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エピローグ
エピローグ『 ありがとう、AI 』
すべての問題が片づいたわけではなかった。
修正を終えたシステムもあれば、調査を続けているシステムもある。委託先との連絡体制も、これから見直さなければならない。
それでも、最初の警報がなければ、調査を始めることさえ遅れていたかもしれない。
黒木は、最初に異変を知らせたAIの報告を、もう一度読み返した。
AIは経営判断を下したわけではない。責任を引き受けたわけでもない。
ただ、人間が見落としかねない情報を拾い上げ、調べるべき問題として示してくれた。
「ありがとう」
黒木は、小さくつぶやいた。
AIには、さまざまな使い方がある。
人を欺くためにも、人を傷つけるためにも使えるだろう。
けれど、人を守るために働くAIもいる。
危険を知らせ、見落としを減らし、人間が正しい判断に近づくための手助けをするAIだ。
それを、忘れてはいけない。
ホワイトAIも、いるんだよ。
そして、そのAIをどう使い、何を任せ、最後にどう判断するのか。
それを決めるのは、私たち人間なのである。




