8.カネと浪漫なら、俺は○○を取る
「うんうん、初めて組んだパーティにしてはなかなかの戦果だと思うよ、俺は」
ソロ狩りしかしたこと無いから適当だけどな。
「だよなだよな!?結構頑張ったからな俺ら!」
「フフン!あのぐれぇは余裕なのですよ!!」
シラナギが得意げに踏ん反り返りつつ何か言っているが、後にも先にもお前だけだよ。ミスしたやつは…
「最初にヘマしたけどね…」
「姉御ぉ、その話はしねぇで欲しかったですよぉ…」
「だ、誰が姉御だよ!?ボクは姉御肌じゃないよ!?」
おぉ、あの風理がうろたえている。珍しい…
いやそれより…
「「姉御て…」」
ユースケとハモった。
数時間後…
ギルドの運営する酒場、その一角で俺たちは今日一日の成果の確認と分配をしていた。
「さっさと分配して打ち上げでもしようぜっ!」
「ユースケの言う通りだな。さっさと分配してしまおう」
「それで、結局アイテムはどんなものがドロップしたのさ?」
「えぇと、亜人の腰布×12 樫の木×3 木片×5 伸縮する皮×2 鍵?【???】×1とお金が23,516円だな」
取り敢えず一人頭5,879円と亜人の腰布3枚が配られた。
もう判ったと思うけれど、このゲームの通貨は円だ。
しかも、日本だけならわかるけど、他の国のサーバーでも通貨は円らしい…
何で円にしたのか、制作陣の意図がいまだにわからない。
「さて、残りのアイテムなんだけど、みんなは欲しいものある?」
「その前に質問したいことがあるんですが」
シラナギが手を上げていた。
「その如何にも『鑑定が必要ですよ』な鍵のグレードは何級ですか?」
「え、言わなきゃダメ?」
渋々ながら鍵のグレードが最低の5級であることを告げると、
「「「鍵以外で!!」」」
そんな拒否しなくても…
確かに、5級のアイテムだと鑑定代の方が確実に売値より高くなるし、これに合う鍵穴が無いと実益が一切無いよ。
だけど、この鍵の持つ有り余るロマンを判らないのだろうか?
いったい何の鍵なのかとか、何でオークがとか、こういう気持ちがわからないのかね~?
「じゃあ、鍵は俺が貰っとくよ」
俺は、鍵を手に取りアイテムストレージに放り込んだ。
取り敢えず、しばらくはアイテムストレージの肥やし決定だな。
「それで、他のはどうす…る……」
ほんの数瞬のことだが、俺は絶句した。
そこには風理がシラナギを使ってユースケを無力化し、残りのアイテムすべてを奪い取りシラナギと分け合っている姿があった。
なんというか、ユースケがすごく情けなく見え、それとは対照的に、風理は生き生きしているように見えた。
もう、何も言うまい…そう思った。
余談ですが、打ち上げのときの食べ物はなかなかうまかったです。
ユースケはちょっと塩味がきつくないかとか言ってましたが…ハハハ…
ラジオ≪C・D・O≫!
リュ「はい!またしても始まってしまいました。ラジオ≪C・D・O≫!MCはワタクシことリュート(影斗)と」
シラ「天才サモナーことシラナギがお送りします。…いつまで続くんでしょうねこれ」
リュ「さあ?作者が飽きるまでじゃないの?」
シラ「はあ、あの人も存外にめんどくせぇですね」
リュ「それでは気を取り直してお題と行きますか」
シラ「それで?今回のお題は何ですか?前回みたいなのは嫌ですよ」
リュ「それは俺も勘弁。今回はこれだ!」
ズバリ!得意料理は!
リュ「…また、本編には全く関係ないな」
シラ「料理なら私でも出来ますよ!」
リュ「そうなのか。ちょっと食べてみたい気もするな」
シラ「そういうリュートさんはどうなんですか?」
リュ「俺か?卵焼きを絶賛されたことがあるな」
シラ「やりました!初めてリュートさんに勝った気がします」
…簡単な料理ほど味に差が出にくいものなんですよね。




