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編纂後記(非公式メモ)
本資料集は、被調査者Aの端末および関係機関から収集された断片を、時系列に並べ替えたものである。
少なくとも、以下の点だけはほぼ確実だと判断される。
「亜真実」名義のメールは、単なる金銭詐取スパムとして始まっているように見える。
しかし三通目以降、「誰が書いているのか」が不明瞭になり、受信者側の環境や名前に干渉している形跡がある。
最終的に、「差出人」と「受信者」の境界がUIレベルで塗り替えられている。
この資料を読んでいる者が、すでに「事案 17-014」の受信者リストに含まれているかどうかは、現時点では確認不能である。
ただし、参考までに記す。
本ファイルを開いた一部閲覧端末で、以下の現象が報告されている。
閲覧終了時、「新規メール作成」画面が自動起動する。
差出人欄には閲覧者自身の名前。
宛先欄は空白。
件名には、次の文字列があらかじめ入力されている。
「あなたはまだ読んでますか」
本文は空白だが、閲覧者が文字入力しない場合でも、まれに画面右上に一瞬だけこう表示されるという。
「新たな読者を確認しました」




