第47話 ミズホとエリーの救出作戦
ルアナが連れて行かれた後、村の人たちの心はひとつになった。もう迷いはない。彼女を取り戻すんだって。だから、私も不安はなかった。――いや、正直に言えば不安はあるけど、それ以上に胸の奥で「絶対に助ける!」って想いが燃えていた。
「後は、私とエリーでやるしかないね」
そう言ってエリーと顔を見合わせる。彼女は、相変わらず落ち着いた笑みを浮かべていて、心強かった。
村人から得た情報によると、ルアナは私たちが向かおうとしていたギルドがある街――ミドリーノシティ。そのホーリーライトの拠点に囚われているらしい。
となれば……必ず通るのが検問だ。うわ、苦手そうなイベント来たわ。
でも大丈夫。村の人がこっそり教えてくれた。
「検問?金貨一枚でなんとかなる」って。
……うん、わかりやすい世の中だなあ。
案の定、兵士に止められた。
「待て。この辺りじゃ見ない顔だな」
「えっと……まあ、そりゃそうだよ。この世界の人じゃないし」
あ、やば。余計なこと言った!?と思ったけど、兵士は鼻で笑っただけだった。
「異界の人間か。だが通るには身分証がいる」
そう言われて私はすかさずポケットから金貨を取り出して、掌にのせて差し出した。
「まあまあ、私たち急いでるから。これでどう?」
兵士は金貨を受け取って、にやりと笑った。
「その歳でなかなか分かってるじゃないか。よし、通れ」
やった。成功!
「へへへ……どうもー!」
なんか、めっちゃあっさりしてるんだけど!?もっとこう、緊張感あるやりとりを想像してたのに。
そんなわけで、無事に街へ侵入。潜入ミッション第一段階、完了!
私とエリーは、ようやくミドリーノシティの中心へと足を踏み入れた。
活気のある市場、行き交う人々、けれどどこか不穏な空気。ホーリーライトの兵士たちが巡回していて、村の静かな空気とはまるで違う。背中にじんわり冷や汗が伝った。
「……この街のどこかにルアナがいる」
私は周囲をきょろきょろと見回すけれど、それっぽい建物は見当たらない。
「ねえ、ミズホ。あの建物じゃない?」
エリーが私の袖を引いて、タブレットを見せてくれた。地図アプリには、街の構造が表示されている。
地図によると、目の前の通りの奥にはホーリーライトの礼拝堂。そしてさらに奥には兵士の駐屯地。……なるほど。順番的に言えば、怪しいのはその奥の駐屯地ってわけか。
私たちは礼拝堂へと向かった。
外から見る限りは、特に大きな建物ではなかった。異界で私が見た礼拝堂よりもむしろこぢんまりしている印象。こんなところにルアナを閉じ込めておけるような場所はない。
「……やっぱりここじゃないね」
私は小声でつぶやいた。
だとすると――その奥の駐屯地。きっとそこにルアナがいる。
けど、問題は情報がまったく足りないこと。
中の構造もわからないし、見張りの数も不明。無謀に突っ込めば、私たちまで捕まってしまう。
エリーが不安そうに眉をひそめる。
「どうする、ミズホ。作戦を立てないと……」




