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8/22

人気ブログ『おっさんドライバーの全国ベントー巡行』より引用

 どうも!おっさんドライバーです。


 今回は、なぜ自分が弁当というものにハマったかについて書いていこうと思います。

 長い事ブログを続けていると『おっさんの一番すきな弁当は?』『ブログを始めるきっかけは?』などの質問をよくいただきます。

 今回はきっかけになった『一番美味かった弁当』の話をします。

 おっさんの自分語りなんて興味ないと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。



 このブログタイトルにもありますが、自分はもともとトラックドライバーをしていました。

 長距離を担当しており、家に帰るのは3日に一回がほとんどです。

 なので、自炊とかはしないです(笑)

 もっぱらコンビニやドライブインなどを利用していました。


 ただ、まぁ、やっぱり飽きるわけですよ。

 気分転換にラーメン屋とか、定食屋とか行きますけど空いてない時の方が多いんですよ。

 朝方とか、特に。


 で、ある日の事ですね。

 朝方で店が開いてない状態で、仕事が終わったんですよ。

 東北だと国道に24時間営業の食堂があるので、よく利用させてもらってました。

 多分ですが東北住みの人は分かると思います(笑)

 ラーメン屋とかもあったんですけど、そんな気分じゃなかったんです。


 ただ、その日は運悪く空いてなかったんですよ。

 店内清掃とかなんかで。

 で、別の店を探そうと思った時にコンビニを見つけたんですよ。


 Lから始まるコンビニでして、ちょうどいいと思ったんです。

 ほら、あそこって店内で弁当を作ってる店があるじゃないですか。

 で、寄ったんです。

 そこでね、不思議だなと思ったことが2つあって。


 一つは、急に霧が出てきたこと。

 まぁ、山だったんで「やっぱり急に天気って変わるんだな」としか思わなかったです。


 もう一つがコンビニの外装ですね。

 普通のコンビニっぽいんですけど、隣に古民家があったんです。

 白川郷ってあるじゃないですか。

 あそこにある家みたいなのが、くっついていたんですよ。


 変だなぁとは、思ったんですけど。

 腹減ってたんで、入りました。今思うと、アホですよね(笑)


 で、入って違和感。

 なんか、普通のコンビニじゃないんですよ。

 確かね、BGMがなかったはず。

 いや、あったんだけど。なんというか、男の声だったんだよね。

 何話してるかは、分からなかった。歌かもしれないし、話かもしれないし。


 で、棚を一周して気づいたことがあってですね。


「なんか、肉とか魚が置いてあるな」


 冷凍とか調理済みじゃないんですからね(焦)

 生のまま、置いてあるんです。

 で、隣を見ると米俵も置いてある。

 当時はマイナーコンビニの一部だと思ってました。

 ほら、あるじゃないですか。酒の種類が異常に多いコンビニとか。


 隣の古民家も相まって「あぁ、自分たちで作ったものを置いているんだな」って思いました。

 でも、入ったコンビニの場所って山だったんですよ。


 海なんて、近くになかったのに生魚が置いてあったんです。


 まぁ、スルーしました。

 腹減ってるんで。

 ただ、見た感じ弁当がなかったんですよね。


「どうしたん?話、聞こか?」


 レジから声が聞こえてきたので、向くと女性の店員さんが頬杖をついてこっちを見てました。


「なんで、魚とか米俵が置いてあんの?」

「あぁ、それなぁ。貰ったんよ」

「貰った?」

「この時期だからねぇ。酒と米、あと塩か。あぁ、ここにある花もそうだよ。魚とか肉は別のルートから貰った」


 タメ口だったのが気になりましたけど、まぁそこを気にするような男ではないんでスルーしました(笑)

