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第34話 ミズホと進むべき道

私の身の振り方……?

そんなの、クロと契約した時点で決まってる。


「私はね、闇だからって理由だけで否定される今の世界は間違ってると思うの。だったら私は──その“否定”を否定するわ。全ての属性には意味がある。その考えで、私は進む」


口にした瞬間、胸の奥がじんわり熱くなった。

これはもう言い訳でも強がりでもない。私の“覚悟”。


「……その道を選ぶのね」

シキがまっすぐに私を見つめる。その視線は、厳しくも優しかった。


「うん。たとえ邪魔する者が現れたとしても、私は退かない。クロと一緒に、この力で切り拓いてみせる」


「……ミズホ、あなたが進もうとする道は険しいのよ?」

「そうね。けど、それでも正しいと信じるなら、どんな道でも進む」


「……ふふ。だったら、これ以上は言わない。幼馴染として──応援してあげる」

「シキ……ありがとう」


その瞬間、胸の緊張がすっとほどけた。

色々あったけど、ようやく一つの結末に辿り着けた気がする。


……そう、思った矢先。


「色々、決意して盛り上がっているところだが……これからのことを話さねばならない」

理事長が低い声で切り出した。


「篠崎君。恐らく君は──これから追われる立場になるだろう」


「…………は?」

耳を疑った。今なんて言いました理事長?


「分かりやすく言えば──君はこれから“お尋ね者”として追われる立場になる」


「パードゥン!?」

頭の中で、変な外来語が飛び出した。お尋ね者?私?指名手配?マジで!?


理事長は重々しくうなずく。

「闇の精霊と契約した者など、この世界はもちろん、他の異世界でも稀だ。少なくとも私の知る限り、前例はない」


「…………え?」

つまり私、史上初? いやいや、そういう初物って嬉しくないから!?


「九段君が言った通り、君の存在を他の組織がどう見るか……無視はできんだろう。利用する者、排除しようとする者──いずれも現れるはずだ」


背筋がぞくりとした。

今まで“物語の主人公っぽいな~”なんて軽口を叩いてたけど、まさか本当に世界規模のターゲットにされるなんて。


「で、でも! 理事長たちの力でなんとかできないんですか? ほら、理事長たちの目的って“闇精霊の保護”でしょ!?」


「残念だが、それは契約者が存在しない場合の話だ」

「……え?」


「君が契約してしまった以上、闇の精霊を保護するという名目は使えん。むしろ契約者である君の自由まで奪いかねない。最悪、無理やりにでも精霊を引き離す手段に出る可能性もある」


ゾワッと鳥肌が立った。

無理やり引き離す……? そんなの、絶対に許さない!


「だから、我々ができるのは──君を“闇の精霊の契約者”として認める。そのレベルまでだ」


「ほ、ホーリーライトとの問題は!? あの人たち、絶対に邪魔してくるでしょ!?」


「彼らとの問題に君を巻き込むわけにはいかない。今後は、我々が協力者を募り、どう対応するかを考えよう」


「じゃ、じゃあ……生徒会は!?」

藁にもすがる思いでシキを見る。


シキは首を横に振った。

「ごめんね、ミズホ。生徒会としても無理なの。むしろ闇の精霊に加担しすぎると、学園そのものから“脅威”と見られかねない」


「え、えーっと……つまり……私は……どうなっちゃうの……?」


全員の視線が一斉に理事長に集まる。

そして理事長は──とんでもなく重い声で告げた。


「篠崎君……残念だが──退学だ」


……。


…………。


「えええええええええええええええええええええええッッ!?」


叫び声が図書館に響き渡った。

いやちょっと待って!? 今、私、退学って言われた!? 退学!? まさかの、主人公退学エンド!?


頭の中がぐるぐる回って、思わずクロの毛をわしっと掴んだ。

「にゃああっ!? 雑に扱うなニャ!」


「だってクロぉぉぉ! これ、どうすればいいのよぉぉ!?」


……こうして、私の学園生活は大波乱の新章を迎えることになった。

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