彼は魔法を覚えたい
彼が目が覚めるともう朝になっており周りには誰もいない。彼は赤ん坊だからとはいえ泣くのはかっこよくないと思い携帯を取り出した。これもいわゆる携帯依存症かと彼は思ったが手を止めはしなかった。
携帯の機能で変わった点がないことに気づくと彼はすぐに小さな時から強くなる方法を調べる。そんな中、彼が見つけたものはMPをダダ漏れにさせることによって増やす方法。ステータスのレベルが高いためHPの値へ変えることも出来るためそれをする事にした。スキルはMPを使わないため彼はすぐに使えるが、魔法というものを自身の力で使ったことがなかったためMPの放出方法がわからなかった。彼が死ぬ前に使った空間魔法もアレッサに同調をしかけアレッサのスキルを使用したため使えたもの。
そのためMP、いわば魔力の見つけ方を検索する。自分の血液や心臓にある違和感を見つけることから始めると書かれていたため彼はすぐ実行した。
最初は血液を搾り上げるような感覚で血栓のようなものを探す。しかし見つからなかったようで心臓に手を当てて探る。
「ぶぁんぶぁ」
ビンゴ、と言いたかった彼は嬉しそうにしながらそれを体に回すように動かしてみる。成功したため携帯を倉庫にしまいそれを繰り返した。数十回繰り返したあたりで彼は少しずつ頭痛に悩まされ始める。そして百回を越えた頃、
「ぶぎゃああああああ」
断末魔のような叫びをあげ彼はのた打ち回った。すぐにエレッタが駆けつけたがオロオロするばかりで何も出来ない。その後に来たリースによって彼は担がれ近くの病院に連れていかれた。
「これは魔力欠乏症ですね、いわゆるMP切れです。しっかしなんでこんな現象が」
彼らが医者のようなおばさんに言われた言葉だ。彼は携帯で最後まで見ずにやってしまったため迷わずやってしまっていた。もし知っていたらやっていなかったかもしれない。
「この子はまだ教会でステータスを開示させていないんです」
彼はその言葉に戸惑った。このステータスを見せてしまったらどうなってしまうかと。
「でも、ここら辺に教会は無いですしね。五歳頃になったら連れていこうと思います」
それに少し彼は安堵したがすぐに五歳になると思ってしまえば不安になってしまう。そのため帰ってガチャを回そうと考えた。
「一つあるとすれば小さいながらに違和感を感じて魔力を操作する子が時々います。それに気を付けて彼を見守っていてください」
医者のおばさんにそう言われエレッタとリースは頷く。すぐに家へと戻った彼らは同じ部屋に寝ることを決めたのであった。彼はその日はすぐに寝たがこのままだと行動が出来ないと考え空間魔法を使えるように努力した。
ゲーム知識やマンガなどの知識では魔法はイメージが大切だと考えた彼は炎の玉を想像しながらMPを外に出す。想像通りの炎の玉、いわゆるファイアーボールが出たがこのままだと無駄が多すぎると考えた彼は少し考えながら使うようにした。
エレッタは洗濯物を洗っていてリースは仕事に出ている。この間に魔法を覚えるしかないと考えた彼は、無駄がなるべく出ないように薄く伸ばしたホースのような紐をイメージしながらMPを放出する。さっきよりも減りは少なく頭痛がしないことに喜んだ彼は、小さなホースを丸めていくような感覚で炎の玉を作り出す。
その容量で自分にMPを纏わせステータスを弄ると、
【スキル、偽造を獲得しました】
必要そうなものが手に入り彼は安心した。だがすぐにステータスで能力を弄ると隠せることに気づいて少し悲しんだ。
早く小さい時のサーシャを出したいです(笑)
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