友達
結局ダイエットは、成功したけど…恋に敗れた。
まぁ、でも仕方ない。
出不精の風呂キャンが、那月から愛されるわけもないんだからな。
今さら…みえないところで、頑張ってかわったものの…
手遅れってなもんでしたね。
帰省してわかったこと…いち、
幼馴染は、いつまでも幼馴染じゃいられない。
に、
家族は、いいもんだ。
さん、
夏の次は、秋。
そんなもんだ。
あと二日したら、オレは大学近くのアパートに帰る。
その前に、中学の友達に会う予定になっていた。
で…
友達は、やっぱり友達だった。
当たり前ですよね?って?
いえ、幼馴染が他人になったんです。
そりゃ、友達だって他人の恐れがありました。
おう!って挨拶しようもんなら、友達は目を丸くして驚いてオレをじっとみました。
まさか…友達までも…
ドキドキ恐れていると友達は、
「えっ、冬季なんか…さ、かっこよくなったなぁ‼︎」
なんて驚いた次に、おせじをくださった。
ああ、よかった。
敬語じゃなくて、よかった。
安定のパシパシ叩きまでくださって、ホッと落ち着いた。
カフェラテを啜ったのか⁉︎ってくらい落ち着いた。
「ごちそうさま。リョウマ」
「はぁ?オレ、なんにもあげてねー」
「あ、そうだ。あげるのはオレだ。お土産〜。これ美味いよ」
「おお、マジ⁉︎ありがとう。てかさ、あげるのはオレとかいうから、冬季がいきなりオレに告白してきたのかと思ったぜ」
「んなわけねー」
「あはは‼︎」
やっぱり友達は、いいもんですね。
しばらく会っていなくても、他人行儀にならん。
そんなやっぱり安定の友達と、そのへんをぶらぶらして、お互い大学の近況報告してご飯をを食べて、解散した。
楽しかったなぁ。
そりゃ…大学にも友達は、いるしバイトだって楽しい。
でも…やっぱり家族や友人は、安らぐなぁ。
高級ソファに心が座らせられている感。
心って、目にみえないし…幸せ度とかもわからないけど、でもわかる。
あぁ、今安らいでるわーって実感が半端ない。
失恋の後の魔法の薬を見つけたような気がした。
これは、とてもすごい発見です‼︎
教授‼︎
教授ーー‼︎
…
ここに、教授なんてそもそもいらっしゃらないんですよ。
帰り道、最寄駅に海があるから一人で寄ってみることにした。
ちょうどこの時間は、ゆうひがキレイだろう。
ゆうひ…キレイです。
ただ…
カップル多くね⁉︎
せつな…
なんか、自分で自分のクビしめてるやんけ。
くっ、くるしっ…
那月を思い出してしまう…
脳内引き出しが…ガバガバやんけ。
那月の笑顔…
那月の声…
那月の横顔…
あくびする那月…
そして、最新の那月の怒った顔…
…
心のタンスの上の段をしめると、下の段があいてしまう。
たくさんの那月でいっぱいだ。
…
新しい脳内タンスに買い換えようかな。
えっと、脳内タンスタンス…
どこに売っている?
…
ないよ…。
売り切れですって。
お客さん。
それって…お取り寄せとかって…
あ、古いタンスでもいいんです。
リサイクルタンス…
そうそう、おばあちゃんの使ってたアノタンス。
おまんじゅうしまってたアレよ!
…
…
さて、くだらないことは言っていないで帰りますか。
あぁ、人がいる家に帰るっていいね。
一人だったら、また那月を思い出しちゃうもんね。
あーあ。
好きだったよ。
那月。
那月ー‼︎
あ、いけね。
心の中とはいえ、呼び捨てしていた。
今はもう…他人なんだった。
那月さんという文字を書いて飲み込んで無事消化したら、忘れられる。
そんな便利文房具菓子があったら、オレは買う。
絶対…か…か…
やっぱり買わない。
思い出すと辛いけど…
でも、好きだった…
好きだったんだもん。
この気持ちは、忘れなくてもいいよね。
オレの中には、いるんだもん。
大切にしまってたほうがいい。
誰だよ、タンスかえようとしてたの。
あ、オレか。
駅で、大学の友達にあげる用のお土産を購入した。
弟にも買っていこっと。
あ、これは母さん好きそうなお菓子だ。
こっちは、父さんのつまみにいいな。
そして、これは…
幼馴染だった、今は他人のただ隣に帰省している那月さんの大好きなチョコ…
いっつもチョコ食べてたなぁ。
美味しいって笑って…
それが今は…
…
お土産…
帰省前にいっぱいチョコ買ってきたのに…結局渡せなかったな。
渡せたのは…たくさんのきゅうりだけだった。
…
そして、またチョコを買ってしまったオレ。
…また、コロンコロンになりそうだな。
なんだか、笑えてきた。
でも、一人で笑ってたら不審者だ。
ここは、我慢だ。
もしかして…オレって壊れたんかな?
ま、いいか。
少し壊れたくらいがいいのさ。
このまま壊れて大声でうたいたい気分だ。
…
やめておこう。
駅から大きな海をみて、こんだけ涙でたら失恋なんか忘れられるのかなぁ…なんて考えた。
…
泣いてもいいですか?
…
やめておこう。
帰ろう。
…
やめておこう。
いや、そこは帰ろう。
(今から帰るねー。お土産買ったぞー)
弟に連絡しておいた。
(やったぁ)
すぐさま弟から連絡がきた。
フッ、かわいいやつめ。
あんまりかわいいから、もっと喜ぶ文章を入れてみた。
(たくさんチョコもあるから後であげるね)
って。
すると…
(よっしゃ‼︎彼女にもあげていい?)
ってきたね。
春翔…
彼女いるんかーい‼︎
お兄ちゃんは、いないよ?
あ、さっきの弟のかわいいやつって言葉、撤回しよっかなぁ?
いや、それはそれでいいじゃないか。
(うん、いいよ。たくさんあるからあげな)
お兄ちゃんっぷりを発揮してやった。
あーあー、オレってチョコ屋さんでも開店したんかな?
てか、開店しよっかな。
…
誰も来ないよな。
だって、チョコレートってかいた紙しか置かないもん。
カカオとか、どうやってチョコにするのか知らないし。
…
オープン前に廃業決定。
…
電車に揺られ、海にご挨拶。
さようなら。海さん。
さようなら…
那月さん。
続く。




