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ゴールデンムカイ  作者: フィのー
一章 旅立ち
2/3

2話

キャラクター

昭元唯斗(主人公)

15歳、高校1年生。勉強全般が苦手。

桐山夢界

16歳、唯斗の同級生。科学が得意。

金子太郎

16歳、唯斗の同級生。勉強ができて、特に英語が得意。


 太郎、夢界と出会っ後、3人で歩き出した。向井曰く、さっきの街がファスサンズ、次の街がセカナチアというらしい。ファンダジーすぎてファンタジーだ(?)。今は街道に戻り、3人で歩いている。

「いやぁまさか夢界とあうなんてぇ」

と太郎。

「なんで銃持ってるのカナ?ここは日本ダヨ」

と夢界。

そんなわけないでしょうが。と突っ込みたいがなんとかこらえた。エライ。

「ところで夢界、その次の街…なんだっけ…?」

「セカナチアでしょ、唯斗ー」と太郎が補足。「ありがと」といってから、

「その、、、セカナチアってこっちで合ってるの?」

「さあ?」

即答である。これには思わず、

「えぇ」と謎の声を出してしまった。

「どうするんだよ、迷子じゃねか」

「一回戻るというのも…」

「いや、いくぞー!」

と、太郎と僕の提案もむなしく、夢界は全力ダッシュで走っていった…

……その後、夢界は50メートルに満たない距離で減速、停止した。何という体力のNASAだろうか。

「いやぁ流石にきちぃよぉ」と夢界。

「走るなよぉ」

「はしらないでぇ、」

と太郎と僕でお願いをすると、意外にも夢界は「ふぁーい」と言った。

そこから約10分。太陽がもうすぐ真上に来そうだからおそらく正午だろう。恐れていた事態が今、目の前で起きた。なんと見事に、右と左で道が分かれたのである。看板はあるが、無論読めるわけない。

ーー日本語話すなら文字も日本語にしろよー

と文句を言いつつ、「どうしようか」

と頭を抱えた。

「ここはやはり俺の勘を信じるしか…」と夢界。

ーーあれ?夢界って運よかったっけ?

と思ったが、「右利きだから左!」

と、謎の結論を決めてしまった。まあ、否定する理由もないし…まあいっか。


そこからさらに約15分。

森が開けた。だが、そこには川があった。見事なほどの大河で、橋どころか、舟も見当たらない。

「どうしようか」

なんやかんやで、なんとか渡る方法を考えよう、となった。

「泳ごう」と夢界。

太郎と全力で否定した。

「空飛ぼう」とまたまた夢界。

「もっとこう…現実的で…」

思わず言ってしまった。

すると太郎が

「こういう大河には文明が発達するものだからね。きっと下流に行けば街の1つや2つはあるよ。」

おお、と感嘆の声を出した。

そこからさらに10分。街が見える気配もなく、道くらい聞いとけよぉ、と夢界に言おうか考えていたとき。

「昭元様ぁ!」と不意に後ろから声がした。

夢界と太郎は驚き、太郎に限っては銃を構えてすらいる。

後ろを向いた僕の正面からやってくる人影が1つ。すごーく足が速い。ここまでくると正体が限られてくる。友達に2人。その他だと…敵か?

そこまで息切れするわけでもなく、その発音体はやってきた。夢界(3人の中で1番高い)より背が高いが、武装はないようだ、と考えていると

「昭元様、探しましたよぉ」と。

この人こそ、さっきの友達の選択肢のうちの1人、有志だった。

「おお、ひさしぶり〜?」

有志、本名:高澤有志は、森の中で目を覚まし、歩いていると道があって、足跡が続いていたようで辿って来たとのこと。

「昨日ぶりかぁ」というと、有志は疑問を持ったような顔で「え?」と言った。

「え?、、、さっき…学校で一緒に弁当…食べてたじゃん…?」

「えっ?」

なにかがおかしい。通常通りだと、今日は冬休み初日。休みじゃないか。

「何を…いってるの?僕と向井は昨日…12月19日に飛ばされたん…だけど…?」

「えっ?」といったのは有志ではなく、金子だった。

話を整理しよう。

僕と向井が昨日、帰りの会の途中でこっちの世界に飛ばされてきた。

金子は今日午前、有志は今日午後、?

