弟
弟が…
弟の彼女がまさか、あの幼馴染の那月さんだったなんて…
…
そもそも、春翔の部屋で待っていればいいのに…
ケンカでもしたのかな…
てか、なぜ…帰省日がかぶっているの?
…
もしかして、オレのせいでなんか…二人がケンカした…とかないよね?
オレが帰省したせいで、二人の仲がこじれようとして…ないよね?
大丈夫なんだよね?
いや、オレが日にち間違え…てないな。
慌てて携帯で確認するも、オレは日にちを間違えてなかった。
じゃあ、那月さんは昨日大学近くの部屋に帰る予定だったのに、春翔とケンカしちゃって、帰るの延期したんかな?
それとも…この指定の帰省日は、まさか…
オレじゃなくて、那月さんが帰省する日だったんじゃ…
…
オレ…やらかした⁉︎
とんでもなくウザいやつやん…
…
カッパ野郎は、どこまでもウザいキモ野郎に進化しつつございます。
申し訳ない限りだ…。
…
てか、春翔…どこいったんだよ⁉︎
台所にいる母さんに聞いてみた。
すると…春翔は、友達とでも遊んでいるんじゃないのー?って、のんきにこたえてきた。
それより那月ちゃんとは、もういいの?ずっと待っていたのに、もういいの?ん、ん⁇と、詰めよる母。
いや、母さん…
那月さんは、弟を…
弟の彼女…なんだよ。
たぶん…
でも、そんな情報…勝手に言えるわけないよね。
仕方なく、弟の春翔に連絡してみた。
(春翔ー何時頃に帰るのー?)ってさ。
そしたら、
(夕飯までに帰るー。)
って、きたんだけど⁉︎
これは…伝えたほうがよい?
遊んでいる場合じゃないよって。
彼女が抜き打ちで、部屋にきておりますよ⁉︎って、伝える?
…
もしかして、今ケンカ中じゃないよね?
那月さんのびっくりサプライズ…なのだとしたら、オレが勝手にネタバレさせるのも違うよね…。
一応…早く帰ってきたほうがいいよって伝える⁇
…
携帯と、にらめっこしていると…那月さんがおりてきて、おじゃましましたと母に湯呑みをわたして、一瞬オレもみてお辞儀して…目も合わせずに、寂しそうに帰っていった。
たぶん母さんは、那月さんにお茶をだして差し上げたのでしょうね。
律儀に湯呑みを持ってきて、えらいですな。
昔のオレとは大違いだ。
それをみた母さんは、
「えっ?さっき冬季がおりてきたときに、那月ちゃん帰ったんじゃなかったの⁉︎なに?なんであんただけ、リビングにいたの?ケンカ?そうなの?ケンカ⁇それならちゃんと謝りなさいよ?だめよ?こんな大きくなってまでケンカとか。お菓子の取り合い?なら、まだお菓子たくさんあるわよ?今からお菓子持って謝ってきたらいいのに。あ、キャベツもたくさんあるのよ。ほら、持っていって謝ってきなさいな?」
…
母さん…
めっちゃ一人でよく喋るなぁ。
用事があるのは、オレじゃなくてたぶん…弟の春翔なんだよ。
それにケンカなんかするほど、会話してないし、なによりキャベツは、絶対に持っていかない‼︎
「別に、ケンカなんかしてないよ」
「そうなの?」
「うん。それより夕飯ハンバーグ?焦げてない?」
「あっ‼︎そうそう、そうよ‼︎」
母さんは、慌ててハンバーグの元へ駆け寄った。
これ以上絡まれては面倒なので、テーブルを拭いたり、箸を出したりテキパキ忙しいふうを装った。
そして早くご飯をいただいて、風呂に入り部屋に逃げ込もう作戦だ‼︎
おかげで、夕飯が早く出来上がったっぽい。
ご飯も炊けたから、蓋開けて一度かき混ぜておいてって言われたから、しゃもじを持って、ご飯ジャーの蓋をあけた。
おぉ、ほかほかご飯〜とほっこりしていたら、いきなり母さんがずいっとあらわれて、
「ゥライスゥファミリィ〜」
と、絶妙な発音で言ってきた。
…
どうした…母さんよ。
米粒全員家族なのかよ⁉︎
大家族すぎるだろ…
何世代住んでんだ?
先祖代々なら、この数もありうるの?
なんなら、少ないくらい?
いや、わかんねーな…
どう返事するのが正解のかわからなくて、少し困っていると、ちょうど父さんと春翔も帰ってきた。
あー助かったー…。
どうやら二人は、途中で一緒になったらしい。
春翔には、今すぐ那月さんと仲直りするように言いたかったが、両親がいては…なかなかいいだせないですね。
たぶんジェスチャーも、無理だ。
てか、絶対無理すぎる。
…
なので…ここは割り切って、美味しい母の手料理を堪能させていただくことにした。
やっぱり美味しいんだよなぁ。
沁みるわ。
どんな高級料理店に行っても、どんなにお金をつんでも、やっぱり…どの店にも敵わない母の味は、素晴らしいなぁ。
離れてみて、わかったこと。
親は、偉大だ。
そんな偉大な人を目の前にして、食事するとか…贅沢な夕食だぜ。
で、夕食を堪能して春翔がごちそうさまをしたタイミングで、少しオレの部屋で久々にゲームしようぜって、誘った。
「えっ、やる‼︎」
即答の弟。
やっぱりかわいい。
素直って、こういうことを言うんだなぁって、しみじみ思う今日この頃なのでありました。
続く。




