5-13改
ミッション【2】
スカートがまくれて〝縞パン〟が見えてしまっている女子生徒を〝何とかしろ〟!
――カシャカシャカシャ!
「……カシャ??? ――あれ? えっ!? 〝変態〟!!? アンタ、そこで何を……!!」
「いいからこれを見てください! あなたは今、〝大変〟なことになっているんですよ!」
ボクはそのまま〝縞パン〟にスマホを渡した。すると、「え? 〝大変〟なこと……???」と首を傾げていた〝縞パン〟は、刹那、真紅に顔を染めて驚いた。
それを確認してからボクは改めて話す。
「危ないところでしたね、先輩……もう少しボクが気づくのが遅かったら今頃あなたは――」
「死いいいぃぃぃぃぃねえええぇぇぇぇぇ〝変態〟ぃぃぃッッッ!!!!!!!!!!」
ぐっしゃゃぁあああああああ!!!!!!
――次の瞬間だった。
ボクの顔面目がけて飛んできたのは、〝縞パン〟の〝膝〟だった。
……どうやら〝縞パン〟は陸上部の高跳びの選手か何かだったらしい。
鍛えぬかれたその美しい筋肉のバネによって、真っ直ぐに、正確に、打ち貫かれたボクの顔面……そこからはもはや痛みなどは感じることはなく、ただ〝殺られた〟という事実のみを、淡々とボクの薄れ行く意識に刻みつけていった。
ドサアッッ! ……そして、ボクは倒れた――しかし! まだ〝終わりではなかった〟!!
「――この〝変態〟っっ!! 〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟〝変態〟ぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃいいいいいっっッッッ!!!!!!!!!!」
――計〝三十二回〟。
〝変態〟の二文字を叫び続けながら〝縞パン〟が行った行動は、〝踏みつけ(スタンプ)〟だった。
……そして、もう一度言っておこう。〝縞パン〟はおそらく、陸上部の人間である。……いや、仮に違ったとしても、だ……その鍛え抜かれた美しい脚で行われる〝踏みつけ〟は、まさに〝人を殺せる〟攻撃方法だった。
〝絶命〟――後、それを確認した〝縞パン〟は、まずはスカートを直し、続いてボクのスマホを操作し……おそらくは写真を削除しているのだろう。しきりに指を動かしていた。
そして、それが終わった後、
――ポイッ。
〝縞パン〟はボクのスマホを窓から――
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!! ホ゛ク゛ノ゛ス゛マ゛ボォォォォッッ!!!!!」
ふんっ! 屍と化したボクを見て、それを鼻で笑いながら、〝縞パン〟は言い放った。
「――壊されなかっただけマシと思いなさい! つか、今度こんなことやったら〝豚箱〟にブチ込んでやるっ!!!」
……〝豚箱〟じゃなくて、〝棺桶〟の間違いなんじゃ…………。
そんなことを考えるボクを完全に無視し、〝縞パン〟は去って行った。




