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<<Chrono Drive Online>>(仮)  作者: Wizadm
2Chapter//VR Research Club
25/26

12.夜明けの裏側

システムが…未だに起動しない。

システム自体はもう完成しているというのに…起動しない。

そのことに、俺は苛立ちを隠せないでいた。


「駄目ッスよ、先輩?気持ちは分かりますけど、そんなイライラしてたらお肌に悪いッスよ~?」


こいつの軽口も、いい加減に慣れてきた。

仕事中ずっとこれだ…仲間でもなきゃ殺してる。

今なら、軽く何言われても切れない自信があるぞ。


「うっせ。いいから仕事しろ。ゲームばっかしやがって…そんなにおもしれーか?」

「あっれ~?先輩は興味ないんじゃありませんでした?」


何が面白いのか、ウルズはケラケラと笑い出しやがった。

胸糞悪い奴だ…


「…場合によっちゃ、仕事中のゲームを認めてやるぞ?」

「なん…だと…!?お前、実は先輩じゃないな!うちの先輩はな!こんなに優しくねぇんだよ!もっと後輩使いが荒いんだよ!下手なモノマネしやg『パンッ!』…」

「おっと、悪いな。拳銃が勝手に…」

「いっやだな~、もう。先輩なら先輩だって先に言ってくれないと…あははは、先輩マジリスペクトッス!」


終始こんな感じで、ウザイったりゃありゃしねぇ。


「またウルズを虐めているの、スクルド?」

「ん?あぁヴェルか…」


聞きなれた女性の声に、振り向くことなく人物を当てて見せる。

今この研究所には、女性なんてこいつしかいないのだから簡単だ。


「それで?」

「ん?」

「起動したの?」

「いや、ウルズのやつがチンタラやってやがるからな」

「えぇ!?俺のせいッスか?全部俺のせいッスか!?」


狼狽えだすウルズに「そうだ」と断言してやると、まるで泥沼にでも沈んでいるかの様に沈み込んでいった。

ざまぁみろ。


「ウルズ?このゲーム面白いの?」


流石に可哀想に思ったのか、ヴェルがウルズに話題を振ってやっている。


「…面白いッスよ。自分が仕事サボるぐらいには。まずですね――」


すると、ケロッとした態度でゲームの説明を始めるウルズ。

反省の色はないのか、お前には…


「「…反省してろ(なさい)」」


余程効いたのか、さっきより沈み込んでいった。

…ま、サボってたのは俺もなんだけどな。

それも、件のChrono Drive Onlineで。


「仕方ねぇな…、仕事が行き詰ったときはゲームしてもいいから、さっさと起動させろや?な?」

「ほ、ホントッスか!?俄然やる気が出てきたッスよ!!」


…ちょろいな。

しっかし、何なんだあのゲームは…イベントの難易度がおかし過ぎるだろ。

深水1m強であの難易度って、ゲームクリアさせる気がないとしか思えねぇぞ。

実際、運営のリソースをパクって潜水服を作らなけりゃ、ボス部屋にまで行けなかったしな。

しかも、パクれたリソースが近くの海底洞窟だけってなったときは、キレかけたぞ。


「…そこまでやっといてボスに勝てないとか。気が付いたら死んでたとか、シャレにならねぇっての!」


はぁ、アレ誰かクリアすんのかねぇ…

一人で黄昏てると、コツコツと靴の音が近づいてきた。


「…なんか用か?」


おそらく、ヴェルだろう。

めんどくさいので座り込んだままで相手をする。


「ええ、システムが起動したわ」

「――なん、だと?す、直ぐに行く」


滅茶苦茶大事なことをサラリと流してくれちゃってまぁ…

そういや、ヴェルは初めて会った時からこんなだったな。


それにしても、だ。システムが起動しただと?ウルズの野郎、やっぱ手ぇ抜いてやがったな!

もうぜっってぇゲームなんてさせてやらん。覚悟してやがれ。


「おい、ウルズ!!」

「あ。先輩聞いてくださいよ!システムが突然動き出したんッス。理由とか全然わからないんスけど…」


いきなりの対応に毒気を抜かれてしまう。


「あ、ああ?それはどういうことなんだ?お前が起動させたんじゃないのか?」

「い、いえ、それがッスね――」


ウルズのやつが言うには、俺に激励された後、直ぐに作業を再開したが、やっぱり何も起きず、うんともすんとも言わなかったらしい。

しかし、またゲームを始めようとしたときに、急に画面にフェーズを移行する旨が表示されたらしい。


「ふぅ、これでやっと計画は実行段階に移れるわね」

「長かったッスね。でもこれで問題も解決。遂にッスね…」

「ああ、プロジェクトC.D.起動だ」






その日、

何の予兆も、

妨害も、

布告もなく。


彼らは、

世界を揺るがす

大きな事件の開幕を


宣言した。


Xデーまで、あと2日――



2Chapter//VR Research Club・完

ラジオ≪C・D・O≫!


リュ「お久しぶりです!司会のリュートと」

シラ「同じく司会のシラナギです!」

リュ「あれ、シラナギ今日は元気いいね?」

シラ「それはまぁ、ここしばらく出番があるですし、イベントもやっとこさクリアしたですし、いいことばっかりですから!」

リュ「それはよかったね」

シラ「はいです!」

リュ「では、その調子で頑張っていきましょう。お題はコチラ」


~結局、キャラクター人気投票はどうなったのか~


リュ「あぁ、これか…」

シラ「もちろん私の圧勝に決まって――」


ごめん。票数が少なすぎてアンケートになってない。

せめて、全部で10票はないと…

なので、明日のお昼12時まで延長します。

尚、投票は感想か、活動報告のコメントにお願いします。


シラ「そ、そんな…せっかくこの機に乗じて主役の座を手にしようというのに…」

リュ「そんな計画立ててたのか…」

シラ「と、取りあえず、今ここを読んでいる人。私に入れるです!私ですからね!」

リュ「少し落ち着きなって…コホン、それでは皆さん」



リュ・シラ「「投票お待ちしてます!!」」



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