3-18改 三話目終わり。
「――ご、ごめんね、鏡ちゃん……その……〝怖かった〟でしょ?」
――場所は変わらず、校庭。
ようやく〝殺気〟も収納され、いつもの大人し…くはないな。――ともかく、いつもどおりの状態に戻ったお姉ちゃんは、それから深々と頭を下げた。
「いや! いいっスよ! あたし! 全然気にしてないんで!」
……と、言いつつも、ようやく姿が見えるかな~? という、遠い場所から返事をした鏡さんは、決して木の陰から身体を出そうとはしなかった。
……どうやら、相当に〝怖かった〟らしい。まぁ、お姉ちゃんの〝アレ〟を見た後じゃ、仕方ないけどね?
あはは、と苦笑いしたボクは、それから改めて……一応、お姉ちゃんに最後の〝確認〟を取った。
「ところでお姉ちゃん? 部活の件についてなんだけど……正式に〝入部してくれる〟、ってことでいいんだよね?」
「あ、うん! それはもちろんだよ!」
お姉ちゃんは満面の笑顔で答えた。
「部活の名前の理由にもちゃんと納得ができたし、それに、何よりも……このコたちにものすごく迷惑をかけちゃったからね。お姉ちゃん、その分しっかり部活のために働いて、たいちゃんが〝変態〟から抜け出せるようにガンバルから!」
えへへ~☆ と先ほどまでのことがウソのようだ。お姉ちゃんはまるで子どものように、えいえいおー! と無邪気に腕を振り上げていた。
「――ま、何はともあれだ、泰介」
と、そんなボクたちのやり取りを見ていた甲呀が話した。
「これで残る部活発足の条件はただ一つ……〝顧問〟の教師を見つけることだけだ。――今日はこれで解散とするが……来週からは忙しくなるぞ。覚悟しておけ」
「ああ! もちろんだよ! ドンとこい!」
――ボクは、必ずこの部活を完成させ、そして〝変態〟から〝変態〟してやる!!
――そう、固く心に誓ったボクの……いや、ボク〝たち〟の長い週末は、沈みゆく夕日と共に、静かに眠りへとついていった。
……ちなみに、
「――桜花~。ほら、もうだいじょうぶだよ~。怖がってないで出ておいで~」
「あああ、あい、あい、あい、り……!! あた! あたた、し……!!」
――この日、結局鏡さんは、自力では木の陰から出てこれなかったそうだ。
……ごめんね、鏡さん?