考察記事
情報が出そろったので、考察していきたいと思います。
人でないものが出入りしているコンビニ。
蚕の納品業者に、「竈」の文字が書かれた紙を垂らしている人。
意思持つコンビニに、呪詛を書ける店長、目だけの女性、名前を変えられた男性の店員。
そして、東北地方にしか出現しない。
これは、遠野物語にある「マヨヒガ」伝説が現代に応じて変化したのではないだろうか。
遠野物語のマヨヒガとは、「迷い家」と書きます。
伝承では、山に突如として現れる謎の家です。
中に入ると、さっきまで人がいたような形跡が多数残されているのが分かります。
「何も取らずに帰ると、後で届けられる」「何か一つ持ち帰ると、人に富をもたらす」とされている伝説です。
コンビニになっているせいか、前者の「何も取らずに帰る」はなくなっているのだろう。
もしくは、代わりに「何かを置いていくと、帰ることが出来る」ようになっている。
話の中では、金銭が該当します。
通常のコンビニであれば「物を買う代わりに、代金を渡す」です。
ですが、このコンビニは「出るための対価」として金銭を要求しています。
品物については、「巨大な蚕」の話でも出ましたが「おまけ」なのでしょう。
まるで、三途の川のようです。
ですが、三途の川は「渡り賃」として金銭を渡します。
ある意味で、このコンビニ内は金銭が「気をそらすもの」となっているのではないでしょうか。
そして、「振り返らない」
コンビニで買い物する際、振り返らないは不可能です。
前ページでも話しましたが、「意図的な振り返り」の禁止ではないでしょうか。
例えば、「買い忘れた」といって棚を見返すために振り返るのは禁止されていない。
ですが、「巨大な蚕」やR氏の体験談にある「後ろに何がいるか知りたい」で振り返るのは禁止なのでしょう。
「知りたい」での振り返りを禁止しているのではないだろうか。
これは、日本神話における「ヨモツヘグイ」ではないだろうか。
ヨモツヘグイとは、死者の国の物を食べること。また、それになぞらえた日本神話の話である。
死者の国=黄泉の国の物を食べると、黄泉の国の人間になりこちらに戻って来れなくなる。
死した神イザナミを連れ戻すべく、同じく神であるイザナギは黄泉の国へと度だった。
黄泉の国の物を食べてしまったイザナミ。
振り返ることを禁じられたがイザナギは、振り返ってしまった。
そこのは、恐ろしい姿になったイザナミがいた。
イザナギは恐怖で逃げ出した。
彼は追ってくる彼女たちを止めるために、櫛などを投げた。
食べ物に変わったそれらを食べている最中に、イザナギはなんとか逃げ出した。
このコンビニは「マヨヒガ伝承」と「ヨモツヘグイ」を掛け合わた異界ではないだろうか。
「店内飲食の禁止」はヨモツヘグイから来ているのでしょう。
名前はよくある「異界で名前を呼ぶと、取られる」から来てるのだと考えられます。
ただ、分からないところがあります。
彼らがなぜ、このコンビニを建てたかです。
例えば、供物のやり取りであればもっといいやり方があります。
新嘗祭や神社といったものを、夢枕に立ってお告げという形で表せばいい。