4.用法と用量
あのマッチョメンを倒した数分後、何故こんなことになったかを話し合っていた。
「要訳すると、寝てたら私が襲われているのを発見し、こっちに飛んできたから止むを得ず助けたと、つまりはそういうことですね。」
みもふたもない言い方で金髪のロリ体型な魔女っ娘|(プレイヤーネームは<<シラナギ>>というらしい)は俺の話を要訳してくれていた。
「み、みもふたもないな…」
「女性を助けるのにあれこれ考えてほったらかしにしていたわけですし、それはしょうがねぇのでは?」
「うっ…」
紅い少しつり上がった瞳をジト目にして見てくるシラナギ。
…その通り過ぎて何も言い返せない俺がここにいます。
「しゃぁねぇですから今回は許してやりましょうです。…最後はちゃんと助けてもらいましたし」
そこまで言って何かを思い出したのか、少し悩むような顔をして聞いてきた。
「そういえば、どうやってあの筋肉倒したんですか?レベル1じゃ勝てなかったと思うんですが…」
「ま、まあ、今はそれは置いといて、この後どうするかを考えよう、そうしよう!」
自分でも強引だと思うし、これで追及を逃れられるわけはないのだが、人との触れ合いを避けまくってきた俺には、これが限界である。
「…要するに、答えたくないんですね。」
またしてもジト目である。
ある特殊な人には、むしろご褒美と言わしめるジト目ですが、ちょっとした女性恐怖症の俺には正直マジで怖い…
ゾクゾクきたのはきっと気のせいだ。間違いない。
「それで、この後、如何すんの?」
もうこのまま強引路線で行こうと思います。
「はぁ、もういいですよ。このまま町に帰っても、さっきの筋肉にまた目をつけられそうなのでリュートさんと居ようと思うのですが…駄目ですか?」
さっきまでのジト目とは打って変わり、上目遣いに見つめてくるシラナギ。
シラナギさん、それは卑怯だと思います…なんと巧みな飴と鞭、一般男性にはその攻撃に抗う手段はありません。
やめて、俺のライフはもうゼロよ!?
「うぅ…わかったよ。ほかに二人ほど来るけどそれでいいなら」
「えっ!?友達いるんですか!?」
すごく意外そうに言われた…
リュートは精神的に9999のダメージを受けた
目の前が真っ暗になった…
「ちょっ!?そこまで深刻なことなんですか!?」
「初対面の人に『お前友達いねーだろ』って言われたようなものだよ?」
「…ごめんなさい」
シラナギ ハ 心からの謝罪 ヲ ツカッタ
「…ぐはっ!!」
会心の一撃 リュートは 息絶えた…
優しさは人を傷つけることがあります。
用法用量を守って正しく使いましょう。
誰か、感想をください…
質問とかでもいいので…
割と切実です。