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篠崎ミズホの冒険 クロと闇の冒険物語  作者: 旅立 マス
第5章 少女達の信じる道
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第62話 ミズホと結成、ダークキャッツ!

ルアナが、珍しく声を落とした。いつもの「アタイはアタイだ!」って勢いじゃなくて、言葉を選んで、噛みしめるみたいに。


「アタイ、今回捕まって改めて思ったんだ。今まで、無教徒っていうのを理由に……子供みたいに、ただホーリーライトの連中に対抗してただけなんだなって」


その一言で、胸の奥が、ちくっと痛んだ。

ルアナの強さって、剣の腕だけじゃない。自分の弱さを認める勇気も、ちゃんと持ってるんだ。


「ただ“異端”であるだけっていうのもダメだと思った。だからと言って抵抗しない訳じゃない。ミズホが、世の中で異端とされてる闇の力の在り方を見つけるように……アタイ自身も、自分を誇れる生き方を見つけたいと思った。お前らとなら、それが出来そうだと思ったんだ」


……私が?

私が“在り方を見つけようとしてる”なんて、そんな大層なこと、格好よく言えるほど立派じゃない。

正直に言えば、迷って、転んで、泣いて、怒って、たまに意地になってるだけだ。


でも、ルアナには、それが“進もうとしてる姿”に見えたってことだよね。

そう思ったら、照れくさいのに、背中が少しだけ真っすぐになる。


続けて、フライヤが一歩前に出た。彼女の表情は、いつもの凛々しさの中に、少しだけ柔らかさが混じっている。


「そうね。アタシも、ホーリーライトっていう狭い世界でしか見てなかった。……今回の件で、自分の正義が何か見直すきっかけになったわ」


彼女が“正義”って言葉を口にするたび、私は思う。

フライヤは本気でそれを大事にしてる。飾りじゃなくて、ちゃんと自分の骨として持ってる。


「ルアナと一緒。ミズホ達について行って、アタシ自身の生き方を見つけるのもいいかなって思ったの」


ルアナ、フライヤ……。

私のことを、そんなふうに見てくれてたんだ。


(……なんか、めちゃくちゃ照れる)


さっきまで「チーム名どうしよう」とか「キャッツってどうなの」みたいなノリだったのに、急に大事な場面が来るじゃん。

気持ちが追いつかなくて、私は一回、喉の奥で息を飲み込んだ。


でも——嬉しい。

言葉にすると軽くなりそうなくらい、嬉しい。


二人が入ってくれたら、心強いなんてもんじゃない。

剣と槍がある。戦いの現場を知ってる二人がいる。何より、自分の意志で“ここから”を選んだ二人がいる。


私は頬をかくふりをして、ごまかしながら言った。

「……嬉しいよ。二人が入ってくれたら、ほんと心強い。いいよね、エリー?」


エリーは、私の横で静かに頷いた。いつもの落ち着いた笑み。だけど、その目はちゃんと熱がある。


「ええ。私も賛成よ。よろしく、二人とも」


その瞬間、胸の中で何かが“カチッ”と音を立ててはまった気がした。

迷子のまま歩いてた道に、仲間が増えて、道が“旅”になった感じ。


「よし。じゃあ——」


私は自分に言い聞かせるみたいに、はっきり言う。

「ダークキャッツは、私とエリーと、ルアナとフライヤ。四人でスタートだね」


ルアナがニッと笑う。

「おう。よろしくな、隊長……って言った方がいいか?」

「やめて!それ恥ずかしい!」

反射でツッコんだら、フライヤまで小さく笑った。


その空気を、さらに明るくぶち抜いてきたのが——


「いや〜、いいもの見させてもらったわ〜」


ルーシーさんだ。さっきまで“潰すか”って目をしてた人とは思えないほど、満面の笑みで拍手までしてる。


「なんか私、感動しちゃった。ルアナちゃん、フライヤちゃんもダークキャッツの仲間入りってことね!おめでとう!」


「う、うん……ありがとう、ルーシーさん」

照れくさい。祝われるの、慣れてない。いや、嫌じゃない。むしろ、今はこの感じが救いだ。


旅に出てから、牢屋だの襲撃だの、ゾンビだの、魔物化だの。

気を抜いたら、暗い方へ引っ張られそうな出来事ばかりだった。


でも今だけは、ちゃんと“前に進んでる”って思える。

手を伸ばしたら届く場所に、仲間がいるって思える。


……それに。


(たぶん、ここからが本当のスタートなんだよね)


ホーリーライトは、まだ終わってない。

クレードも逃げたまま。

地下牢のことだって、放っておけるはずがない。


だけど、もう一人じゃない。

私は胸の奥で、もう一度小さく誓った。


闇に飲まれない。

闇を、“守るため”に使う。

そして——この四人で、ちゃんと答えを見つける。


「……よし。改めて、よろしくね。ダークキャッツ」

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