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盗賊戦2

 撃ち込んだ銃弾は二十二発、そしてそれら全てが敵に当たった。約五十後半いた盗賊は半数が鈍い音とともに消えたため酷く狼狽していた。

「狼狽えるなッッッ、たかだか銃弾が仲間を殺しただけだ。少なくとも回数に制限がある。奇襲じゃなければかわす方法なんていくらでもあるだろ」

 若い男が叫ぶ。この男こそ、盗賊の総領であった。彼はそれに気付いていたからこそ後に回した。ほかの人たちは総領の言葉でも同様を抑えることが出来ず、二十から十へと数を減らしていく。彼も彼で銃弾の心配をしていなかったため残り四百ほどになっていた。

 だが有象無象の集団を殺すには手で十分だった。総領は確かにステータスが高く真っ向から戦えば負けるだろう。

「なんで、そんな攻撃……」

 彼の剣を受け止めた総領の剣であったが横から飛んでくる剣には反応が遅れた。綺麗な一文字が横腹に出来た総領はすぐに回復魔法をかける。だが間に合わない。

「チッ、外すか。お前異世界人か?」

 彼は総領に聞く。銃弾と言ったあたりその可能性があると考えたためだ。

「だから、なんだよ」

 総領はそれを気にもとめず攻撃を加える。彼は鑑定を使っても総領の種族を見ることは出来ない。仕方ない、と感じた彼は銃を撃ち込み剣で切り上げた。その前の攻撃で疲れきっていた総領にかわせるほどの体力はなくそのまま崩れ落ちた。

 彼は容赦なく銃弾を頭に二発撃ち込み総領を殺す。そうして彼は総領の種族を見て確信した。

「やっぱり、外れ勇者は多いか」

 ある程度彼はそれを考えていたが証拠がなかった。そのため気にも止めていなかったがそれでも彼は少し悲しく感じた。それは同郷の人を殺してしまったということへの罪悪感も少しはあったのかもしれない。そんな時だった。

【条件クリア】

【勇者であるワタナベマコトの固有スキル自動回復を獲得しました】

【固有職業、断罪者を獲得しました】

【レベルが上がりました】

 アナウンスが響き彼はそれを合図に盗賊たちの首を倉庫にしまった。その後、重い足取りで村へと戻る。

「英雄様のご帰還だ」

 村の人々が彼の帰還を喜んだ。彼に気付いたサーシャはすぐに彼の手を取り中央へ向かう。中央に縄で縛られ宙吊りにされていたのはリックだ。

「お前のせいで……お前のせいでぇぇぇ」

 リックはただそう叫び皆の前で首をはねられた。そこに残る彼の顔は憎悪そのものを表しそのまま村人の火魔法で燃やされた。

「この首も頼む」

 彼は盗賊たちの首をそこに置き燃やされるのを待った。数度コクコクと頷く村人はすぐに詠唱を始め放った。威力の無い炎が彼の心を癒しこれから何をするかを決めた。

 炎の流れは王国の王都へ向いておりそこにセイナはいる。彼は手を握り締めてからシンドウを探した。もちろんサーシャの手を繋ぎながらだ。

 シンドウも彼を探していたため出会うのは時間がかからなかった。

「シンドウ、いきなりだが俺は明日ここを出ようと思う」

 シンドウは驚く気配がしない。サーシャはとても驚いていたがすぐに彼の手を強く握る。彼はそれに心強さを感じて家へと戻った。

 彼は手紙を書き狩りなどで手に入ったお金をいくらか入れる。それをサーシャに渡してすぐに彼はベッドの中へとくるまった。シンドウは外でいいということで彼のベッドの横で毛布にくるまりながら仮眠をとる。日差しを感じるまで彼らは一度も目を覚ますことは無かった。


「早く助けに来て」

 そんな彼女の声が彼の脳を覚醒させる。シンドウには聞こえていないらしくうっすらと目を開けていた状態から見開かれた時にはシンドウは後に引いていた。

「……セイナ」

 声が漏れ彼は泣き出す。シンドウはおろおろとし始め、次第に彼の背中をさすり始める。彼は少しの間泣き続けすぐに嗚咽とともに心を落ち着かせる。

 ーーわかっている、今から助けに行くーー

 彼はそう決意して銃を手に持ちシンドウの前に突き出す。シンドウはそれを見て微笑み拳を前に突き出した。重なり合う拳と銃がガツンと音を鳴らすとそのまま外に出た。

「手紙は渡したよ、またここに来てほしいって言ってた。それに魔剣をありがとうってマーブルさんが」

「構わないさ、その分サーシャが一緒に来てくれるのだから」

 彼は薄く笑いサーシャを安堵させる。サーシャはそうだね、と彼の頬をつつき彼の横を歩きそのまま街を出た。

 彼は携帯を片手に方向を確認してマッピングを行う。ゲームでは自分で地図を書くことも多かったためか難しいとは思っていないようだ。

 途中で現れたゴブリンなどはシンドウに任せ出来るだけ敵の少ない道を探す。だからこそ敵は今まで五体ほど、それに弱いものとしか出くわすことは無い。

 シンドウは自分の力を知ることが出来、そして彼に教えを乞うた。彼も少し前に戦いを始めたので強くはなかったが自分ならこうするという話をしてシンドウを納得させた。

 約二日かかるはずの移動を彼らは最短距離などを活用して反日とちょっとで次の目的地に着いた。


ちなみに主人公のベレッタは魔道具と呼ばれいて、普通は固定ダメージですがステータスの数パーセントを上げるものへと変わっています。売るとすれば炎の魔剣とは比べ物になりません。

後、自動回復についてですがリジェネ効果と回復魔法の効果を強めると考えてもらえるとありがたいです。すぐに魔法を撃てるようになるとかではありません。補助がメインの能力です。


これからも「イヤフォン」をよろしくお願いします。

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