4.部活動初日の顔合わせ
少し手直ししました。
主に加筆しただけですが…
ゆらゆらとカーテンの間から零れ落ちる朝日に俺は目を強く瞑る。
いつもなら、朝日が差し込んで来たら目を開けるか、もう諦めて起き上がるかするのだが、今回はしない。
何故かと言えば後数時間は寝ていたいから。
もっと言えば、夏休みだから。
部活に入っていない俺は家でゴロゴロしていいんだと、自分の克己心を説き伏せる。
そう思って心地の良い二度寝に頭が移行しようとして、目覚ましのけたたましい音と共に体が跳ね起きた。
「やばい!そう言えば昨日、部活入ったんだった」
ついと言うか、すっかりと言うか…忘れていた。
かけた覚えのない目覚ましが鳴ってくれて助かったと、ベットと机以外に特に何もない部屋で鳴りつづける目覚まし時計に感謝の念を送り、部屋を出た。
そのまま家を出ようとして、階段を降りきったとき、居間の方からテレビの音が聞こえてきているのに気づいた。
気になって見に行ってみれば、居間には誰もいないのにテレビだけがついている。
内容はどうやらニュース番組の様で、最近見つかった海底遺跡についての特番をやっていた。
「おいおい、朝っぱらからテレビつけっ放しで放置するなんて、家計に優しくないなあ」
言いつつ、冷蔵庫からよく冷えた麦茶を取り出して、ニュースの続きを見る。
よく考えれば時間も結構余裕があるし、水分も取らずに出かけて熱中症で倒れでもしたら目も当てられない…
『――なんですよ。 それでですね?今回この遺跡が注目されているのはですね。 今まで何も無かった場所に突然現れた可能性があるからなんですよ。 これは1月前に撮られた、遺跡のある場所の写真なんですが…遺跡なんて影も形も無いんですよ。 なのに、あの遺跡は今こうしてあそこにあるんです。 いったいどういう目的で作られたのか…一部のマニアの人達なんか前文明のオーバーテクノロジーなんじゃないかって噂しているらしいですし』
男性キャスターが2枚の写真を指差しながら説明をしている。
前文明のオーバーテクノロジーねぇ…眉唾な。
どうせ何時ものUFOなノリのやらせだろう?麦茶を啜るっていると、そんな批判が横切ったが、それでもその手の話題には夢がある。
俺は案外好きだ。
『へぇ…そんなこともあるものなんですか?』
『いえ、やはり常識的に有り得ないですよ。 何かがあったならその痕跡は嫌でも何か残るのが普通なんです。 なのにこの遺跡はこの場所にそれまで無かったという事しか分からないんです。 でもだからと言って誰かがそこに造ったって言うのはもっと暴論な気もしますし、今後の調査に期待ですね』
ニュースの終わりと共に麦茶がなくなってしまった。
さすがにこれ以上は時間がキツキツになってしまうので、根を張ったかのように重くなった腰を上げる。
「さて、行くかな…」
健康的な朝日がちょっと過剰に降り注ぐ中を行くのはつらいが…
今日から部活だしな、初日から遅れるのは避けたい。
そんなことを思って玄関に出たときだ。
「ん?あれ、兄貴今日もどっか行くの?珍しいね…二日続けて外出なんて」
「まあ、部活だからな」
妹の光瑠が声をかけてきた。
無難に答えておこうと部活と言ったが、彼女は心底驚いた顔をしている。
「天変地異の前触れじゃなきゃいいんだけど…」
相変わらずひどい言われようである。
まあ俺としても、逆にここで何も無いようならそれこそ天変地異の前触れだと思う。
「それじゃ、行ってきます」
「…行ってらっしゃい」
天変地異…起こるかもしれないな。
挨拶を返してくれた妹に対して、失礼なことを思う俺であった。
天戯学園 C棟 生徒会室
「予定の時間より少し早くついちゃったな」
時計を確認しつつ、生徒会室の扉を3回ノックして開ける。
こういうときのノック3回は鉄則だ。
多すぎても少なすぎてもダメなのだ。
「失礼します」
「ん?君か。今日は随分早いんだね」
生徒会長はもっとはやいんですね。
2人はまだか…
