10/20
公式試合
道場の広場は朝から熱気に包まれていた。
各地から集まった剣士や見物人で埋め尽くされ、ざわめきが波のように広がる。
今日は白嵐流と、その派生流派・炎流の公式試合。両流派にとって、威信をかけた一戦であった。
白嵐流の師範ヘイク・ノウルは、並んだ弟子たちを見渡し、低く言った。
「よいか。流派の名誉など気にするな。剣を学ぶ者として、この場で――自分の心の剣を見つけてこい。」
その眼差しは厳しくも温かい。弟子たちはそれぞれ大きく頷いた。
対する炎流の師範、カロス・フェルナーは真逆だった。
「恥をかくなよ。白嵐流をねじ伏せ、我ら炎流こそ正統であると示せ!」
その声は鋭く、弟子たちを追い立てるようだった。
観客の耳目はすべて、これから始まる戦いに注がれていた。




