼女自身リコには学園に来て欲しい気持ちがあったため来てくれることには心から喜んだ。それはもちろん彼も、
「それはいいな。サーシャとリコと一緒なら学園もすごく楽しく感じれそうだ」
彼の言葉に喜ぶのは二人だ。そんな喜びの連鎖は途切れることなく続いた。
「ごめんね、みんなの分遅れそうだ」
食堂に着いた彼らにリーナが言った言葉。仕方ないと頭を縦に振る彼らにリーナはとても感謝した。
「その代わり厨房の中にいていいから。どちらにせよ、リコにお料理を教えないといけないからね。それにもう少しでここも閉める予定だし」
そうリーナは冒険者になるために彼らが宿を出る時に閉める予定を立てていた。彼はそれを感じ取っていたため驚くことは無かったがそれで悲しむ人はいないか、と心配になった。
「安心していい、私がいなくても他の宿に客が行く。それにあんなやつらにいいようにされるのは嫌だからね」
ニッコリと笑うリーナの輝かしさに彼は瞳を閉じた。いつぶりかの暗闇は相も変わらず続いている。でも続く道の先には彼女たちがいることが彼が今までうまく道を歩めた証拠になるだろう。
「まあ、俺が許さないしな」
元の口調に戻った彼は少しだけはにかんで見せた。その一瞬に彼女たちの気持ちは揺るがないものとなる。
「そうだ、俺にも料理を教えて欲しい。みんなに俺が元いた世界のご飯を食べさせたいし」
リーナは頷くことしか出来なかった。彼女の頭の中にある栄えある未来のためにとれる行動は肯定以外にありえなかったから。
厨房で全ての注文を作り終えたリーナはそのままそれを渡す。ニヤニヤしている冒険者が多いがそれでもリーナは嫌な顔をしない。だからこそ、
「リーナさん、ちょっと遊んでくださいよ」
そう言って無理やり丸めこもうとする冒険者も少なくはなかった。最後の冒険者以外は他の冒険者のご飯も関係していたため上手く流せたが最後はそうはいかないみたいで、
「……俺の女に手を出すなよ」
彼が表に出るしか方法がなくなっていた。
「こんなガキが正義のヒーローごっこですか。早く帰った方がいいでちゅよ」
舐めてかかった冒険者が悪いとは思うが一瞬で距離を詰められ殴られる。それも思いっきり手加減をされた上でだ。
力の抜きすぎたせいか、もしくはある程度強い冒険者だったのかすぐに立ち上がるのを見てもう少し力を入れることを決める彼。
「てめぇ」
そんな冒険者の声は虚しく腹を殴られ背中を殴られ、最後に股間を蹴られて彼は泡を吹きながら気絶した。
男にとっては最悪な敗北の瞬間であった。
学園編に入れない……_:(´ω`」 ∠):_
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最近、イヤフォンよりも同調の方が役に立ってる説。




