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もちろん財布にお金は……入ってた!?☆

 倉庫の文字をタップしてみるとその道具が出るようだ、彼はまずはベレッタを取り出す。

 彼自身男の子だ。よくゲームに出ていたその武器に興味がわかないわけがない。量産型トカレフの方がより彼の好みではあったが威力等ではベレッタの方が勝るだろう、と彼は諦めた。

すぐに撃った感触等を確認したかった彼は目の前の木に照準を定めて撃ち出す。

 ズガーンと鈍く響き近くにいたであろう巨鳥が飛び立つ。ぐぎゃあぐぎゃあと騒がしい鳴き声につられたのか白い毛並みをした狼が現れた。

のそりのそりと歩くその姿に彼は身震いした。だがよく見てみると一体しかいない、これが一匹狼かと笑うと狼は怒ったのか前足を横に振る。間一髪後ろに跳んでかわしたがゴブリンの比ではないその速さにたじろぐ。

 ベレッタを撃ってわかったことがあるのだがそれは反動が大きすぎるということ。それこそ一度撃てば少しの間、動けなくなる。

 彼は頭の中で考えた。だがどうやっても勝ち目の薄い戦いに見えた。眼光だけは鋭く狼を睨みつけるが関係なしに近くまで来る。仕方ないかと彼は手を噛ませもう片手で抑え込む。押さえ込んだ方の手でベレッタの引き金に指をかける。下へ向いた銃口は狼が気付くことなく命を奪った。狼の背中につけて撃ち込んだためより鈍くなった銃声に、狼の最後の言葉はかき消され静まり返る。だがそうはならず気が付けば同じ狼が二体俺の右横にいた。その二体の狼は彼を見てただ嘲笑った。もはや彼はただの獲物でしかないことに気付き始める。

【レベルが上がりました】

 そんなアナウンスが聞こえるが彼にはもうどうでも良かった。血がダラダラと流れた片手を抑え銃口を一体に向け殺す。道ずれは出来たか、抗えるところまで抗えたかと自身を納得させ彼は死を待った。

閉じた目には暗闇が続きこれが死かなとかんがえていた。だがいつまで経っても狼の爪が当たることはなく恐る恐る彼は瞳を開けてみる。すると彼が使っている白いイヤフォンが狼の爪を押さえ込んでいた。

 それを好機とみなして彼はベレッタの銃口を向けて撃つ。だが躱されバックステップを取った狼は少し距離を取りながら彼を見つめる。

瞬間、突風が吹いたかと思うとそこには彼を守るイヤフォンがあり近くの草は切り刻まれていた。今のはゲームでいうところの風魔法かと彼はそれに警戒をし始める。

だが狼がいた場所にはもう狼の姿はなく風と反対の方向から狼が向かってきていた。ベレッタを撃ち込む、当たるが右足だけだ。致命傷にはならない。

 イヤフォンでなにか出来ないかと考えイヤフォンで包帯のように手に巻き付けた。その扱い方は間違いではないらしくだんだんと彼の手を吐血し始めた。

こんな使い方も出来るようだが武器にもなるようで、向かってきた狼の爪をイヤフォン付けた手で彼がガードをすると、狼の弾き爪ごと切り裂いた。

狼が風魔法を近くで撃とうとして来ることを見越して彼は銃口を向け躱す方に変えさせる。

 だが一直線上に避けたため銃を撃つと頭に当たりそのまま絶命した。ゲームでは絶対にない、呆気ない幕切れだった。

【レベルが上がりました】

 彼は終わって一息つくと狼のいた場所にはお金が落ちているのを見つけた。これがこの世界の通貨らしく百ミラーと書かれた小銭が八枚落ちている。どうやらお金は倉庫の中に自動的に入る訳では無いみたいで、ポッケに入っていた財布を取り出す。

「まあお金が入ってる訳ないよな。確かあいつに殆ど使って、いいところを見せるために募金した……し……って一万円が五枚ッッッ」

 彼に幸運が舞い込み彼の地球通貨は七万六千円と合わせて十二万六千円となった。財布を倉庫の中にしまい何が起きるかを彼は見ていた。

すると一度倉庫の中に入れると勝手にお金も携帯の金額の中に含まれるらしくお金の総計が増えていた。もちろんミラーという異世界のお金の欄にも八百ミラーとなっており少しリッチな気分になっていた。

これからも「イヤフォン」をよろしくお願いします。次回ステータスが書かれます。お楽しみに。

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