電話
バイトを終えると、知らない番号からの着信がなくて、なんとなくホッとした。
みえないだれかからの着信は、なにを意味するのか、そして目的はなんなのか…
正直、気になりすぎて恋の傷心が少し小さくなった気もする。
傷心は、昇進して恋心に変化しないだろうか?なんて淡い期待を持っていたが、気体になってしまいそうな勢いだ。
まぁ、固体よりも気体のほうが軽いし、いいんだよね。
でも、まだ小さくなったとはいえ、懐いてくる傷心をつれて、バイトから帰宅した。
お野菜を丁寧にジャバジャバと洗ってあげて、さっと熱湯にドボンしたら、ドレッシングという名のオイルをまとわせてあげて、艶々お野菜の完成です。
そして、相棒にはささみちゃんも添えた。
ささみちゃんは、茹でる時にお湯と一緒に料理酒も入れてあげると、表情が柔らかくなる。
ささみちゃんは、お酒が大好きなようだ。
そんなお野菜とささみちゃんがオレの胃袋でゆっくりする。
そして白湯を飲んで、のどに異物がないことを確認して、ごちそうさまでした。
お腹は、いっぱいになりました。
そりゃ、たくさん食べましたからね。
…
でも…
なぜだろう…
脳内も那月でいっぱいなんです。
寝ても覚めても、那月那月那月って脳内が那月祭りなんです。
で、手と脳みそが一致団結してすぐさま携帯携帯と大騒ぎします。
早く連絡来てないかみてよ‼︎携帯ひらいてよ‼︎と騒ぎ立てます。
でもね、来るのは…
すぐに削除するいらないお知らせばっかりですよ。
あぁ、なんか肩が凝ってきましたね。
今までは、痩せてめっちゃ調子がよかったのに、なんだか肩に不安という悩みみたいなヤツがへばりついてしまったみたいです。
どうやら、からだが緊張しているみたいだ。
ムダに肩がこわばっている。
嫌な予感プンプンです。
この肩凝りは、いずれ頭痛へと進化するのです。
いや、進化というよりは…侵蝕してきている。
これは、たたかいですね…
薬を飲むか、それともマッサージしておさまるのを願うか…
まだそこまでじゃないし、ここは大人しくしてマッサージをしましょう。
…
ダメです。
今日のヤツは、頑固なもようです。
どうやら那月那月と、那月祭りしていて、自律神経が自立していないようだ。
そもそも自律神経の律は、自立という文字と違うが、オレは自律神経が自立しなくなって、からだに不具合が申し出てくるのだと思っている。
神経たちが、自立しないで自力で頑張らなくなってしまうと、体内でいざこざが起きるんじゃなかろか?
よって、脳内までおかしくなり頭痛になるんじゃなかろうか。
…
そんな分析をしている暇があったら、薬…薬っと。
最近、ご無沙汰していたお薬さん。
もう薬なんか無縁ですよ。なんて調子にのるとすぐこれだ…
全くいけませんね。
調子は、のるものじゃないんですね。
調子にのるのは、テーブルにのるのと同じだ。
調子とは、整えるもの…なんですかね。
?
知らんけど。
調子は、とりあえずのらなきゃいいでしょう。
薬をごくりと飲んだら、部屋に侵入者をみつけた。
ぐるぐる目の前をとびまわる、不法侵入の虫。
なんなら、オレの家の生ごみまで食べようとしているんじゃ?
泥棒猫です。
いや、泥棒虫ですね。
さぁ、生ごみは袋でぎっちりしましょう。
そして、この部屋はクソつまらんと退出していただこう。
なんでもかんでも懐かれては、困ります。
あいにく、この部屋は一人部屋なので虫と同棲なんてごめんです。
ごめんくださいといっても、ごめんです。
あ、オレは今ふと予言してしまった。
まさか、夜の次に朝がくる‼︎
そう、ピンときました。
…
数時間後
やっぱりです‼︎
ぐっすり寝たら、思ったとおり、朝でしたっ‼︎
そしてそして今日は、土曜日なのですがバイトがありませんっ‼︎
はっきり言って暇です‼︎
暇だから、一応携帯のチェックだけしておきます。
まぁ、一応ですよ?
あまり那月那月って、大騒ぎするとまた頭痛になりますから、ほどほどにチェックです。
なんなら、友達とかバイト先から連絡が入っているかもですからねー。
ってことで、携帯をみると…
留守電が入っている‼︎
しかも、あの例の知らない番号のやつ。
だれだなんだといわんばかりに、いや…いってんのよ。
だれがなんのようなんだってさ。
しかし、ついに判明いたしますね。
ドキドキと留守電を再生いたしました。
…
沈黙?
やっぱりイタズラかいな?
って、切ろうとしたその時…
大切なお話があります。
って一言入ってました。
えぇ?
こ、これは…いったい…?
この声って…
那月⁉︎
なんで那月⁉︎
この知らない番号って、那月だったの⁉︎
オレは、慌てて那月に電話した。
もしもしって。
そりゃそうだよね。
てかさ、なんでもしもしっていうんだろ?
あのー?あのぅ?
とかさ、あーあーとかトゥルルルルでもいいのにね。
まぁ、そんなことどうでもいいんだよ。
オレは電話をかけながら、着替えをしていた。
続く。




