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初めてのダンジョン3

少し短いですが戦闘回です。

 十階層目は入ってすぐ重厚そうな扉があるだけで他に何かあるということもない。ましてや携帯の地図で見ても見えるのは扉の先にAランク後半の力を持つ魔物、ゴブリンキングがいることくらいだ。

 彼は携帯でゴブリンキングの戦い方を見て今の力で倒せるかどうか思案する。彼は仲間たちにキングは一人で倒すことといくらかの必要そうなことを教えるとそのまま仮眠に入った。HPも心もとなく、また精神的な面でも辛かった。彼らは一時間ほど眠り携帯のアラームで飛び起きた。

 地球にいた頃以来の起き方だったので彼とシンドウは懐かしさを覚えたがそれを見てハクは共感できないことに少しイラついた。

 そのイラだちを扉に向け鈍い音とともにゴブリンキングが姿を現す。

「グギャァァァァ」

 一度咆哮を上げれば沢山の眷属であるゴブリンナイトやゴブリンソルジャー、ゴブリンたちが現れ始め彼らに向かってくる。彼の直線上にいる眷属たちは袈裟斬りにし、まっすぐキングに向かう。その間、約数秒。

 しかしゴブリンキングは腰にさした剣を前に出し構えをとる。眷属たちはシンドウたちが対処している中で彼の戦いを邪魔する格下は少ない。

 ゴブリンキングはわかっていた。四人の中で一番強いのは彼だということに。SSランクといえどレベルが低ければ大して脅威にならない。だがゴブリンキングが一番驚いたことは咆哮をあげた時だ。一瞬彼は笑った。それも嘲笑に近い笑い方。彼以外は少し怯むだけで何かおかしな点はなかった。このような事が一回でもあったのだろう。だが彼はゴブリンキングの咆哮を些事たるものだと嘲笑ったのだ。それがゴブリンキングの自尊心を酷く傷つけ、また殺気を強めた。

 初撃でダメージを受けたのはやはりと言うべきかゴブリンキングだった。それもゴブリンキングの持つ剣ごと横に切られた。武器の良さだけではここまでのことは出来ないとゴブリンキングは気付き素手の攻撃に変えた。すぐに対処出来ないと踏んでの行動だったのだがそれを止めたのは細い白い紐。

 ゴブリンキングの攻撃は全て弾かれ、逆に傷だけが増えていく。焦り、では無い。もはや死という恐怖がゴブリンキングを包んでいた。そんな時に彼の近くに現れたのはゴブリンキングより少し大きい杖を持つゴブリン。

「……ゴブリンクィーンか」

 Sランクの魔物、ゴブリンクィーンだった。彼はゴブリンキングとの戦いはまるで遊びであったかのように首を切り落としゴブリンクィーンの攻撃を止める。イヤフォンの守りを崩すことは出来ないようだが彼に衝撃を襲う。

 彼は倉庫からもう一つの剣を取り出し二刀流で構えをとる。守りはほとんどイヤフォンに任せ攻撃は二刀の魔剣に任せる。

 彼の攻撃を素手で受け止められるところを見るとAランクとSランクの差を感じていると、彼の体に傷が付き始めていることに気付く。イヤフォンにおかしな点はない。

「貫通ダメージ……かな」

 ただの衝撃と侮っていた彼は自分が想像以上にダメージを食らっていたことを知る。そして彼を助ける一つのアナウンスが響く。

【固有スキル、二刀流を獲得しました】

【固有スキル、我流銃刀術を獲得しました】

 彼は水の魔剣を口にくわえ、それを持っていた手にベレッタを持つ。

 彼はよく相手を見た。おかしな点がないか、それが勝利に繋がると。そして見つけた。

「気付かれないように魔法を撃っているのか。魔法ダメージ半減があるからこの程度だったが、少し調子に乗りすぎたな」

 彼は自分自身を戒めながら杖を持つ手にベレッタを撃ち込む。瞬間距離を詰めて二刀で斬撃を加えた。

 ゴブリンクィーンは少しずつ追い詰められていく。倒せると踏んで最初に手を抜いたのがいけなかったか、と思っていたがゴブリンクィーンの本気の魔法すらもはや当たらなくなっていた。当たる時には剣できられている。普通はそんなことが出来ないはずなのにだ。そして彼は手を抜かない。一度自分を戒めたことでより隙が無くなっていた。最終的にゴブリンクィーンは彼の斬撃を受け止めることしか出来なくなりそのまま体を横に切られて絶命する。

 彼は止まないアナウンスを他所に仲間の所へ戻って行った。

「お疲れ様」

 彼はサーシャの言葉によりどっと疲れが押し寄せサーシャによしかかった。

「少しだけこのままでお願い」

 彼の数少ない甘えを見てみんな頬を染めて彼を見つめていた。一分も経たずに元に戻った彼は出てきた宝箱を開けよく見ずに倉庫に入れた。

 そしてララの待つ最下層をまた目指し始める。

スキルの獲得は本当に難しいことです。それを理解しながらそこに賭けをしていた主人公。少し戦闘狂の気質が出始めていますね。



これからも「イヤフォン」をよろしくお願いします。出来ればブックマークや評価等もよろしくお願いします。

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