2.地雷職のち、死にスキルときどきカフェ
「VR研究部…ですか」
「正確にはまだ部ではないんだがね」
VR研究部か、俺は入っても良いんだけどな…
2人はどうするんだろう?
「どうだろう入ってもらえないだろうか?」
う、上目遣いだとっ!?
いや、二人と相談をしてからだ。
「すいません、2人に相d「はい!むしろこちらからお願いしますです!!」…ん、を」
友輔お前というやつは…
なら、愛理に相談を
「…うは死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね巨乳は死ね雄介も死ね巨乳は死ね巨ny…」
何これ怖い
「それで、入ってくれるのかね?」
この後、結局というか何というか気が付くと三人ともVR研究部に入ることになっていた。
活動は明日からということらしい。
その日の午後 王都・ユグドラシル
「さて、今日はどうしようかな」
俺は、職人街をぼやきながら歩いていた。
なにしろ今日はあの三人がいない。
まあ要するにソロである。
じゃあ、誰かに頼めよとか言う人もいるかもしれないが、残念ながらそれは無理だ。
別にコミュ障だからとかそんなんじゃない。
椅子にでも座って回想しよう。
実は、リニューアルから数日後あるスレッドが立った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これはヒドイ!な地雷まとめスレ
1名前:名も無き地雷発見器 投稿日:XX/05/22 18:27:00 ID:********
このスレは、<<CDO>>の地雷職または、スキルの専用スレです
2名前:名も無き地雷発見器 投稿日:XX/05/22 18:30:34 ID:********
死にスキルでも良いなら
◆泳ぎ 現状泳ぐ場所が発見されず、どう頑張っても無理
広場の噴水ですら不可でした
◆薬師 薬は作ることは可能
しかし、容器が作れない
◆罠師 現地でしか作成できない
作成に時間がかかりすぎ、作成中に襲われて死ぬ
◆クロノドライブ こればっかりは、今まで発動させた人を見たことが無い
確認したのはこのぐらい
3名前:名も無き地雷発見器 投稿日:XX/05/22 18:31:57 ID:********
噴水ェ…
よくそんな恥ずかしいこと出来るな
すごいよお前…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
など、こんな感じで進んでいくのだが…
問題はこの後だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
23名前:名も無き地雷発見器 投稿日:XX/05/22 19:02;45 ID:********
意外と地雷も死にスキルも多いんだな
駄菓子菓子、エンチャンターより地雷な存在が無いことを俺は断言しよう
あれは本当に使い物にならない
支援魔法はエンハンサーの方が効果が高いくせにMPの消費が五倍ぐらいある
唯一使えるのがバインドくらい
攻撃魔法など無いので相手を動けなくして撲殺するぐらいしか出来ない
あんな不遇職なかなか無いと思う
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これが乗ってからあの三人以外誰も相手にしてくれなくなった。
確かに間違ってないけど!!
その内真価を発揮するかもしれないじゃないか!
これだから最近の若者は短気だとか言われるんだ。
…もうやめよう。
虚しくなってきた。
昨日行った狩りで手に入れた素材でも売るか。
そう思って立ち上がったときのことだ。
ギルドハウスの前に人だかりが出来ているのを発見した。
何かあったんだろうか?
ちょっと聞いてみようかな…NPCにでも。
「あ、あの…、何かあったんですか?」
「ん?あぁ、なんか地雷スキルを付けてたのをクランメンバーに申告してなかったのがばれてクランを追い出されたらしい」
なるほどね。
最近よく見かけるなそういうの。
まともに使えないスキルなんて開発陣が作らないのはリニューアル前からよく知っているから、その内ちゃんと使えるようになると思うんだけどな。
それか他のスキルと一緒に使うものだったりとか。
それにしても、このゲームのNPCは相変わらず凄い。
リニューアル前からこんな感じで、まるで生きてるみたいだ。
そういえば昔、実はNPCじゃ無くて運営の人が演じているんじゃないか?なんていう説があったけど、運営に聞いてみたらあくまでもNPCだと公式にまでアップされたっけ。
っと、それよりも追い出されたって言うのはあそこで倒れてる種族が悪魔の子と、天使の子でいいのかな。まだ小学生位じゃないか?ま、アバターだから外のことは分からないけど。
追い出されるような地雷スキルって、何取ったんだろ?
「君等、大丈夫?」
「ふ、ふん、何よ!笑いたければ笑えば良いでしょ!」
「あ、あい…だ、大じょ、大丈夫…でず。えぅ…」
1人は元気だけど、もう1人は顔が涙や鼻水でグジュグジュになってるな。
本当に大丈夫か?
