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プロローグ
高校入学を間近に控えた三月
「さてと、じゃあ行ってくるわね」
「留守番頼んだぞ、渚」
「うん、行ってらっしゃい。父さん、母さん」
少し年を取っているが若々しい男女がそう言うと
渚と呼ばれた、少年は快くそう答えた
「まさか家の子が小説家になるなんてねぇ」
「全くだ。しかもベストセラー作家ときた。
両親にこんな旅行をプレゼントしてくれるなんて
青山空先生に感謝だな。ハッハッハッ」
「本当ね。ありがとう、青山先生。フフッ」
「もう、その呼び方やめてってば、恥ずかしいよ
ほら、早くいかないと飛行機に乗り遅れるよ」
「おっと、そうだな渚で遊ぶのもやめてそろそろ行くか、母さん」
「フフッそうね、行きましょうお父さん」
「行ってらっしゃい、楽しんできてね」
「言われなくてもそのつもりよ。ね、お父さん」
「あぁ、渚おあまりハメを外しすぎるなよ?」
「うん、解ってるよ。父さん、母さん」
「じゃあ、行ってくる」
そう言って両親は家を出た
その時は、それが、両親を見た最後の姿になるなんて
僕は知らなかった
出来るだけ週一ペースで更新して行きたいと思います。