先鋒戦:レオン vs ガルド
「先鋒戦! 白嵐流、レオン・ヴァレンティン! 炎流、ガルド・フェルナー!」
二人が中央に進み出ると、会場は静まり返る。
ルークに次ぐ実力を持つレオン。しかし彼の優しさは戦いの中で弱点ともなりうる。
対するガルドは、長剣を操る剛力と狡猾さを併せ持つ炎流の若き猛者だった。
「さあ、遊んでやろうか?」ガルドが嘲笑とともに踏み込む。
「……良い試合を望みます」レオンは真摯に構えた。
刹那、衝突。
長剣がぶつかり合い、火花が散る。
「優しそうな顔してるなあ。お坊ちゃん剣士か? 俺にゃ物足りねえ!」
ガルドの突きが鋭く肩を穿ち、レオンが呻く。
「白嵐流を……侮辱するな!」
怒りで剣を振るうレオン。だが、その真っ直ぐな剣筋は読みやすい。
「だから甘いんだよ。正義面しても、戦場じゃ踏み潰されるだけだ!」
ガルドの刃が利き足をとらえ、レオンは崩れ落ちる。
だが、スゥッと深く呼吸し、レオンは集中する。
痛みで動かない右足の膝はついたまま、剣をゆっくり横に構えた。
「そろそろ終わりにするぜぇ!」
ガルドはレオンの肩に狙い澄まし、最後の突きを繰り出した。
ブゥン!
レオンの瞳が一筋の光を帯び、風を起こすほどの鋭い斬撃が空を斬る。
ガルドの突きより一瞬速く喉元を狙った渾身の一撃は――あと一歩届かない。
勝敗は決した。
「勝者! 炎流、ガルド・フェルナー!」
観客からどよめきが湧き起こる。
「惜しい……」「いや、ガルドの方が一枚上手だ」
炎流の師範カロスは冷笑を浮かべる。
「これが白嵐流か。笑わせるな。甘ったるい優しさは剣を腐らせるだけだ。剣士には無用、無用!」
ヘイクは何も言わなかった。しかし、最後まで自分らしく戦いきったレオンが誇らしかった。




