日常と成長1
彼はすぐに偽造のレベル上げも含めて偽造を使用する。彼の体に膜が張られたような感覚とともにMPの消費を確認していた。
減りが少ないのと一度一定の量を消費すると継続中のMPの減りがないことを確認してから彼は安堵する。これで偽造の継続について不安が解消された、と。
携帯で調べた限りでは偽造のレベルが四もあれば教会で調べられても本当のステータスを知られることは無い。そのため彼の目標は偽造のレベル四とすることにした。
ちなみにだが教会とは女神信者のように何かを進行する訳ではなく、ステータスを開示させるためや回復魔法を覚えるためにある。だが回復魔法に関しては多量の金額を請求されるため貴族や高レベル冒険者たちしか獲得出来ないのが現状だった。
しかし彼は気付いていないがダンジョンの敵を倒しているうちにそれを行えるだけの金額は獲得していた。
「ぶぁぶぁぶぁ」
一ヶ月も経てばMP切れの頭痛が病みつきになっていて倉庫の確認などもしていなかったが。
そんな彼はステータスの表示を少し変えてHPとMP、スキルのみを見えるようにしていた。
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ヨーヘイ
種族 人族LV1
職業 指導者LV1、剣士LV1、断罪者LV1、魔物使いLV1、勇者LV1(現在五つの職業に付けます)
HP 225 MP 2450
固有スキル 鑑定7、指揮LV4、断罪LV1、自動回復LV4、二刀流LV1、我流銃刀術LV1、空間魔法LV1
スキル 剣術10、銃術10、ステータス3、同調LV3、偽造LV5
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このようにMPの伸びは半端ではなく彼もそれを楽しみにMP切れを繰り返していた。そのうち頭痛を楽しむようになってしまい本末転倒な状態なのだが。
もちろん彼はまだ喋れるようにはなっていないが少し歩くことは出来る。というのも物攻は筋力に影響を与えるため歩くだけの筋力なら事足りていた。そのため、
「ヨーヘイ! またベッドから抜け出して……」
エレッタが彼を見つけてはベッドに戻してまた抜け出しての繰り返しをしていた。
それを楽しんでいた彼はリースに怒られるのがいつもの事となっていた。そして夜になれば偽造によってMP切れを隠し増加させていく。
生後六ヶ月を過ぎた頃、彼はある赤ん坊と出会う。
「あぶっああっ」
「はーい、サーシャちゃんが遊びにきましたよぉ」
エレッタが抱いていたのは村長から預かったサーシャ。もちろんそれに気付いた彼は何回もほっぺをぷにぷにと触っていた。
この子が大きくなったらまたハクと喧嘩するのかな、と余計なことを考えていたがサーシャと会えたことはとても嬉しかったようだ。というのもサーシャがキャッキャッと喜ぶと一緒に喜び、サーシャが変な方向に歩き始めると彼も一緒に歩き始めた。
そして彼はとても可愛らしかった。それもあってかサーシャにはとても気に入られて、彼を見た女性も少しは胸をときめかせる。彼が大きくなったらどのようになるのか。それがエレッタとリースの楽しみになっていた。
彼が一歳を迎える頃には彼は空間魔法の使い方を理解しており、バレないように時たま森に出かけていた。
「あーまたゴブリンか。もうゴブリンじゃレベルが上がらないんだよな」
彼は地図を見ずとも気配で敵の場所を知れるようになっていた。というよりも彼は前よりも強くなるためにいくらか喋れるようになった生後十ヶ月を気に戦う練習を始めた。元々空間魔法の練度を上げていたためすぐに扱い方は理解していた彼は、すぐに森の中へと行くようになっていた。それでも気付かれなかったのはーー
「あっやべやべ、部屋にエレッタ母さん入りそうだ」
地図からアラームが鳴り始めそれを止めてから部屋に転移する。
ガチャっという音とともにエレッタが覗き込むがきちんと彼はいる。数秒前に戻ってきたばっかりだが。
「あれちょっと汗臭いね」
「すっ少し腕立て伏せしてたの。百五十回くらいはできるようになったよ」
彼の言葉にエレッタは胸を抑えて喜びリースを呼ぶ。リースも喜びながら今日は赤飯だ、と叫ぶ。それを彼は暖かい目をしながら幸せに浸っていた。
と言うわけで少しずつですがヨーヘイは大きくなっていきます(どこがだ)
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