他人
夜…布団に入ったところまでは、おぼえている。
…しかし、いつのまにか朝になっていた。
朝までぐっすりコースでした。
さて、帰るといたしましょうかね。
少し重くて黒い心に染まりつつあった今回の帰省…
朝ごはんをみんなで囲んで、ワイワイとくだらない話で和み、家族とさようならした。
で…
あっという間にアパートへ着いた。
…
やっぱり…ただいまって言っても、おかえりって言葉は、聞こえなかった。
いや、聞こえてきたらそれはそれで…イヤだ。
荷物を元通りにして、バイトのシフト確認して、自炊のためのご飯を買いに出かけた。
スーパーで野菜を買うとき、母さんがオレの主食は、草だと思い込んで心配している顔がよみがえり、クスッと思わず笑ってしまった。
野菜みて、一人で笑っている男性がいたら、それはオレだよ。
って、そんなキモいことしていると危険なので、ぱぱっと買い出しして、家で大人しく自炊した。
あー、明日はバイトだ。
…
そんなこんなで、夏休みがあっという間に終わってしまった。
そして、オレの予想通りに秋がやってきたみたいだ。
こんにちはーって、玄関からくるわけでもなく、今日から秋です‼︎って自己紹介もないまま、いつのまにか空気やら葉っぱやらが、秋風味を装っていた。
そんなとき、オレには春がやってきた?
は?
秋なのに春ってなーんだ?って、やっている場合では、ありません!
告白です‼︎
実は、オレやっぱり…ほんとうに浮いてました‼︎って、その告白じゃないんです。
浮いてないっすよ?
もちろん大学でも、浮いてないです。
そんなことよりも、告白をされたんです‼︎
好きですって。
それも、とても可愛らしい女性から。
こんなかわいい女性がオレを⁉︎
…
はじめは、ドッキリなのかな?とさえ思うほどの可愛らしい女性。
えええっ⁉︎
どぱん‼︎って、脳内爆発しましたよ。
この人がオレの彼女候補になりたいですって⁉︎ってね。
でも…
オレは、もう…すでに他人である幼馴染だった那月さんの顔を、思い出してしまったのです。
だから、きちんと理由をお話ししてごめんなさいをいたしました。
大変、心苦しい決断でした。
しかし、ただかわいいからって付き合って、やっぱり少ししたら、ごめんなさいっていうのは、違うと考えたのです。
もう、すでに…
無理なんです。
まだ傷が癒えていません。
だから、ごめんなさいをいたしました。
弟には、彼女がいる。
でも、兄貴は…まだ彼女がおりません。
でもね母さん、オレはオレなりの親孝行するっす。
あと、彼女いなくてもオレ…幸せだよ?
草も食べてないからね。
だから安心してください。
心のお詫びというか、言い訳…と言いますか…
なんだかんだで、自問自答しつつ春は来なかった。
まぁ、秋がきてるから。
大丈夫。
…
なにが大丈夫かは、知らないですがもう少し、帰省する頻度をふやしてもいいのかな?と思う今日この頃です。
次は…冬?
いや、いきなり年に何度も帰るのは…どうなん?
そもそも弟が受験だから、次は春にでも帰省しようかな。
一応母には、そう連絡をしておいた。
すると、まさかの人から連絡が来た⁉︎
えっ…?
これって…送信間違い⁇
それはまさかの…他人からの連絡でした。
(春のいつ頃帰るの?)
ときていたのです。
他人の那月さんから。
あれ?オレって…母さんの名前表記を那月氏にかえた?
とち狂ってやった⁉︎
慌てて母さんの名前を携帯で探すと、あります…ね?
じゃあ、ではでは…こちらは⁇
え…?
え?
これは…どういう…
オレの連絡先…消してないんだ⁈
オレって…まだ那月と会話してもいいんだ⁈
那月って呼んでいいの⁉︎
…いや、待て。
今度は、帰省かぶらないようにしたいって意味だよね。
あぁ、そう…か。
そんなにオレとあいたくないのですね。
はぁ…そうですよね。
わかりましたよ。
なので、そちらの都合に合わせますと送った。
すると、⚪︎日から⚪︎日に帰省いい?ってきたので、その日を帰省日にいたしたいと思われます。
なんだよ…オレっち…
めっちゃ嫌われてるやんけ。
…まぁさ、弟みたいにポジティブ思考になればさ、オレの連絡先まだあったんだ!連絡くれたんじゃん‼︎文章でやりとりしてるじゃん!オレたち‼︎って喜ぶべきなんよね。
あはは…ハハハ…は…
ハハハ…
続く。




