帰省
お恥ずかしい生活を改めて、お恥ずかしくない生活をしていたら、痩せた。
三日で三キロ。
てことは、一日一キロ痩せとるの?
楽しい‼︎
成果がみられるのは、とても楽しい‼︎
てかさ、なんか…からだが軽いよ?
痒いじゃなくて、軽いよ?
いつもは、痒い痒い…仕方ない…風呂入るか…なのに。
飛べるかもよ?ってくらい、いい感じに軽いです。
そんな生活を続けていたら、いつのまにかバイトリーダーに昇格していました。
なぜか筋肉もいい感じについていて、バイトという名の運動をしていたら…店長から、やる気を認めていただいたらしい。
ありがてえ。
筋肉も昇格も。
おかげで、少し時給が上がったので喜びの笑顔を少し封印するために、顔パックいたします。
おぉ、つめてー‼︎
パックなんて、オレがするなんて夢にも思わなかったぜ。
人って、かわるんですね…。
ただのダイエットのつもりが、なんなら人格もかわりつつあります。
こんにちは。
新しい自分。
さようなら。
コロンコロンなオレ。
…
ちょっと鏡をチラ見してみた。
…
まだ少しコロンコロンだね。
でさ、このままイメチェンもしちゃわねー⁉︎って自問自答して、イメチェン決定です‼︎
まず、髪型をかえました。髪質は、すでに変更済み。
っていうか、自動的にかわっていたんですね。
風呂キャンやめたので。
キャンセルをキャンセル?的な?
今までぎたぎたしっとりヘアーだったので、憧れの髪型がオレにできるわけないって諦めていたけど、できました‼︎
ナイスカットです‼︎
髪型で、だいぶ変化が訪れた。
二度見するレベルだ。
いや、二度見した。
えっ⁉︎
ええっ⁉︎これがオレかっ⁉︎ってね。
そして調子に乗ったオレは、服装までかえました。
そもそも、痩せてきてズボンがゆるゆるになってきたんよね。
だから、新しいズボンを調達しに行ったんだけど…
今までは、まずサイズがあるかってところからみていたんですが、今は…デザインから選べる〜〜‼︎
素敵‼︎
素敵素敵素敵〜って踊りだしたいくらいだ。
もう踊っちゃおっかな?ってくらいだ。
でも、そんなことしたら変なヤツだから、部屋でこっそり踊ることにして、心だけ踊らせた。
そんなこんなで、規則正しいオレはイメチェンして肌艶ぷるんで、授業を受けていたんです。
そしたら、まさかの…
「化粧水、なに使ってるのー?」
と、女子に話しかけられたっ‼︎
えっ⁉︎
オレかよ?って、一瞬うしろむいちゃったよね。
でも、うしろに誰もいなくて…オレに話しかけてくれたっぽい。
女子で話しかけてくれるのは、那月だけだと思っておりました。
美白になると、そんなことも起こるんですねぇ。
そんなプチハプニングを乗り越えて、帰省する頃には、六十キロだいになりました‼︎
イェーイ‼︎
身軽になったオレは、お泊まりセットを詰め込んだバッグを背負い、いざ‼︎帰省です‼︎
服装は、シンプルモノトーンコーデで髪の毛もバッチリきめて、向かいましたとも。
そんなこんなで、家に到着いたしまして、久々のお家です。
インターフォンをピンポンしましたよ。
すると、
「はーい」
と、母の声がインターフォンからしたんです。
「あ、オレ」
…
しばらく沈黙のあと、母は
「あ、うちは結構です」
と、インターフォンを切られた。
なんの冗談?
きっと久々に息子が帰ってきたから、はしゃいでふざけているんだろうと、玄関があくのを待ったわけよ。
しかし…
一向にあかない玄関。
…
もう一度ピンポンしたよね。
そしたら、まさかの…
「しつこいですね!うちは、いりませんから‼︎おかえりください」
と、言い出した母…
なにをいらないんだよ…
「オレだよ」
「リアル…オレオレ⁉︎警察呼びますよ⁉︎」
と、マジギレしてるっぽい母…
「あのさ、冬季だよ。オレ、冬季なんだけど…」
と、名乗ると母は
「えっ⁉︎えっ⁉︎あー、インターフォンだと別人にうつるのねぇ。今あけるー」
って、笑っていた。
インターフォンって、そんなにかわるんだ?ね?
玄関から出てきた母は、久しぶりねーと言いながら、舐めまわすようにオレをみた。
「え…アンタまさか…ご飯食べてないの?」
「頑張って痩せたんだよ」
「なにを頑張るの?」
と、ジロジロみてきた。
「痩せたの。オレ、めっちゃ頑張ったんだよ。いいだろ?前よりかっこよくなったよね?」
ちょっとふざけて、モデルみたいなポーズをとってみた。
あら、いいじゃないと写真を撮ろうとするので、そこは恥ずかしいから拒否した。
そして、なんとか無事家に入れてリビングで母とお茶をすすった。
今までは、当たり前にいたリビング。
でも、なんか…やっぱり少し違和感だなぁ。
実家を離れると、やっぱり落ち着かなくなってしまう。
…
「あ、春翔は?」
「二階で勉強してるわよ。だって今年受験だもの。今、家庭教師の先生と頑張ってるの」
「あー、受験か。大変だな」
「そうねぇ」
少し母と世間話して、家庭教師の先生が帰ったので、弟の春翔にお土産を持っていった。
「はーると!」
「あ、兄ちゃんひさ」
「おぅ、久しぶりだな。これお土産ー」
久々に弟に会い、また世間話をしていると、ドアがコンコンとなった。
「はーい」
弟がそうこたえると、ドアがあいたんだけど…
ひょっこり顔を出したのは、那月だった。
‼︎
な、那月ーーー‼︎
「あ、お勉強中か。」
「おー、全然全然いいよ。入りなよ」
久しぶりに会う那月にそう声かけすると那月は、
「じゃましてごめんなさい…また来るね。勉強頑張ってね、春翔」
と、部屋のドアをパタンとしめて行ってしまった。
「あ…」
那月との、久々の再会なのに…
秒で帰ってしまった那月…
え…
気まず…
気まずすぎて喉かわいたから、台所に行くと、母親と那月が並んでお話していらっしゃった!
そんなオレの存在に気づいた那月に、
「ウーッス」
って元気よく挨拶すると、那月の表情が死んだようになり、けげんそうに軽くお辞儀をしてきて、
「あ、おばちゃん…わたし帰るねっ」
って、逃げるように帰ってしまった…。
なんでー‼︎
久々の再会なのに、めっちゃさけられてるー⁉︎
…やっぱり、あれかな?
学生時代は、仕方なくかまってやっていただけってやつですかぁ⁉︎
…
そうなのーー⁉︎
続く。