「じゃあ、2人を待ちまs「失礼しまあぁぁあぁぁぁぁす!」…コイツは本当に、もう」
野生の友輔が飛び出してきた。
たたかう ←
どうぐ
にげる
たたかう
どうぐ ←
にげる
たたかう
どうぐ ←
お財布
携帯 ←
ペン
にげる
影斗は携帯を使った。
影斗のメール。
影斗は愛理にメールを送った。
「これで大丈夫だろ」
数秒もせずに友輔の携帯がなった。
どうやらメールのようだ。
「あ、愛理からだ。なんだ?」
見た途端に、友輔は血を吐いて沈んだ…
頼んだのは確かに俺だけど、もの凄い罪悪感でいっぱいになってしまった。
今度何かおごろう。
「琴美君?彼は大丈夫なのかい?見たところ吐血して倒れたが…」
「大丈夫ですよ。すぐ戻りますから」
「そうかい?なら後は風音君だけなのだが」
「愛理ならそこで写真撮ってますよ?」
こんな面白い場面にいない訳が無いと思っていたら、案の定近くまで来ていたらしく、吐血した友輔の写真を撮っていた。
学内のファンなんかに売りつけるらしい。
買うヤツいるのか?吐血写真。
「ふふっ…そうかね。では、部室に案内しよう。こっちだ付いてきてもらえるかな」
いい加減、友輔も元に戻ったのでさっさと行くことにした。
しばらく歩くと、目に見えて校舎の雰囲気が変わってきた。
どうやらいつの間にかC棟からE棟へ移動していたらしい。
確かE棟は、化学や工学、プログラミングなどの理系学部の施設だったはずだ。
VR研究部とやらは、結構本格的な部らしい。
「ここが、君らに使ってもらう予定の部室だ。部長はもう中で待って…いるといいな。あの子の事だから先に1人で機械弄りしているかもしれないけれど、仲良くしてやってくれ」
「は、はあ、どんな子なんですか?」
取り合えず、これから自分達の部活の部長になるであろう人物の情報を少しでも聞こうと思い聞いてみた。
すると、会長は言い辛そうに目をそらした。
「…この学校に来る優秀な人物はな、みんな何処かおかしいんだ。覚えておくと良い」
「え?」
そして、それだけ言うとさっさと扉を開けてしまった。
だが変だ。何かがおかしい…
扉の中には部屋があるはずだろう…
なのに、なのになんで…
「なんで、暗がりで光る魔方陣にたたずむゴシック少女が見えるんだ…」
「フ、ようこそ。我が研究所へ」
ガッタァーン!!と扉が閉まった。
閉めたのはどうやら会長のようだ。
うつむき扉を閉めたままの状態で停止している。
「「「「………。」」」」
「私は帰るから、後はよろしく頼む」
「ちょ、ちょっと!ボク達を置いていく気かい!?」
「だ、大丈夫だよ君たちなら…多分」
「せめて目を逸らさずに言ってくださいよ」
さすがに、何の説明も無しにあそこに放って行くのはひどいと思う。
「わかった、わかったよ。私もいるよ…」
諦めた会長の説明とさっきの状況をかんがみてわかったことはつまり、俺達の部の部長は現役厨二病だったわけだ。
まともな知り合いがほしい…割と真剣に。
ラジオ≪C・D・O≫!
リュ「はい!再び始まってしまいました。ラジオ≪C・D・O≫!MCはワタクシことリュート(影斗)と」
シラ「…」
リュ「あれ?シラナギ?どうかしたの?せっかくの出番なのに、珍しいね?」
シラ「…うるせぇです。主人公にはこの悩みはわからねぇんですよ」
リュ「俺、何か気に触ることでもしましたか?」
シラ「強いて言うなら出番がなくならないことです」
リュ「そればっかりは俺に言われても…」
シラ「こうなったら作者の野郎に直談判です!」
と、言うわけで、キャラクターの人気投票を開催します!
別にどのキャラクターに入れてもいいのでご投票くださいね?
そして、見事1位に輝いたキャラには副賞としてサイドストーリー枠をプレゼントしちゃいます!奮ってご参加ください。
期間は、2章の10話が投稿された日の23時59分までとします。
シラ「フッフッフ…、私の勝ちは決まったようなもんです!主人公なんかは負けて吠え面かけばいいのですよ!」
リュ「なんか、段々風理(愛理)に似てきたなシラナギ…」