 で、店員さんが手で指している場所を見る。

 見ると神棚のセットがあった。

 前には、米が入った小皿や酒瓶が置いてあった。


「ただ、これどうしようかなぁって」

「食べないの?」

「多いし、私ら用には貰ってるから」

「なら、弁当でも作ればいいんじゃない?」


 その言葉を聞いた店員さんは、目を丸くしてにやりと笑った。


「あぁ、その手があったか!ちょい待ち!」


 ひょいっと米俵を持ち上げて、奥へと引っ込む店員さん。

 早く帰りたい欲と、何か食べたい欲がありましたが待ってました。


 数分後、店員さんが何かを持ってホクホク顔で帰ってきた。


「お待たせ~。とりあえず、これ!」


 渡されたのは木の箱。

 受け取るとずしりとした重みと、ほのかな温かさが手に伝わってきた。


「何これ」

「え、弁当」


 けろりとした顔で答える店員さんに、思わず突っ込みました。


「作るの早すぎじゃない?無理だって。作り置きしてたんでしょ」


 そう話すと、彼女は首を傾げた。


「そら、私は作ってないからねぇ」

「え、じゃあ誰が」

「あぁ、それはなぁ。……あ、ちょっとあっち見ててくれる?」


 指さす方向はドアの方。

 思わずといった感じで、見ました。

 でも、何もない。

 文句を言おうとしたとき、急に空気が重くなりました。


「そう、そっちずっと向いててな。いくら顔を見えなくしても、見たら私でも戻せないから」


 明らかに、もう一人の気配がする。

 でも、人間じゃないんですよ。多分。

 霊感はないですし、その手の話は信じていないんですけどね。

 今でも、分かります。

 社会人の人なら「仕事中に急に偉い人がパソコンを覗き見てきた」って言えば伝わりますかね?


 なんか置いてる音がしているんです。

 店員さん?普通に話してましたよ。

「急じゃ、ビビるでしょう」って。

 相手の声?聞こえないんです。


「ええよ、こっち向いても」


 多分、そんな長くないです。

 店員さんがいいというので、ゆっくりと振り向きました。

 見ちゃったんですよ、一瞬ですけど。


 人だと思います。

 ただ、顔に紙がついていたんです。

 文字が書かれた紙。

 それ以外は普通の人間です。

 でも、明らかに佇まいが人間じゃないんですよね。

 いるだけなのに、圧力が強い。

 で、紙に書かれていた文字は多分「竈」だったはず。


 こっちを見てました。

『その人』は、こちらに手を振って裏に戻っていきました。


 息が止まりましたよ。

 見ちゃいけない者だった。

 で、店員さんがあちゃーって顔してるんです。


「まぁ、ぎりぎりだからセーフ!」


 野球のセーフのポーズをとりながら。


「まぁ、本当に見られたくないならもっと工夫する人だし。大丈夫」

「そんな適当な」

「いや、だってさぁ」


 にやりと笑う店員さん。


「本気だったら、紙なんてつけないもん。『あの人』は」


 何が本気なのか。

 見られたくないのはなぜか。

 そのあとは、普通に店を出ました。

『お詫び~』といって、カップ酒を貰いました。


 あと、ちらりと神棚を見たんです。

 あったはずの米とか酒が全部なくなってました。


 で、ブログを始めた理由なんですがこの時に購入した弁当です。

 いや、もう、めちゃくちゃ美味かったんですよ。


 ご飯はふわふわで噛むたびに米の美味さと甘さが出てきて。

 鮭は、皮ぱりぱりで塩加減が絶妙でした。米が進むのに、くどくない。

 卵焼きも出汁がすごい効いていて、なんというか「こういう弁当が食べたかったんだ!」って感じの弁当でした。


 次も買おうと思いました。

 美味しかったし、何よりもなんか普通の弁当と違うんですよね。

 でも、同じ弁当が売ってないんですよ。


 というか、同じ店が見つからないんですよ!


 そこから、いろんな場所を回っていくうちに「インターネットを使って探そう!」って。


 そうです。このブログは食い気が強い男が弁当を探すだけのブログなんです(笑)


 中々情報がないんですが、頑張ってこれからも探していこうと思います。

 それでは、今日はここまで。お疲れ様です!

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