表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
篠崎ミズホの冒険  作者: 旅立 マス
第1章 少女と闇は出会った
3/29

第2話 ミズホとエリー。仲良しコンビの会話

生徒指導室を出た途端、見慣れたふたりの姿が目に飛び込んできた。


「ミズホ、大丈夫?」


声をかけてきたのは、私のルームメイトで親友のエリー。

実は、彼女、知る人ぞ知るとんでもないいいところの令嬢。どうしてそんな子と親友になったのかって? ふふ、その話はまた今度。語れば長いわよ?


「ミズホ先輩……本当に、大丈夫ですか?」


もうひとりは、後輩のサチちゃん。控えめで真面目な子で、エリーのことをとても慕っている。


「私は平気よ。それより、サチちゃんこそ大丈夫だった?」


あの男子生徒……サチちゃんにちょっかい出してた最低なやつを、私が軽く(ちょっと派手に)ぶっ飛ばしたわけだけど。


「……ミズホ、また無茶したでしょ」


「うん、今度は気をつける」


「今度が無いようにって言ってるの」


エリーのその目。完全に信じてないわね? まあ、認めるよ。私がやらかすの、一度や二度じゃないもんね……。


「でもさ、アマンダ先生には全部バレてた。全部お見通しって感じだったわね」


「アマンダ先生ってすごいんですね……」


「今回の罰は、図書館の本の整理だってさ」


「すみません……私のせいで、先輩が……」


サチちゃんがしょんぼりと下を向く。ああもう、この子、ほんとにいい子。


「気にしないで。あれは明らかに向こうが悪い。私はただ正しいことをしただけよ」


「……けど、暴走するのはやめてね? 私の時もそうだったし」


エリーの言葉に、ふと昔を思い出す。彼女とまだ仲良くなる前、同じように嫌な男子に絡まれてて――私、そいつもぶっ飛ばしたんだったっけ。成長してないな、私。


「まあまあ、サチちゃんが無事ならそれでいいの。今度同じことがあったら、私みたいにやってみなさい」


「だからそれを教え込まないの!」


「先輩方って、ほんと仲良しですよね……」


「でしょ? 尊敬してくれてもいいのよ?」


「えっと、それは……」


あ、目を逸らした。

……地味に、傷つく。


「でもでも、ミズホ先輩って、主席ですごいし、実技もトップクラスで……私、ほんとに尊敬してます!」


「ふふっ、ありがと。よーし、撫でちゃうぞ〜」


サチちゃんの頭を優しく撫でる。こういう素直な子、癒されるわぁ……。


「じゃ、私は図書館に行ってくるわね。ふたりとも、またね〜!」


手を振って歩き出す。

さっきからのやりとりからわかるように、周囲の評価はだいたいこんな感じ。

「主席であることはすごい」けど、それ以外は……「ちょっとアレ」ってね。


でも、私は気にしない。私は私。自分の信じるやり方で生きるだけ。


さて、思ったより時間を使っちゃったな。図書館、急がなきゃ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