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現仲間1

 部屋に戻った彼を待っていたのは主にサーシャだった。顔を近付けすぐに口を開いた。

「……ヨーヘイ、何かいいことあった?」

 サーシャにそう聞かれて彼は少し黙った。そして考えをまとめてサーシャの目を見つめ言う。

「俺とサーシャ以外の冒険者の仲間が出来たんだ」

「それはリーナさんとリコ?」

 うん、と首を振る彼を優しく見守るサーシャ。本当は言いたいことがあるのだがサーシャは飲み込む。

 今の幸せそうな彼を見ていられることがサーシャにとっては幸せだった。

 そんな思いに浸っている時、サーシャは一つの違和感を感じる。もっと前から彼を知っていたような気持ち。短くて長い間一緒にいて幸せだった、そんな気持ちがサーシャを襲う。

 ニコニコと笑う彼へそれ以上の笑顔を浮かべたサーシャが見つめる。

「……今日はリコの所に行こうよ。お母さんたちには明日一緒に寝るっていえばいいと思うから」

 サーシャの口から出てきた言葉。彼はそれを聞いてすぐに驚いた。

「あんまり好きじゃなかったんじゃないのか」

「リコはきちんとヨーヘイに相応しいか判断してただけなの。もちろん合格したよ」

 彼はそう言うサーシャの頭を撫でた。二人は親に話をして許可を取り管理室の部屋を開ける。布団を敷き始めたリーナとリコの所まで行き今日は一緒がいい、と二人声を揃えて言った。

「もちろん、いいわ。これからは一緒に寝たりお風呂に入ったりは当たり前だと思うしね」

「リコもいいよ、みんなで幸せにがうちのパーティのスローガンなの」

 リーナとリコはいきなり来た二人を暖かく迎えた。彼はそれがとても嬉しかった。例えそうなることがわかっていたとしても。

 彼を中心にして二つの布団で彼らは寝た。その日はとても冷え込んだが彼らの布団はいつも以上に暖かかった。

 ーーこんな状況の俺を見たらセイナはどう言うかな。死ねばいい、不潔だって言うかな。いやみんなで幸せになろうってリコみたいなことを言うかーー

 布団に入って彼が一番に考えたことだ。

 ーーでも不思議ともうちょっとで彼女と会える気がする。俺を殺したフラグを立てたいわけじゃないけどそうあって欲しいーー

 彼はそんな気持ちを胸に瞳を閉じた。何があってもあの時の返事をしたい、それが彼が今生きる一番の理由だった。

「……ふっあ、息ができない。ってか暑い!」

 彼は自分の上に乗っているものを持ち上げた。乗っていたのはリーナとサーシャ。一番お行儀のいいリコはもう起きていた。

「やっと目を覚ましたの」

「それなら起こして欲しかった……死にかけたよ」

 彼が二人をずらしても起きることがなかった。それを確認してからリコは彼の近くまで来た。

「起こしても苦しむのは一緒。逆に寝付いてすぐにそうなってても気付かないヨーヘイが凄いと思うの」

「いやー寝付くと起きれないんだよね」

 頬を掻きながらそういう彼にリコははぁとため息をついた。

「リコがその性根を正してあげるの。だから安心してていいの」

 リコの言葉に少し恐怖を覚えた彼は一言、お手柔らかにと答えた。

祝七万文字。

七万文字を記念して……何もしません(笑)



これからも「イヤフォン」をよろしくお願いします。出来ればブックマークや評価等もよろしくお願いします。

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