5.人はテンパるとまともな思考ができなくなる生き物である。
「それじゃ、開けるよ?」
コクコクと残りのみんなが賛同を示す。
あのままでは誰も入ろうとしないので、部室に入り部長と話をする人物をジャンケンで決めた。
くそぅ、あそこでチョキを出していれば…と後悔が駆け巡る。
まぁ今更何を言っても遅いのだから、しっかりしないとな。
そんなことを思いつつ、扉を開ける。
「失礼します…」
出来るだけ静かに入室すると、やはり部室の内部は暗く詳細は不明だった。
やっぱり、中に入らないとダメか…
少し憂鬱になりつつも中へと歩を進める。
取り敢えずの目標はこの部屋の電源だ。
このまま進むのは危険すぎる。
しかし、しばらく進むとすすり泣く様な声が聞こえる。
「ウゥ…別に、あそこまで…グスッ…拒絶し、なく、ても…」
あぁ、うん。
厨二病抜けると普通だね。
電気、点け難いなぁ…
「えぇと、この辺かな…イテッ!」
壮絶な物音と共にこけて顔を打ち付けた。
「!?誰…?誰かいるの…?」
やばいな、バレた…
余計に電気が点け難くなっちゃたな…
「へ、返事してよう…誰か、いるんだよね…?」
本当にどうすれば!
「うぇえぇぇぇ…怖いよぅ…電気何処ぉ…」
ついに泣き出しちゃったよ…
これ、会長に殺されないよね?
取り合えず、立ち上がるろう。
壁に手をつき、起き上がる。
パチンッ
「…は?」
電気がついた…何故だ?
壁についた手の下に何か違和感を感じる。
「まさかの自爆、だと…!?」
どうする、どうすれば、どうするとき、どうしろと!?
自分でも分かるくらいにテンパッて、支離滅裂な思考になってしまっている。
(そ、そうだ!これなら…いける!)
こういうときの思考回路がまともな答えを導き出せるわけがないが、それすらも分からないほどに焦っていたんだと思う。
「ふ、フゥーハッハッハ!どうだ驚いただろう!」
「…えぅ?」
「…ん?まさか泣いているのか?お前ともあろう者が」
そう、このとき考えた作戦とは…
「ふ、フッ…そ、そんなわけがないだろう?この我、が、な、泣いているなど」
「そうだろうそうだろう。今回のことは、全てこの俺がお前を試す為にやったことだったのだからな!」
自己の厨二病の発症による仲間意識の発生だ。
分かりやすく言えば、自分から厨二病に発症して理解があると示し仲良くなろうというもの。
一言で言えば、諸刃の剣。
「なっ!?我を試すだと?貴様、いい度胸だな…我が配下に加えてやってもよいぞ?」
「ふ、貴様にはその程度の度量しかないのか?ならば、俺は帰るが」
「え、や…う、そ、それなら…その、我のソウルメイトにしてやってもよいぞ…?」
「ふむ、魂の友か?ならば、俺と貴様はこれより魂によって繋がれた友だ!」
「そうだな。よろしく頼むぞ」
「「フゥーハッハッハッ!」」
その後入ってきたみんなにドン引かれたのは言うまでもない。




