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篠崎ミズホの冒険 クロと闇の冒険物語  作者: 旅立 マス
第5章 少女達の信じる道
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第54話 ミズホと2人の新たな一歩

ルアナが囚われている牢屋を見つけた。


「あ、ルアナ! 無事だったのね、よかった! 助けに来たよ」

「ミズホ、エリン! それにフライヤまで……どうして……」

「村のみんなは、あなたを犠牲にしたくないって言ってたわ。私も同じ気持ち」

「アイツら……」

「ほんと、いい仲間を持ったんじゃない?」

「……ああ。アイツら、いい奴らだよ……」


ふと、ルアナがフライヤのほうを見る。幼馴染って聞いていたけど、空気が一気に気まずくなる。沈黙、長い。――このままじゃ重い。


私は慌てて話題を振った。

「そういえば、ルアナとフライヤって幼馴染なんだよね?」

「ああ……フライヤ、久しぶりだな。まさかミズホ達と一緒にいるとは思わなかったが……」

「アンタが捕まったって聞いたからよ。こんなことになってるなんて……。こんなことになるなら、無理にでもホーリーライトに引き留めておくべきだったわ!」


「……」

「ホーリーライトに“引き留める”って?」

私の疑問に、フライヤが答える。

「彼女は元ホーリーライトの兵士よ。辞める前は曹長。出世街道、まっしぐらだったの」


わお。只者じゃないとは思ってたけど、そこまでとは。ルーサー騎士団長のことを把握してたのも、その線ね。


ルアナが低く続ける。

「ここの兵は、自分たちが上だと思ってる連中ばかりだ。上層部とも話は合わなかった。アタイには、あそこに正義はないって見えた。だから辞めた」

「だったら、あなたが上に行けばよかったのよ! 何も辞めることなんて……」

「上に行くまでにどれだけ時間がかかる? その間に、さらに酷い目に遭う奴らが増えるんだ。だったら、ホーリーを辞めて抵抗する。アタイはその道を行くと決めた」


フライヤは食い下がる。

「そのせいで、あなたを鬱陶しく思う連中が、あなたのやろうとしたことを潰したじゃない。なんでよ……なんで、わざわざそんな危ない道を……」


フライヤの目に光がにじむ。心配でたまらなかったのが、こっちにも痛いほど伝わる。


そこでエリーが静かに口を開いた。落ち着いた声だけど、真っすぐだ。

「ルアナ。あなたが“自分の道”を進もうとしているのは分かったわ。でも、フライヤみたいに相談できる相手がいるなら、頼ってもよかったと思う。……まあ、これはあなた達の問題。強く言うつもりはないけれど」


次の瞬間、ルアナが鉄格子越しに身を寄せ、フライヤを抱きしめた。

「アタイが悪かった。エリンの言うとおりだ。アタイのやろうとしてたことに、フライヤを巻き込みたくなかった。フライヤにはフライヤの正義を貫いてほしかったから……」


フライヤは小さく息を飲み、腕を回す。

「……バカ。そういう大事なこと、早く言いなさいよ」

声は震えているのに、抱きしめる手は強い。


鉄の匂い、冷たい石壁、遠くで響く兵士の靴音。何も変わっていないのに、ここだけ空気が柔らかくなった気がした。二人の間にあるものは、たぶん私には分からない部分も多い。けど――


(新しい一歩、いま踏み出せたよね)


私はエリーと目を合わせ、うなずく。

「……よかったね」

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