初めてのダンジョン2
洞窟の中は暑くも寒くもない。これは全てがそうなのではなく火の魔物が多い場所なら暑く、氷などの魔物が多い場所なら寒いなど分かれている。
それを知っているからこそ中に入ってすぐみんなの前で携帯を彼は出した。携帯の地図でダンジョンの中を見るがキチンと把握できるようだ。敵の場所は分かれており、最短距離で階段に向かえる。
「ララは……最下層かよ。それにそこにいるのは魔族……? と吸血鬼」
彼のその一言で彼とシンドウ以外が息を呑んだ。吸血鬼という存在は昔滅んだ魔族。そして魔族から忌み嫌われた者。その二種とララがいるということは何かをされてる可能性が高い。サーシャの説明で理解した彼は即座にガチャを回す。ハクとリーナ、リコは何をやっているのか理解出来ていなかったが、一度見たことのあるシンドウとサーシャはすぐに理解していた。これで一発逆転の道具が出てくるかもしれないと。
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UR 職業進化石
SSR ミスリルグローブ
SR 水の魔剣
R 武器強化石
R 武器強化石
R 簡易食料
UR 空間魔法
SSR ミスリルの槍
N ステータス
N ステータス
SR 簡易テント
N ステータス
UR 英雄王の剣
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この日をもってURの排出率が高くなるのは切れるため彼はホッとした。最後の最後で大爆死だけは避けたかったのだろう。
彼はすぐに職業進化石で見習い勇者を勇者に変えた。また英雄王の剣を腰にさしミスリルの二つの武器をリーナとリコに渡して空間魔法をサーシャに渡す。最初何かわからなかったが頭の中で空間魔法を手に入れたと聞いた瞬間、サーシャは深々と頭を下げた。空間魔法は未だかつて一人の賢者といわれた存在が一生を賭して覚えたものだった。能力のわかりきっていない空間魔法を覚えさせてくれたことに感謝以外の気持ちはなかった。
一階上がるのに三十分も彼らは時間をかけた。というのも空間魔法の使い方、新しい武器の使い方を一番弱い階層で覚えた方がいいという判断だった。彼はそうすることで一階層目と同じく格下しかいない二階層をガンガン進んでいく。
着実にレベルを上げながら三階層目に登る階段で彼は簡易テントと簡易食料をリーナとリコに渡す。
リコは嫌だ、と騒いだがリーナは自分たちが役に立たないことを知っていたため了承した。もちろん、全員が帰ってくるように約束を立てた上で。
彼はそれを死亡フラグかと思ったがどうせなら濃くして行こうと二人に、
「……これからも一緒にいないといけないしな」
と結婚を匂わせる言葉を言う。ええ、ととてもいい返事をした二人を他所に彼は仲間とともに下の階に進んだ。サーシャとハクがとても複雑な顔をしているのを彼は見て二人にも同じことを言う。やる気の出た二人はガンガン敵を倒していくためあまり動かなくても済むようになっていた。
このダンジョンは下に二十階層まであり、あと十七階層だがすぐに格下しかいない階層はクリアしていく。
彼らと同等の力を持つ魔物が出始めたのは七階層目だった。前と同じであれば十階層ごとにボスモンスターが出てくるため、彼らは少し不安がったがすぐに気持ちを切り替え戦う。
アナウンスはいつの間にか鳴り止まず、また剣術のレベルも10まで達していた。そのためか技術面も攻撃の面も武器のおかげでオーバーキル気味だ。Aランク魔物のオークソルジャーでさえ一撃で殺していた。
だが彼らは知っていた。Sランク以上の魔物はAランク程を圧倒出来る程の力では勝てない。だからこそ冒険者のギルドランクもSから人外扱いされる。
武器だけに頼る力では勝てないと考えていないと魔族と呼ばれる存在に勝てないと。合間にある魔物がいない安全地帯で職業の入れ替えをする。
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カナクラヨウヘイ
種族 異世界人LV37
職業 指導者LV18、剣士LV36、断罪者LV7、魔物使いLV25、勇者LV7(現在五つの職業に付けます)
HP 2250 MP 1750
物攻 2230 物防 1780
魔攻 785 魔防 1780
俊敏 1750 幸運 100
固有スキル 鑑定7、指揮LV4、断罪LV1、自動回復LV4
スキル 剣術10、銃術10、ステータス3、同調LV2
称号 異世界人
他職業 見習い剣士LV30、見習い銃士LV30、銃士LV21、見習い勇者LV30、見習い冒険者LV1、見習い探索者LV1
状態 神器イヤフォン装備中(全ステータス+55%、全状態異常無効)
異世界武器ベレッタ+1装備中(物攻+86%)
英雄王の剣装備中(全ステータスに+40%、魔法ダメージ半減、仲間のステータス+15%)
従魔 ハーピィクィーン(両者に全ステータス中上昇)
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見習い勇者は下級職業扱いされるため三十で打ち止められた。だが固有職業である勇者、指導者、断罪者は上級職業扱いされステータスの上がり幅もとても高い。その分レベルの上昇も遅いが。
そして彼らは十階層目のボスの前まで着いていた。彼らがダンジョンに入って約六時間後の事だった。
予定は予定だったようです。
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