「取り敢えず立てる?場所が場所だから他の人の邪魔になるからさ」
「な!?誰が邪魔ですって!?」
な、何で俺が怒られてるんだ?
というか、何で女性ってこんなに怖いんだ…
「メイ…」
「うぅ、わかったわよ。私が悪かったわよ」
うおぅ、悪魔の子が収めてくれた…
天使のこの方はメイっていうのか。
何というか、天使が悪魔に説教されてるのって変な感じだな。
しかも、この2人双子なのか顔が良く似てるから余計にそう思うのかもしれない。
「まあまあ、取り敢えず場所を移そうか」
王都路地裏・個人店舗CAFE黒豆
「さ、座ってよ」
窓際の席に座り、出来るだけ緊張させないように笑顔を心がける。
「は、はい。失礼します」
「それで?私達に何か様なわけ?」
本当にこの2人、瓜二つの容姿してるのに性格が真反対だな。
「いや、君等が地雷スキルを取ったって聞いてね。それで…」
「なによ!馬鹿にしに来たの!?」
「メイ…」
「だっ、だって…!」
「このゲームを始めるときにそういうこともあるって分かってたじゃないか」
「でも、コイツは…!」
いや、あのね?2人で盛り上がってるとこ悪いんだけどね?馬鹿にしに来たとかじゃないんだよね。
むしろ、地雷スキルのよしみで解決策でも考えようと思ってたんだけど。
「あのさ」
「「なんですか(なによ)」」
「何か勘違いしてない?」
「「え?」」
「俺は地雷スキルの解決策一緒に考えようと思って君等に声掛けたんだよ?」
「「…え?」」
「なのに、馬鹿にするだのなんだの…俺が何をしましたよ」
おぅおぅ、ポカンとしてるポカンとしてる。
口がパクパクしだしたよ。
「あ、…ご、ごめんなさい!その、僕達あなたが僕達を馬鹿にしに来たと思ってました。本当にごめんなさい!」
「ミコト!こんなヤツの言う事を信じるっていうの!?」
それは確かに、信じられないだろうな。
俺もそう思う。
「メイ、このお兄さんは嘘をついていないよ。それに何よりお兄さんが嘘をつく意味が無いよ」
「そ、それは…ッ!ご、ごめん、なさい…」
うぅ、俺は悪くないはずなんだけど、なんとなく居た堪れない…
「ま、まぁ、何か頼もうか?何でも好きなものを言ってくれ。不快な気分にしてしまったお詫びに奢るよ」
「そ、そんな!?悪いでs「ほんとに!?何でもいいの!?」…メェイィィ?」
「あぅ」
「まあまあ、本当に何でもいいよ。こっちのお金は生活するだけなら5回くらい人生をやり直して豪遊し続けてもなくならない位あるから」
「「なにそれ!?」」
「クククッ…そんなわけだから、好きなものを頼んでくれ。すいません!オーダーいいですか」
その辺を歩いているNPCにオーダーを取ってもらう。
この店のNPCはフォクスラインという種族で、狐耳のしっかりしたお姉さんだ。
この人が入れるコーヒーが最近のお気に入りの1つだ。
「はい、ご注文はお決まりですか?」
「ウインナーコーヒー1つ」
「えぇと、私DXエターナルパフェとDXメロンフロート」
「もぅ、メイってば。すいません、僕はコーラを」
「オーダーの確認をさせて頂きます。ウインナーコーヒーが御1つ、DXエターナルパフェが御1つ、DXメロンフロートが御1つ、コーラが御1つ。以上でよろしいですか?」
「はい、お願いします」
そう言うと、NPCとは思えない程の営業スマイルを浮かべてカウンターへと向かう。
さて、そろそろ切り出すかな?
「それで?2人はいったいどんなスキルを取ったんだ?」
「「シンクロニシティ」」
…マジでアレを取ったのか。
スキル大好きっ子の俺が、余りの発動条件の悪さに今回のリニューアルで唯一断念したスキル。
「それって、発動したことあるのか?」
気になって聞いてみたが、二人して罰の悪そうな顔をしたので成功したことが無いんだろう。
「まぁ、あれは、効果はかなりいいからな。発動さえすればかなりの戦力だろうさ」
「はい、僕達もあそこまで発動条件が難しいと思わなかったので取ってしまったのですが…」
「まったく使えなかったのよ。アレ」
「やっぱり無理だよな…同じスキルを持った二人で10秒間も75%以上同じ動きとか」
何と言うか、これだけはな。
1人で使えないスキルは、俺じゃアドバイスの仕様も無いし、どうするか…