何かがおかしい。今日午後の時点で、現実世界にも僕がいたのだ。

「もしかして…全員別々の、それぞれが主観となっている平行世界から来たんじゃ…」

金子の発言に、思わず

「…どうして、そう思う?」

と聞いた。

「だって…唯斗と向井、この中見たとき驚いてたでしょ?僕の主観の世界だと…銃を持ち歩くのは普通で…そこそこ珍しい銃だから驚いてるんだと思ったんだけど…」

「アメリカじゃん」とすかさず向井。

これには金子以外全員が賛同。

「…向井曰く、ファスサンズの住民は魔王を倒したら戻れるかも、って言ってたらしいんだ」

向井が頷く。

「…魔王なら…パラレルワールドから人を連れてくることも…可能、なのかもな…?」

確かに。よく考えれば、今いるこの世界もある意味パラレルワールドである。

「まあ…結論でないだろうし、次の街目指すか。」と有志。ナイス〜

といっていると、有志は右手をちょきにして、人さし指と中指を絡めさせ、動かし、最後に人さし指を突き出した。心なしか有志の目が紫色に光った気がした。

「10キロ位の距離に街が見えるよ〜」

え、ええ?と思ったが、向井は

「やっぱり。こっちでよかったな〜」と。そして、「いくぞー!」と全力ダッシュで走っていった。

 やっぱり向井は今度は100メートルほど走ってまた止まった。体力は壊滅的なようだ。。おいかけつつ、有志に聞いた。

「えっと…さっきの…」

「?、ああ、あれは『千里眼』っていうんだ。」

いろいろなアニメ、漫画などで聞いたことがある遠くをみる能力、それが千里眼。

「ああ、その、千里眼ってどこで手に入れたの?」

「えっ、さっきの街道沿い家なかった?」

「…」

あー、と有志。

「その家主の人を手伝えば、何か一つ能力を教えてあげるって言われて。」

なるほど。

「さっきの指は見た?あの形で、無限∞をかくとステータスが見れるんだ。」

へぇ〜、と思いつつ、試しにやってみた。

名前:秋本唯斗

レベル:3 職業:なし 能力:他人の能力抑制


職業なしって…あと、この能力、なんだ?

「能力、何かあった?最初から1つは持っているようだけど」

「うーんと…他人の能力抑制だって」

へぇー、と有志。

いつから聞いていたのか、いつの間にか近くにいた向井、金子も自分のステータスをみているようだ(無論、他人のステータス表は見えない)。

「僕は射撃だって」と金子。

へぇ、銃にむいてるじゃん、と有志がいった。

「向井は何だった?」と聞いてみたが、

「………」

向井は答えようとしない。

大丈夫だって〜、と言おうとしたとき

「能力、????になってる。。。」

!!!アニメだと…レベルが上がると解放されるパターンか?

「まあ…これから出現するって!頑張ろうよ!」と慰め、

「ようし、日が暮れる前に次の街へ行くぞー!」

と決意した。

 夕暮れ時、僕たちは第二の街・セカナチアについた。有志と合流してすでに3時間程たったかもしれない(なんせ、時計がないため、正しい時間はわからない)。今度の街は十和田と互角くらいか。ただ、今朝までいた街よりは店が多く、質も良さそうだ。ただ…

「「「つかれたよーーーーーー」」」

と、向井以外の3人が声をそろえた。

「先に宿でも行っておいたら?」と向井。ありがたーく宿に向かわせてもらった。ベッドもグレードアップしている、と思いつつ、身体をベッドに預けた。

しばらく3人でぼぉーっとしていたが、「きゃーー」という叫び声によって完全に起こされた。


 唯斗、金子、有志は宿の外に飛び出した。人だかりのある街の入り口へと向かう。近づくにつれてピリついた空気が漂っているのが肌で感じられる。

みんなな視線の先にいたのは…勿論、夢界だった。さっき買ったのだろう。真新しい金の防具で身を守っている。

「な、なにをしたんだよー」

と、小声できく。

「いやぁ、ね?」

いや、わかるかよー!といおうとしたとき。

「し、正体隠すなよ!この厄神!」

「そうだ!そうだ!」

「早くここからでていけ!」

「そうだよ!はやくしろ!」

「………」

これには思わず絶句。何をしでかしたのだか。「厄神」だそうだ。

「い、いやぁ、そこの武器屋で武器選んでたらいいのあったさ、手にとって軽く振ってみたのよ。そうしたら、全部気がガチャーンって音とともに壊れてぇ、ここまではまだ『運が悪かった』ってだけだったけど…持ってた剣を戻そうとしたら、…家ごと壊しちゃったみたい」

要約すると、武器をさわったら最終的に武器屋ごと倒壊。厄神と言われても仕方ないなぁこれは。

「す、すいません。。。」

「お、おう…ってか、お前らもこいつの仲間なのか?」

「ま、まあ」

「おい、みんなー!この厄神『ゴールデンムカイ』の仲間だぞ!つかまえろー!」

金色の防具を着た夢界、ゴールデンムカイ。ネーミングセンスいいねっ!

と思いつつ、全力で逃亡した。

(続く)

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