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おまけ #2

 このおまけは、二話までを全て読み終わった後に読んでいただくことを強くお勧めいたします!

 また、2-16改と見比べながら読んでいただくと、より楽しんでいただけるかな? と思います!




 「――おい、〝変態〟」

 と、その時だった。――すでに公園から出ていた鏡さんが肩越しに話しかけてきたのだ。

 「あたしは好きにしろ、とは言ったが、〝許す〟、とは一言も言ってないからな? あたしに許してほしかったら、そうだな……この先に〝ウマイ店〟があるんだ。そこで〝愛梨の分〟も含めて、お前に全額おごってもらおうか? ……構わねーよな?」

 「……だ、そうですよ? どうします、泰介さん?」

 「……はは、分かったよ……ただしボク、今三千円しか、持ってないからね? それ以上は、勘弁してよね……?」

 「そんだけありゃあ上等だ。ただし、お前は水だけな! その分あたしと愛梨が食うから!」

 よっこいしょ……ボクを立ち上がらせてくれた愛梨さんは、それから「水だけはさすがにヒドイよ~。せめてドリンクバーくらいはつけてあげようよ~」と鏡さんに抗議してくれていた。

 ……何にしても、だ……これで、ようやくボクは〝明日〟に向かって生きて行ける、というわけか……やれやれ、まったく……こんなにも一日が長く感じたのは、生まれて初めてだよ。

 でも……今日は何だか、すっごい〝幸せな気分〟だな……。

 そんなことを思いながらも、ボクは愛梨さんに支えられながら、鏡さんの後を――

 「――あ、そうだ……愛梨さん?」

 と、ふと、思い出したボクは、愛梨さんに話しかけた。

 「――何だ、泰介?」

 いや、実はね…………。

 ……。

 ……。

 ……。

 ………………ん!?!

 ボクはもう一度……〝アイリサン〟に話しかけてみた。

 「……ねぇ、〝アイリサン〟? ちょっと、いい?」

 「だから何だ、泰介?」

 ……。

 ……。

 ……。

 「――あ」

 声を漏らしたアイリサンは、どこからかメガネを取り出してかけ、くい、とそれを中指で直した。

 そして……

 「……ふっ、やるな、泰介。この俺の〝変装〟を見破るとは……まぁいい。このままゴチにならせてもらうから、会計はよろしくな?」

 「……」


 いいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!



 ――その後、他人を信じられなくなったボクの行方を知る者は、誰もいなかった……。






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