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日常と成長6

「暇だ、ヨーヘイなんでお父さんと遊んでくれないんだ。ロスと遊んでばっかりじゃないか」

「それは父さんが戦闘面ではてんでダメだからでしょ」

 リースの言葉を返した彼はふっ、と笑った。

「そもそも非戦闘員の二人からロス以上の戦闘員が産まれることがおかしいんだ。……あーあ折角、サーシャちゃんの家族と一緒に街に行こうって約束してたんだけどなぁ。村を守ってくれたお礼ーー」

「サーシャが行くなら早く行こう。何してんの、父さん。二歳と五ヶ月十二日の子どもを泣かせたいの。それとも母さんに告げ口していい? 父さんに泣かされたって」

 リースの言葉を遮って彼はエレッタを呼びに行く。エレッタはヨーヘイが行くなら早く行くわよ、とすぐに準備を済ませた。

 彼らはリースを置いていき村長の家へ向かう。

「そうか、ヨーヘイが行くことを決めたか。ならもう今日から行くか」

 ロスの言葉によってロスの妻、ビーズに二つの馬車を用意させ、ロス自身は家族の荷物を数分間で用意した。サーシャはすぐに彼の近くに行き左の腕に絡みついていた。

「なんで……二人とも置いていったんだぁぁぁ」

 リースが村長の家についた頃にはもうみんなが準備を終えておりそれに飛び降り乗車する形になった。男子は男子、女子は女子という分け方をしていた。村長は仕事で行けない、と嘆いていた。

「そういえばロスはリックのこと、あんな罰でいいの」

「はは、ヨーヘイ。確かにリックはやっては行けないことをした。力の過信は自分を殺すことと変わらない。でもあいつはきちんとやれば伸びる。……まあお前ほどじゃないけどな」

 ロスは彼の背中をバンバンと叩きながら呑気に答える。ロスがリックに与えた罰は村人全員に勝てるようにとした。もちろん、勝てるまでは修行をやめることは出来ない。朝五時に起き七時間の素振り、昼食後に木刀での打ち合い。それを七日間で四日間やるというものだ。人を無駄死にさせそうだったと考えれば比較的軽い罪だがそれでもロスはそれでいいのだそう。

「それにサーシャに顔向け出来たしな。それで十分、だろ?」

 彼に握り拳を突き出す。彼は同様に拳を当てコツン、と音を立てさせた。

「なーんでヨーヘイは、ロスと仲がいいんだァ」

「父さん黙って」

 うわぁぁ、と泣き出すリースを放って彼らは楽しく笑う。

 特に馬車はなにかに襲われることはなく夜までに三分の一まで来ることが出来た。

 男子は男子と言っていたが彼に関しては寝る際に女子の馬車で寝ている。男子の馬車にいるのはロスとリースだけだ。

 ずっとお父さんなのに、と騒ぐリースをロスは一晩慰めていたそうだ。

 そのころ彼は普通にサーシャたちに抱きしめられて寝ていたが。


「……ん……んぁっ」

 暑ぐるしさから朝早く目が覚めてしまった彼は、女性たちの合間を抜けて馬車の外へ出る。

「……セイナ……いつ出会えるのかな」

 彼の言葉は朝日の登り始める空に響き渡った。彼にとっては小さく呟いた程度だったがもし聞かれていたらと思って周りを注視した。

「ヨーヘイ……もう起きてるの」

「……ごめん、サーシャ。起こしちゃったか」

「ヨーヘイが腕の中にいないから勝手に目が覚めただけ。気にしちゃダメなの」

 サーシャの言葉に少しうん? と疑問感を抱いたが少し諦めた。

「ふぇ」

 彼はいきなりサーシャを手元に寄せると自分の膝に乗っけた。前に手を出してぎゅっと抱きしめながら彼は時間を過ごす。

 他の人が起きたのはそれから一時間後のことだった。それまで彼はそのままサーシャと眠っていた。

これから日常に近いのを書こうと思います。出来れば小休止のようなものにしたいです。


これからも「イヤフォン」をよろしくお願いします。出来ればブックマークや評価等もよろしくお願いします。

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